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「カブ知恵」発、個人投資家向け株式情報 2008年7月4日発行
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★ 目次
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★ 各種株価指数の状況
★ 相場概況（主力株）
★ 今後の相場イメージ（主力株）
★ 相場概況（新興市場）
★ 今後の相場イメージ（新興市場）
★ 出来高を考慮した翌日のデイトレ用監視銘柄
★ ＩＰＯ情報
★ 編集後記
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★ 各種株価指数の状況
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日経２２５ 13237.89 -27.51 -0.21％
ＴＯＰＩＸ 1297.88 -0.14 -0.01％
日経ＪＡＳＤＡＱ 1481.78 -0.34 -0.02％
Ｊ−Ｓｔｏｃｋ 1295.96 3.37 0.26％
マザーズ 540.29 -2.74 -0.5％
ヘラクレス 885.25 -12.88 -1.43％
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★ 相場概況（主力株）
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４日の日経平均は前日比27.51円安の13237.89円、高値は９時３分の13288.55
円、安値は13時47分の13135.46円。東証一部の売買代金は１兆9646億円、値上
がり銘柄数は839銘柄、値下がり銘柄数は748銘柄、変わらずは138銘柄だった。
日経平均は12連敗した。
３日のＮＹダウは反発した。前日比73.03ドル高の11288.54ドルだった。注目
の６月の雇用統計で非農業部門の雇用者数は前月比6万2000人減となり、市場
予想の5万5000人減を上回ったが、ほぼ想定の範囲内との見方が強まったこと
が上昇の背景。一方、６月のＩＳＭ非製造業景況感指数で、総合指数が48.2と
3カ月ぶりに好不況の分かれ目の50を下回ったことで、ダウの戻りは鈍かった。
また、ＥＣＢは定例理事会で、政策金利を0.25％引き上げ年4.25％にすること
を決めた。しかし、これも市場の事前予想通り。トリシェＥＣＢ総裁が追加利
上げを強く示唆しなかったことから、連続利上げ観測が後退し、ユーロが為替
市場で主要通貨に対して下落した。
雇用統計、ECB理事会という２大イベントを無事通過したが、日経平均は12連
敗した。市場のセンチメントを冷やしたのは、東証一部で値下がり率トップと
なった、アーバンコーポレーション（8868）の急落だ。特段材料が見当たらな
い中の急落で、新興の不動産関連株中心に不安が広がり、同関連銘柄が一斉に
急落した。さしずめ、「アーバン・ショック」の様相を呈した。なお、市場の
一部では、アーバンが６月26日発表した、全額をＢＮＰパリバに割り当てる30
0億円のCB発行に関して、ネガティブな観測が囁かれていたようだ。
東証33業種では、鉄鋼、ガラス・土石、精密機械、保険、機械、電気機器、非
鉄金属、輸送用機器、ゴム製品、海運、化学、建設、その他製品、金属製品の
14業種が値上がりした。一方、不動産、鉱業、医薬品、サービス、食料品、水
産・農林、パルプ・紙、証券、商品先物などが値下がりした。
個別では、東証一部の値上がり率トップは日本エム・ディ・エム（7600）、２
位はTOPIXSMALL小型（1318）、３位は三晃金属（1972）。一方、値下がり率ト
ップはアーバンコーポレーション（8868）、２位はジョイント・コーポレーシ
ョン（8874）、３位はリサ・パートナーズ（8924）。
個別銘柄動向は以下の通り
日本エム・ディ・エム(7600)、経常・最終利益の上方修正と伊藤忠との資本提
携を好感
342円 54円高
３日、08年５月期通期連結業績の修正と伊藤忠を割当先とする第三者割当増資
を発表した。経常・当期純利益の上方修正と増資による財務基盤拡充が好感さ
れた。売上高は従来の118億5000万円を114億4000万円へ、営業業利益は同９億
