社労士 井真井秀樹の転ばぬ先のいい話
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「カブ知恵」発、個人投資家向け株式情報 2008年10月27日発行
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★ 目次
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★ 各種株価指数の状況
★ 相場概況（主力株）
★ 今後の相場イメージ（主力株）
★ 相場概況（新興市場）
★ 今後の相場イメージ（新興市場）
★ ＩＰＯ情報
★ 編集後記
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★ 各種株価指数の状況
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日経２２５ 7162.9 -486.18 -6.36％
ＴＯＰＩＸ 746.46 -59.65 -7.4％
日経ＪＡＳＤＡＱ 1061.51 -22.92 -2.11％
Ｊ−Ｓｔｏｃｋ 845.35 7.44 0.89％
マザーズ 277.01 -19.78 -6.66％
ヘラクレス 441.12 -24.88 -5.34％
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★ 相場概況（主力株）
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27日の日経平均は前週末比486.18円安の7162.90円、高値は10時14分の7878.97
円、安値は14時14分の7141.22円。東証一部の売買代金は２兆2323億円、値上
がり銘柄数は126銘柄、値下がり銘柄数は1556銘柄、変わらずは30銘柄だった。
日経平均は03年４月に付けたバブル経済崩壊後の取引時間中の最安値7603.76
円を割り込み、82年10月７日以来26年ぶりの安値となった。
24日のＮＹダウは前日比312.30ドル安の8378.95ドルで取引を終えた。アジア
や欧州の株式相場が軒並み大幅安となったことが嫌気された。９月の中古住宅
販売件数は季節調整済みの年率換算で518万戸となり、前月比5.5％増。市場予
想平均の495万戸を上回りプラスに転じた。前年同月比でも1.4％増だった。5.
5％の伸び率は03年７月の5.6％以来だった。しかし、差し押さえ物件が販売件
数の４割程度を占め、価格が9.0％低下したことで、市場への反応は限定的だ
った。
土日を含む前場開始前に、金融機能強化法改正案に基づく公的資金の資本注入
額の10兆円への増額、銀行等保有株式取得機構の株式買い取り、日銀への銀行
保有株の買い取り再開要請、そして、銀行の株式取得規制の緩和などのメニュ
ーが並んだ緊急市場安定化策骨子が、各種報道機関を通じ、市場に漏れ伝わっ
ていた。また、取引時間中、中川財務・金融相が、緊急市場安定化策について
首相らと11時30分から首相官邸で協議した後、11時50分をメドに財務省内で記
者会見することも伝わったが、株式市場の反応は鈍かった。一方、東京外国為
替市場で円高が一服したこと、CME Globexで米株価指数先物が堅調に推移した
ことが好感され、相場をサポートした。
昼休みに、麻生首相が金融市場安定化策を経済閣僚と与党幹部に正式に指示し
たと伝わった。しかし、その内容は事前に伝え漏れたもので、サプライズはな
かった。また、Ｇ７が「円の過度の変動ならびにそれが経済・金融の安定に悪
影響を与えることを懸念している。我々は引き続き為替市場をよく注視し、適
切に協力する」との共同声明が発せられた。だが円相場はピクリともしなかっ
た。このため、後場に入り、対策の実効性への懸念が強まり、売り圧力が強ま
った結果、大引けにかけ下げ幅を拡大させた。
東証33業種では、値上がり業種はゼロ。一方、保険、その他金融、証券、商品
先物、銀行、ゴム製品、鉱業、金属製品、パルプ・紙、鉄鋼、輸送用機器、そ
の他製品、卸売、繊維製品、機械、非鉄金属、電気機器、倉庫・運輸、石油・
石炭製品などの値下がりが目立つ。
個別では、東証一部の値上がり率トップはモリテックス（7714）、２位はパシ
フィックＨＤ（8902）、３位はマルエツ（8178）。一方、値下がり率トップは
東急建設（1720）、２位はあおぞら銀行（8304）、３位は山一電機（6941）。
