「カブ知恵」発、幻のＳＱ値を下回り需給悪化も、コア30には買い物入る�

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「カブ知恵」発、個人投資家向け株式情報 2008年6月13日発行

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★ 目次
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★ 各種株価指数の状況
★ 相場概況（主力株）
★ 今後の相場イメージ（主力株）
★ 相場概況（新興市場）
★ 今後の相場イメージ（新興市場）
★ 出来高を考慮した翌日のデイトレ用監視銘柄
★ ＩＰＯ情報
★ 編集後記

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★ 各種株価指数の状況
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日経２２５ 13973.73 85.13 0.61％
ＴＯＰＩＸ 1371.57 8.43 0.62％
日経ＪＡＳＤＡＱ 1516.05 2.07 0.14％
Ｊ−Ｓｔｏｃｋ 1352.04 5.96 0.44％
マザーズ 603.6 2.2 0.37％
ヘラクレス 991.23 -7.7 -0.77％
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★ 相場概況（主力株）
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13日の日経平均は前日比85.13円高の13973.73円、高値は９時32分の14041.34
円、安値は10時42分の13810.38円。東証一部の売買代金は４兆404億円、値上
がり銘柄数は490銘柄、値下がり銘柄数は1152銘柄、変わらずは84銘柄だった。

日経平均のSQ値は14053.03円、TOPIXのSQ値は1367.29ポイント。SQ絡みの売買
は、225型1兆4420億円、TOPIX型2168億円、合計１兆6588億円程度と推計され
ている。

日経平均は、SQ値が「幻のSQ」となったことで、需給が悪化した。また、アジ
ア株へ警戒感も強く、積極的な買いが見送られた。なお、前引けの債券先物９
月物は132円18銭前日比１円３銭安と大幅反落した。また、新発10年物国債利
回りは一時1.875％まで上昇し、07年７月26日以来、約10ヶ月半ぶりの高水準
となった。前引けの東京市場では、株式先物、債券先物共に下落した。

後場に入ると、アジア各国・各地域の株式市場が軟調ながらやや落ち着いた
動きになったこともあり、大型株中心に買いが入った。この結果、日経平均
はプラスに転じて本日の取引を終えた。日経平均先物の終値は13980円前日比
80円高だった。一方、債券先物は終日軟調で、結局、132円35銭前日比86銭安
だった。

東証33種別では、保険、ゴム製品、鉱業、非鉄金属、証券、商品先物、輸送
用機器、不動産、鉄鋼、銀行、その他製品、電気機器、卸売、食料品などが
値上がりした。一方、パルプ・紙、海運、空運、小売、水産・農林、繊維製
品、倉庫・運輸、その他金融などが値下がりした。

個別では、東証一部の値上がり率トップは日本金属（5491）、２位はピーエ
ス三菱（1871）、３位は大東紡績（3202）。一方、下落率トップはゴールド
ウイン（8111）、２位はフルキャスト（4848）、３位は山水電気（6793）。

個別銘柄動向は以下の通り

日本金属（5491）、三菱ＵＦＪの新規「１」、目標株価450円が買い手掛かり
317円　80円高のストップ高買い気配
三菱ＵＦＪ証券は、同社のレーティングを新規「1」とし、今後６〜12ヶ月間
の目標株価を450円とした。09年３月期は中間期に在庫関連の損が出るため減
益予想だが、10年３月期以降は増益が続くと予想している。デジカメ用をは
じめ、携帯電話やカーエレクトロニクスなどの小型電子機器用のステンレス
ばね原板で世界シェアが高いという。また電子機器の筐体などのハイエンド
分野では同社が100％近いシェアを持ち競争力がきわめて高いと、三菱ＵＦＪ
証券ではみているとも。

日本金属工業（5479）、ニッケル価格上昇を好感
362円　25円高
12日のロンドン金属取引所（ＬＭＥ）のニッケル価格（３ヶ月）が前日比5.5
4％の急反発となっており、これを好感した買いが入った。同様の背景から、
日本冶金（5480）、住友金属鉱山（5713）、大平洋金属（5541）なども買わ
れた。