3000万円を９億1000万円へ、それぞれ下方修正した。一方、経常利益は同３億
円を３億5000万円へ、当期純利益は同２億円を２億8000万円へ、それぞれ上方
修正した。子会社であるODEV社の業況が順調に推移したものの、国内における
骨接合材料の下落傾向は続き、売上高は予想を下回る見込み。営業利益は、事
業再構築計画の進展によるコスト削減が順調に進んでいる、減収要因から予想
を若干下回る見込み。経常利益および当期純利益については、有利子負債の削
減による支払金利の低減により、予想を上回る見込み。配当については、業績
修正後においても連結利益が確保できる見込みであることから、当初予想の１
株当たり５円を変更しない。同時に、伊藤忠商事（8001）との資本・業務提携
に関する契約を締結すること及び伊藤忠を割当先とする第三者割当を行うこと
を発表した。発行価額は１株当り296円、差引手取概算額は23億4005万8144円。
第三者割当増資による新規発行株式数794万2764株は、増資後の同社の発行済
株式総数に対する30.0％に相当し、1 株当たりの株式価値の希薄化が生じる。
東海カーボン(5301)、電炉用黒鉛電極の輸出向け価格を約70％引き上げを好感
1132円 116円高
一部で、同社が電炉用黒鉛電極の輸出向け価格を約70％引き上げると報道され
たという。この報道を受け、野村證券は、同社の輸出価格は例年、秋から年末
にかけて翌年の価格交渉を進めるため、08年12月期への影響はないものの、09
年12期の業績に対して、ポジティブな報道であると考えているという。足元の
輸出価格はドルベースで、前年同期比20％の上昇と推定されるため、70％とい
う値上げ幅はやや大きいとの印象だそうだ。原料のニードルコークスの価格上
昇も進むリスクがあるが、タイトな需給環境に変化はなく、高水準のマージン
の維持が続くと考えているもよう。
テクモ（9650）、Xbox 360用追加ダウンロードコンテンツ配信開始が買い材料
992円 83円高
２日、好評発売中のXbox 360専用ソフト『NINJA GAIDEN 2』について、追加ダ
ウンロードコンテンツの配信を開始したと発表した。これが好感されたようだ。
今回配信開始したのは、主人公リュウ・ハヤブサの新たな「コスチュームパッ
ク」３種（それぞれ５色のカラーバリエーションが同梱）。
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若林栄四のプロフィール
1966年、京都大学法学部卒業。東京銀行（現、三菱東京UFJ銀行）入行。同行
シンガポール支店為替課長、本店為替資金部課長、ニューヨーク支店為替課長
を経て、85年よりニューヨーク支店次長。1987年、勧角証券（アメリカ）執行
副社長。1996年末退職。歴史観に裏づけされた洞察力から生み出される、内外
金融市場全般に亘る鋭い相場大局観及び問題の本質を把握し明確に語りきる同
氏の姿勢は、日本国内に限らず海外のプロフェッショナル・機関投資家・ファ
ンド・マネジャーの間でも注目されている。
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★ 今後の相場イメージ（主力株）
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日経平均は12連敗中。1954年４月28-５月18日の15日続落以来、54年ぶりの続
落記録だ。また、12連敗は、スターリン・ショックの1953年5月21日〜6月3日
の12日間に並び、歴代３位タイだ。取り敢えず来週は、いったいどこで、この
連敗が止まるかが焦点になろう。
現在の株価下落の主因は原油高だ。原油高で原材料価格が上昇し、企業の収益
を圧迫する。企業は一生懸命、値上げをするが、原油価格の上昇が続き、値上
げしても値上げしても、追いつかない。企業サイドからすれば、製品の値上げ
は、原材料価格の値上げに遅れるため、どうしても収益悪化要因となる。これ
で、バリューエーションの改善が阻害され、相場の上値余地は限定される。
一方、所得が増えない中で、生活必需品やガソリン代が上昇するため、家計の
消費意欲は減退し、節約志向が強まる。このため、企業サイドは値上げをして
も、数量減のリスクが高まり、これまた、企業収益にネガティブに作用するこ