個別銘柄動向は以下の通り
ヤフー(4689)、ＣＳの投資評価「OUTPERFORM」への引き上げが買い手掛かり
28260円 1730円高
クレディ・スイス証券は、同社の目標株価を従来の43500円から35000円に引
き下げたが、投資評価を同「Neutral」から「OUTPERFORM」に引き上げたそう
だ。この投資評価引き上げが買い手掛かりになったと観測される。会社側が2
4日引け後に発表した09年３月期第２四半期の営業利益は前年同期比9.7%増の3
30 億円だった。会社ガイダンスの319 億〜338億円上限に近い着地であり一定
の評価は出来るという。企業業績の大幅な悪化やそれに伴う４マス広告媒体の
苦戦が続く中、インターネット広告媒体は好調を維持し、ヤフーの広告事業は
前年比約２割の増益を記録したことで、投資評価を引き上げたもよう。
野村総合研究所(4307)、ＧＳのレーティング「買い」継続が買い材料
1494円 88円高
ゴールドマン・サックス証券は、同社の今後12ヵ月の目標株価を従来の2600
円を2200円に引き下げたが、レーティングは「買い」を継続したそうだ。この
買い継続が買い材料になったようだ。２Ｑの営業利益は、前年比13％減益の23
7億円だったが、計画の修正はやや意外であったという。短期的に株価が急落
すれば、歴史的安値水準でもあり、長期的には買いの好機とみられると判断し
ているそうだ。連日の株価下落で証券業の投資機運が低下している中、会社側
は下期の証券業向け売上予想を従来比19％下方修正したが、それ以上のリスク
もありえる状況にあるという。代わりに下期保険向け売上を同16％上方修正し
たが、受注できない可能性もあるとみているもよう。
ニトリ(9843)、ＵＢＳの目標株価7400円への引き上げが買い手掛かり
5980円 260円高
ＵＢＳ証券は、同社の12ヶ月のレーティング「Ｂｕｙ」を据え置き、目標株
価を従来の7000円を7400円に引き上げたそうだ。ＵＢＳ09年度予想を上方修正
し、営業利益を389億円(17%増)から412億円(24%増)としたもよう。09年度予想
はIFIS予想の352億円を17%上回る水準だという。為替前提は105円／＄を96円
／＄(マージン影響は従来比プラス220bp)へ、原料コストの低下(10%減)をプラ
ス100bpの改善因として織り込んだという。一方、09年度も継続的な値下げ販
促(四半期毎に300-400品目の価格を20%カット、総品目数は約9000)が行われる
とみた(影響は同マイナス120bp)とも。
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若林栄四のプロフィール
1966年、京都大学法学部卒業。東京銀行（現、三菱東京UFJ銀行）入行。同行
シンガポール支店為替課長、本店為替資金部課長、ニューヨーク支店為替課長
を経て、85年よりニューヨーク支店次長。1987年、勧角証券（アメリカ）執行
副社長。1996年末退職。歴史観に裏づけされた洞察力から生み出される、内外
金融市場全般に亘る鋭い相場大局観及び問題の本質を把握し明確に語りきる同
氏の姿勢は、日本国内に限らず海外のプロフェッショナル・機関投資家・ファ
ンド・マネジャーの間でも注目されている。
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★ 今後の相場イメージ（主力株）
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日経平均は03年４月に付けたバブル経済崩壊後の最安値を更新し、82年10月７
日以来26年ぶりの安値となった。そして、225先物はイブニング・セッション
（夜間取引）で心理的な節目の7000円を割り込み、17時18分には6840円まで下
落した。香港株式市場でハンセン指数が12％を超えて下落したことや、ＧＬＯ
ＢＥＸ（シカゴ先物取引システム）で米株価指数先物の下落率が３％を超えて
いることが嫌気されているという。まあ、イブニング・セッションは、現物市
場が動いていない上、裁定業者も入ってこないため、あまりあてにならないが、
現在の市場が下振れし易い状況であることを示しているだろう。
本日明らかになった政府・与党の緊急安定化策は内容的に評価に値しないばか
りか、解散先送りで国会が空転する可能性が高まったため、成立もおぼつかな
いと考える。このため、現時点の最善策は、なんとか金融機関への資本注入に