古河電工（5801）、ＦＣＦとの合併と個別業績の上方修正を好感
456円　25円高
12日、100％子会社である古河サーキットフォイル株式会社（以下、「ＦＣＦ
」。）を吸収合併し、これに伴い、08年５月12日に公表した個別業績予想を
上方修正した。ＦＣＦが従来培ってきた事業上の強みに加え、古河電工の技
術力・人材力を効果的に発揮し、電解銅箔事業の総合力強化を図る。09年３
月期個別通期業績は、売上高は従来の5450億円を5465億円へ、営業利益は同
90億円を97億円へ、経常利益は同125億円を134億円へ、当期純利益は同100億
円を219億円へ、それぞれ上方修正した。合併による電解銅箔事業強化と個別
業績上方修正が好感された。

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え、株式市場の見通しから個別銘柄まで網羅したレポート

若林栄四のプロフィール

1966年、京都大学法学部卒業。東京銀行（現、三菱東京UFJ銀行）入行。同行
シンガポール支店為替課長、本店為替資金部課長、ニューヨーク支店為替課長
を経て、85年よりニューヨーク支店次長。1987年、勧角証券（アメリカ）執行
副社長。1996年末退職。歴史観に裏づけされた洞察力から生み出される、内外
金融市場全般に亘る鋭い相場大局観及び問題の本質を把握し明確に語りきる同
氏の姿勢は、日本国内に限らず海外のプロフェッショナル・機関投資家・ファ
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として作成されておりますが、元本を保証するものではありません。投資の最
終判断はご自身の責任で行うようお願い申し上げます。

（株）ワカバヤシ　エフエックス　アソシエイツ
金融商品取引業者　登録番号　関東財務局長（金商）第1698号
社団法人日本証券投資顧問業協会　会員番号012-02024
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★ 今後の相場イメージ（主力株）
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米国株式市場がスタグフレーション懸念を背景に不安定な動きとなっている。
このため、来週の日本株もその影響を受ける公算が大きい。

まず、インフレに関しては、原油価格の騰勢が一服することが重要だ。これに
関しては、22日、サウジアラビアのジッダで産油国と消費国などを集めた緊急
会合が開催される。原油高騰への対策を話し合うのが目的で、消費国代表とし
て米国が参加を決めたほか、英国、日本も出席する見通しだ。

この会合で、産油国による大幅増産に加え、投機的な行為に対する規制強化の
方針が打ち出されれば、原油価格の騰勢が衰える可能性がある。逆に、即効性
のある対応がみえてこないと、原油価格の上昇ピッチが加速する可能性も否定
できない点には注意が必要だ。

一方、12日のNY債券市場では、10年物国債利回りは前日比0.14％高い4.21％で
終えている。５月の米小売売上高が予想を上回り、同月の輸入物価指数が大幅
に上昇したことから、金融引き締めの可能性が意識され債券売りが優勢になっ
た。

10年債利回りは一時4.22％を付け、昨年12月27日以来ほぼ半年ぶりの水準に上
昇した。また、金融政策の影響を受けやすい２年物国債の利回りは急上昇し、
前日比0.24％高い3.05％と、節目の3％台に乗せて終えた。一時3.06％まで上
昇し、1月2日に付けた今年の最高水準に並んだ。

この米国金利上昇は、外国為替市場のドル高要因となる見通しだ。このため、
わが国輸出企業にはポジティブに作用するだろう。

しかし、原油高や穀物高による新興国のインフレ加速や、ガソリン高による米
国景気減速懸念が払拭されないと、円安だけでは、日経平均の上値は買えない
とみている。このため、原油高に歯止めが掛からない限り、相場の調整は続く
公算が大きい。日経平均の想定レンジは（原油高が来週一杯続くようなら）13
500円〜14200円程度をイメージしている

（株式会社カブ知恵　代表取締役　藤井英敏）

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★ 相場概況（新興市場）
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13日の新興３市場は高安マチマチ。シャスダック平均は５日ぶりに反発し、東
証マザーズ指数は反発した。一方、大証ヘラクレス指数は07年５月11-５月21
日以来、約１年１カ月ぶりに７日続落した。

個別ではベルパーク（9441）、東日本ハウス（1873）、モック（2363）、ネッ
トイヤーグループ（3622）、A.Cホールディングス（1783）、エスケーアイ（9
446）、SDホールディングス（3726）、エー・ディー・ワークス（3250）、ニ
ューフレアテクノロジー（6256）、山崎建設（1902）、フルキャストテクノロ
ジー（2458）、デジタルデザイン（4764）、エレコム（6750）、プライムワー
クス（3627）などの値上がりが目立つ。