とになりかねない。同時に、国内消費が低迷することで、企業は積極的な設備
投資を行わない可能性が高まる。消費、設備投資に負の循環が想定される。
海外では、原油価格と穀物価格の上昇で、発展途上国中心に悪性インフレ発生
リスクが高まることになる。貧国のエンゲル係数は先進国に比べて、相対的に
高い。このため、食糧価格上昇を主因とした、不況とインフレが同時発生する
リスクが新興国中心に高まっている。
さらに、世界最大の経済大国である米国では、ガソリン高による消費低迷によ
る自動車メーカーの経営危機や、金融機関の損失拡大による金融システム不安
が高まっている。
このような状況では、原油高を打破するような対策が打ち出されるか、それと
も、自律的に原油相場が調整する等の変化が待つしかない。７日から始まるサ
ミットで、この点に関して踏み込んだ先進国の動きが出てくれば景色は変わる
だろうが。（現時点ではあまり期待できないが）
ただし、テクニカル的に売られ過ぎのサインも点灯し始めている。よって、来
週は、下振れし易い環境が継続するとは言え、テクニカル・リバウンドは期待
できるとみる。日経平均の想定レンジは12800円〜13800円程度。
（株式会社カブ知恵 代表取締役 藤井英敏）
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★ 相場概況（新興市場）
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４日の新興３市場は全面安。東証マザーズ指数と大証ヘラクレス指数は共に３
日続落し、算出来安値を更新した。日経ジャスダック平均は４日続落した。東
証一部市場で、中小型の不動産関連株が大幅安となったことで、新興市場の不
動産関連銘柄にも売りが波及した。これでセンチメントが一気に悪化した。
個別では、中小企業信用（8489）、A.Cホールディングス（1783）、エーティ
ーエルシステムズ（4663）、ニューディール（4740）、SDホールディングス（
3726）、エーアイテイー（9381）、サイバーファーム（2377）、ネットインデ
ックス（6634）、日本通信（9434）、チヨダウーテ（5387）、シダー（2435）、
メディビックグループ（2369）、クリエイト（3024）などの値上がりが目立つ。
一方、イチヤ（9968）、テリロジー（3356）、エー・ディー・ワークス（3250
）、クロニクル（9822）、モンテカルロ（7569）、ジェイ・エスコムHLDGS（3
779）、アーバネットコーポレーション（3242）、日本オプティカル（2680）、
アイディーユー（8922）、ネクストジェン（3842）、エス・エム・エス（2175
）、シンクレイヤ（1724）、アセット・マネジャーズHD（2337）などの値下が
りが目立つ。
個別銘柄動向は以下の通り
エーアイテイー（9381）、09年２月期第１四半期、２桁増収・大幅営業増益を
好感
127000円 16000円高
４日11時30分、09年２月期第１四半期業績を発表した。２桁増収・大幅営業増
益が好感された。営業収益は25億円（前年同期比16.9％増）、営業利益は１億
5800万円（同42.8％増）となったが、保険解約返戻金3700万円を計上した前期
に比べ、経常利益は1億5700万円（同9.0％増）、第1四半期純利益は9100万円
（同47.5％増）となった。第2四半期以降については、東京地区を中心に営業
人員の増強及び航空貨物の取扱いの強化を図るとともに、陸・海・空・通関に
多機能倉庫も加えた全ての輸送モードを取り揃えることで、顧客の物流ニーズ
に最適な輸送サービスを提供し、新規顧客の獲得と収益性の確保に努めていく。
また、８月開催の北京オリンピック関連商品や、昨今の地球温暖化防止に配慮
したクール・ビズ関連商品も積極的に取込むとともに、新たな物流サービスの
開発と提供、そして他社との戦略的業務提携を積極的に推し進めることで第２
四半期以降の業績も概ね計画通りに推移するものと考えている。なお、現時点
における通期業績予想に変更はない。
サイバファーム(2377)、和解による訴訟の解決を好感
16280円 2000円高のストップ高買い気配
３日、エヌ・シー・エー・ティー・１・ジャパン特定目的会社より提起されて
いた訴訟について、08年７月３日付で和解が成立したと発表した。これが好感