関する法律だけ成立させ、早期に解散することだろう。そして、民意を受けた
次期政権が強力なリーダーシップを発揮し、今回の危機対応にあたることだ。
民主党がファインティングポーズをとり始めているため、現時点では国会空転
は不可避とみておく必要がある。
今回の対策が、効果があるものなら、又は、追加的に効果のあるものが出てく
るなら、話は別だ。しかし、昨日テレビに出演していた与党幹部・経済閣僚の
態度をみていると、現在が非常時であるとの認識、及び、可及的速やかに相当
思い切った大胆な対策を打つ覚悟をしているようには全く感じられなかった。
経済戒厳令を出して、国富の消滅を阻止するという覚悟なしでは、今回の危機
は回避することは無理なのに。このままでは、国民の貴重な財産は政策無策故
に、日毎に減少していく公算が大きい。
世界中の恐怖にかられた投資家は、投資先のヘッジファンドや投資信託の解約
に走っている。顧客が解約したいと言えば、それに従わざるを得ないファンド
マネージャーは、相場観抜きに粛々と換金売りを出し続ける。値段なんて構わ
ずに。このため、マーケットは壊れ、バリュエーションが全く機能せず、理性
的な価格形成能力を市場は喪失しているのだ。一方、有効な対策が講じられな
いため、その売りに向かう大量の買いが一向に入ってこない。
市場はいつでも行き過ぎるものだ。しかし、今回は従来の行き過ぎのレベルを
はるかに超えている。政策当局が有効な手立てを講じなければ、無駄に国富は
失われ、市場の暴走は行き着くところまで行かないと止まることはないだろう。
（株式会社カブ知恵 代表取締役 藤井英敏）
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★ 相場概況（新興市場）
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27日の新興３市場は全面安。日経ジャスダック平均、東証マザーズ指数、大証
ヘラクレス指数は揃って４日続落した。本日、東証マザーズ上場のリニカル（
2183）は売り物殺到で初値が付かなかった。最終気配は750円売り気配。公募
価格は1000円。
個別では、メディアクリエイト（2451）、総和地所（3239）、ジヤパンシステ
ム（9758）、ダイナシティ（8901）、丸八証券（8700）、ＣＳＳホールディン
グス（2304）、情報技術開発（9638）、アイレックス（6944）、ゴトー（9817
）、ニッシン債権回収（8426）、セイクレスト（8900）、オーシャンシステム
（3096）、コンセック（9895）、イーストンエレクトロニクス（9995）、モッ
ク（2363）、ウィル（3241）、暁飯島工業（1997）などの値上がりが目立つ。
一方、カウボーイ（9971）、エノモト（6928）、東京カソード研（6868）、デ
ジタルアドベンチャー（4772）、ブロッコリー（2706）、リバーエレテック（
6666）、メディサイエンス（2182）、パウダーテック（5695）、インデックス
ＨＬＤＧＳ（4835）などの値下がりが目立つ。
個別銘柄動向は以下の通り
セイクレスト(8900)、第三者割当増資と新株予約権の発行を好感
540円 80円高のストップ高買い気配
25日、現物出資(デット・エクイティ・スワップ)による新株式の発行(第三
者割当増資)及び第２回株式会社セイクレスト新株予約権の発行を行うと発表
した。OVE第２号投資事業組合に対する債務の株式化を行うことで、借入金返
済による有利子負債の圧縮と共に自己資本の増強を進め、財務体質の強化を図
ることが好感された。調達資金については、新株式の発行と新株予約権をあわ
せて総額で４億円(４億円のうち、6000万円は同社に対する金銭債権の現物出
資によるものであるため、資金の調達はなし)を予定。短期的な資金繰りにお
ける企業存続の危機的状況を打破し、現在遂行中のＳＣリバイバルプランを遅
滞無く遂行させることで、継続した安定収益基盤の確立は成されていくものと
考えているという。現物出資による新株式の発行及び新株予約権の発行に伴う
株式数の増加数は、当該新株式の発行にて15万株増加、新株予約権の発行に伴
う増加数(潜在株式数含む)85万株、合計で100万株となり、同社の発行済株式
総数7万9665株に対する割合1255.25％となることを考えると規模は極めて大き
い。
鉄人化(2404)、自己株式取得を発表
27340円 1490円高
27日、12時35分、自己株式取得を発表した。これが好感された。取得しうる