一方、アジア・メディア・カンパニー（2149）、ジェーピーエヌ債権回（8774
）、アリサカ（2328）、イチヤ（9968）、ヒューネット（8836）、テックファ
ーム（3625）、ユー・エム・シー・ジャパン（6939）ジャストプランニング（
4287）、アクモス（6888）、オープンインターフェース（4302）などの値下が
りが目立つ。

個別銘柄動向は以下の通り

ネットイヤー（3622）、貸借取引銘柄別増担保金徴収措置（増担保規制）の解
除を好感
113000円　13000円高
12日、日証金は、「貸借取引自己取引分」に係る銘柄別増担保金徴収措置を、
６月13日（約定日）から解除すると発表した。これが好感された。これにより、
貸借担保金率は「30％」となる。

東日本ハウス（1873）、08年10月期通期連結業績の上方修正を好感
138円　19円高
12日、08年10月期通期連結業績の上方修正を発表した。これが好感された。経
常利益は従来の33億8800万円を33億2000万円に下方修正したが、売上高は同65
9億6000万円を663億6000万円へ、営業利益は同42億3000万円を43億円へ、当期
純利益は同22億5400万円を27億円へ、それぞれ上方修正した。売上高は、連結
子会社、株式会社東京工務店において翌期に見込んでいた売上高の一部前倒し
が見込まれることから４億円増加する見込み。営業利益は、東日本ハウスサー
ビス株式会社の解散及び清算に伴い、営業利益１億800万円減少見込となるも
のの、個別の改善により前回予想を上回る見込み。経常利益は、持分法適用会
社、東日本沢内総合開発株式会社の当期純利益が予想を下回ることから持分法
損失7000万円が追加発生として見込まれることが響く。当期純利益は、中間期
に計上した投資有価売却益３億5200万円に加え、個別の改善が見込まれること
が寄与する。

セプテーニＨＤ（4293）、５月月次連結売上高21.6％増を好感
133000円　7000円高
12日、５月月次連結売上高を発表した。売上高は25億4000万円（前年同月比21
.6％増）だった。この足元の好調な売上高が好感された。

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★ 今後の相場イメージ（新興市場）
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13日のＩＰＯレシオは前日の71.70から5.03ポイント低下して66.67となった。
低下は３日ぶり。ＩＰＯレシオ５日移動平均線は63.50と、小幅ながら、こち
らは７日連続で低下した。ＩＰＯレシオが５日移動平均線を上回り、５日移動
平均線の下げが鈍化しているため、直近ＩＰＯ市場が反発局面入りする可能性
が高まっているとみる。ただし、新興市場全体に言えることだが、メインプレ
ーヤーである個人投資家の積極的な市場参加が一向に確認できない状況が続い
ている。このため直近ＩＰＯ市場の過熱的な上昇・反発に関してはやや懐疑的
なスタンスを取っておく必要があるだろう。個別に関しては、現在株価が５日
移動平均線を上回っている銘柄群が人気化し、それを下回っている銘柄に関し
ては５日移動平均線が抵抗となる可能性が高いと考える。

一方、３市場売買代金は前日から70億円減少して553億円だった。相変わらず
活況の目安となる1000億円を大幅に下回り、資金流入が確認できない。閑散
相場が継続している。流動性が枯渇しているから、大口の個人投資家も参加
せず、同時に、証券会社の自己売買部門の参加も期待できない。また、値動
きが冴えないため、値動きの良好な東証一部の銘柄に乗り換えたいというニ
ーズがひしひしと感じられる。このため換金ニーズも非常に強そう。新興市
場の需給は非常に悪いとみておく必要がある。よって、当面は、底値を模索
する可能性が高いと考える。

（株式会社カブ知恵　代表取締役　藤井英敏）

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★ ＩＰＯ情報
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★ 編集後記
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今日は後場からコア30に集中的な買いが観測されていました。このため、東証
一部の売買単価（売買高加重平均、ＶＷＡＰ）が前日比192円上昇し、1299円
と５月２日の1367円以来の高水準となりました。東証が16日からＴＯＰＩＸコ
ア30先物を上場させます。時価総額が大きく株価も比較的高いコア30の採用銘
柄を買う動きが売買単価の引き上げにつながったとみられています。コア30の
裁定取引が活発化すると、今後は、コア30採用銘柄とコア30先物の動向に、投
資家は振り回される可能性がありますね。