された。同社に賃料及び共益費の未払いによる債務不履行があったことを理由
に原告との間において締結していた定期賃貸借契約の解除する旨が通知され、
当該契約の期間満了日である2011年11月30日までの賃料及び共益費等の支払い
を求める訴訟が提起されていた。和解の内容は、同社は、08年７月１日をもっ
て本件建物の明け渡しを行い、同社は原告の請求に対し、未払い賃料等として
２億2970万4204円を支払うというもの。なお、本物件の支払い賃料として、３
億4200万円を08年12月期の予算として既に計上していることから、本件に関す
る業績への影響は軽微という。
日本通信（9424）、３GによるMVNOサービス「b-mobile3G」新発売が買い材料
85200円 10000円高のストップ高買い気配
３日、ＮＴＴドコモ（9437）の第３世代携帯電話ネットワーク（FOMA ネット
ワーク）との相互接続によるMVNOサービス「b-mobile3G」を８月７日に新発売
すると発表した。これが買い材料となった。今回発売する製品は、150 時間ま
で分単位でテレホンカードのように使える「b-mobile３G hours150（アワーズ
150）」で、b-mobile3G シリーズの第1 弾。販売店で購入すると、箱の中にUS
B ３G コネクタ（USB でノートPC 等と接続して使用する３G データ通信端末）
とb アクセス・ソフトウェアのCD が入っているので、ノートPC にb アクセス
をインストールし、USB ３G コネクタを接続すれば、ワンクリックで高速なイ
ンターネットを利用できる。
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★ 今後の相場イメージ（新興市場）
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ＩＰＯレシオは前日の69.09から16.62ポイント上昇して85.71となった。上昇
は２日連続。ＩＰＯレシオ５日移動平均線は67.99と、こちらは３日連続の上
昇だ。
ＩＰＯレシオが５日移動平均線を上回り、且つ、５日移動平均線が上向きのた
め、直近ＩＰＯ市場は自律反発局面と認識している。少なくとも100程度まで
は上昇し、買い方の回転が効くようなら、通常の取引レンジの上限である120
〜150程度までの上昇は期待できるとみている。
一方、３市場売買代金は前日から４億円減少して423億円だった。売買代金は
相変わらず低迷している。個人投資家の新興市場への関心は著しく低下し、限
りなくそれはゼロになっている様子が窺える。
本日は東証マザーズ指数と大証へラクレス指数が共に算出来安値を更新した。
しかし、個人投資家の物色の矛先は東証一部の低位材料株に集まっている。こ
のため、新興市場が現状のように冴えない動きが続いても、決してマインドが
悪化する状況ではない。
これは株式市場にとって、不幸中の幸いと言えよう。当面、新興市場に個人の
注目が集まることはないだろう。余程の好材料の出現か、悪材料発生によるセ
リングクライマックスが起こらない限り。
結局、需給面で相対的にシコリの乏しい直近ＩＰＯ銘柄や、少ない資金で相場
になる時価総額の非常に小さい銘柄群での、値幅取りが日替わりで行われる展
開が継続することになるとみている。
（株式会社カブ知恵 代表取締役 藤井英敏）
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★ ＩＰＯ情報
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★ 編集後記
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今日の12連敗で、スターリン・ショックと並び歴代３位タイの下落記録樹立
です。アーバン・ショックに見舞われて、後場の地合いは非常に悪い状況に
なりました。それにしても、東証一部、新興市場の市場を問わず、中小型の
不動産株の下落は迫力がありました。そう言えば、この12連敗は（来週も記
録を伸ばし続けるのかも知れませんが）、どういう名称になるんでしょうかね。
（藤井英敏）
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