株式の総数上限は1000株(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合3.0％
)、取得価額の総額上限は4000万円、取得方法は東京証券取引所における市場
買付、取得期間は08年10月28日〜08年12月30日
情報技術開発(9638)、自己株式取得を好感
610円 100円高のストップ高買い気配
24日、自己株式を取得すると発表した。これが好感された。取得する株式の
総数は20万株(上限)(発行済み株式総数に占める割合2.22％)で、株式の取得価
額の総額は２億円(上限)。自己株式取得の日程は、08年10月27日から08年12月
22日まで。
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★ 今後の相場イメージ（新興市場）
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27日のＩＰＯレシオは前週末の82.00から35.97ポイント低下して46.03となっ
た。低下は２日連続。２日間で90.81ポイントの急低下となった。ＩＰＯレシ
オ５日移動平均線は118.18と、こちらも２日連続の低下。38.20ポイント急低
下となった。
ＩＰＯレシオが５日移動平均線を下回り、且つ、５日移動平均線が下向きを継
続しているため、直近ＩＰＯ市場の調整が続いている様子が窺える。直近ＩＰ
Ｏ銘柄のような高リスクの銘柄群を積極的に売買する投資家が新興市場から去
って久しい。
このため商いも盛り上がらず、多くの直近ＩＰＯ銘柄は初値・公募価格を大幅
に下回った水準での推移を余儀なくされている。需給関係も非常に悪い。これ
では直近ＩＰＯ市場に資金が流入することを期待するのは無理だろう。
一方、３市場売買代金は前週末から２億円増加して、241億円となった。本日
の主要な株指数は全面安だった。小口の売り物を吸収できず、指数が下落した
ようだ。流動性枯渇が続いている。相変わらずの不人気ぶりだ。
このような状況では、健全な資金の新興への流入は期待薄だろう。また、今後、
新興企業の決算発表が本格化する見通しだ。例によって、業績下方修正ラッシ
ュになる可能性も低くはない。
業績リスクを負ってでも、現在の新興銘柄を積極的に買おうという投資家は稀
有な存在だろう。よって、当分の間、深刻な買い手不足は続くとみておいた方
が良さそうだ。
（株式会社カブ知恵 代表取締役 藤井英敏）
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★ ＩＰＯ情報
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★ 編集後記
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安定化策の銀行等保有株式取得機構による銀行保有株の買取再開と日銀の株
式購入再開には笑ってしまいます。銀行等株式取得機構の余剰金は約5800億
円に過ぎません。日銀の買い余力も、市場試算では約6000億円程度とみられ
ており、両方合わせても約１兆2000億円程度です。しかも、株式取得機構の
買取再開には法改正が必要で、今すぐ、買取開始というわけにはいかいない
のです。まるで、若者が6000円だけ現金を財布につめて、利用限度額5800
円のクレジット・カードを握りしめて、座って５万円の銀座のクラブに行く
ようなものです。そんな若者に、銀座のホステスは、冷ややかに、「坊やのく
るところじゃないのよ」というに違いありせん。銀座でワイン、シャンパン
を空けて派手にやったら50万や100万は軽くかかります。ですから、政府も
マジで株価を支える気があるなら、50兆円でも100兆円でも株を買い支える
ぜという気概をみせなきゃいけませよね。
（藤井英敏）
★＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊★
【等幅フォントで御覧ください】
フォントの設定をWindowsは「MSゴシック」、Macは「Osaka-等幅」等として
いただきますと見やすくご覧いただけます。
＜Outlook Express の場合＞
メニューから「ツール」−「オプション」−「読み取り」−「フォント」
で「ＭＳゴシック」をお選びください。
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