（藤井英敏）

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「カブ知恵」発、米株下落を嫌気、日経平均は大幅反落、再び25日移動平均線を割り込む�

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「カブ知恵」発、個人投資家向け株式情報 2008年6月12日発行

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★ 目次
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★ 相場概況（主力株）
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★ 相場概況（新興市場）
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★ 編集後記

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★ 各種株価指数の状況
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日経２２５ 13888.6 -294.88 -2.08％
ＴＯＰＩＸ 1363.14 -26.89 -1.93％
日経ＪＡＳＤＡＱ 1513.98 -6.86 -0.45％
Ｊ−Ｓｔｏｃｋ 1346.08 -4.19 -0.31％
マザーズ 601.4 -3.08 -0.51％
ヘラクレス 998.93 -9.75 -0.97％
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★ 相場概況（主力株）
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12日の日経平均は前日比294.88円安の13888.60円、高値は始値の14010.32円、
安値は12時31分の13826.07円。東証一部の売買代金は２兆4563億円、値上がり
銘柄数は756銘柄、値下がり銘柄数は901銘柄、変わらずは69銘柄だった。

11日の米国株式市場では、ＮＹダウは３営業日ぶりに大幅反落。終値は前日比
205.99ドル安の12083.77ドルで取引を終えた。原油先物相場が一時1バレル138
ドル台に上昇したことが嫌気された。ＮＹ円相場は３営業日ぶりに小反発。前
日比50銭円高・ドル安の1ドル＝106円90銭-107円ちょうどで取引を終えた。

前場の東京株式市場では、この米国株下落と円安一服が嫌気され、売りが先行
した。上海、香港などアジア各国各地域の株式市場が軟調なことも嫌気され、
軟調推移となった。明日の先物・オプションのメジャーＳＱを控え、積極的な
押し目買いも入り難かったようだ。

後場に入っても悪地合いは変わらず、軟調相場が続いた。市場では、世界経済
の先行きや米金融システムへの不透明感が強く意識され、積極的な押し目買い
が見送られた。

東証33業種では全業種が値下がりした。鉄鋼、海運、保険、精密機械、機械、
非鉄金属、証券、商品先物、輸送用機器、電気機器、建設、石油・石炭製品、
化学、繊維製品、ガラス・土石、医薬品、銀行などの値下がりが目立った。

個別では、東証一部の値上がり率トップはライト工業（1926）、２位は東京製
綱（5981）、３位は山水電気（6793）。一方、値下がり率トップはアツギ（35
29）、２位はイオンファンタジー（4343）、３位はフィデック（8423）。

個別銘柄動向は以下の通り

ライト工業(1926)、09年３月期の連結経常利益13億円前後との観測が買い材料
289円　41円高
12日、「ライト工業の2009年３月期の連結経常利益は、13億円前後（前期は２
億2300万円）になりそうだ。従来予想は９億円。米国でダム建設に絡む耐震補
強工事を約36億円で受注したことが寄与する。売上高は前期比８％増の720億
円程度と従来予想を20億円上回る見通し。ダム工事は３月期決算の米子会社が
受注。着工時期の８月から来年３月までに工事が進ちょくした分の売り上げが
増加する。国内建設市場の縮小を受け、ライトは海外事業を積極的に拡大して
いる。米国でのダム工事のほか、アフリカのアンゴラ共和国でも地盤強化の大
型工事を約56億円で新規受注した。アンゴラでの工事の収益は10年３月期に計
上される。」との観測が報じられた。この観測報道が買い材料になった。なお、
会社側は、12日10時30分、海外法人から、アンゴラ共和国及び米国における大
規模地盤改良工事を受注したと発表した。今回受注した工事は、アフリカ南西
部に位置するアンゴラ共和国で進められているＬＮＧ（液化天然ガス）プラン
ト新設事業における大規模地盤改良工事で、米国ベクテルグループよりライト
工業が受注した。また、米国カリフォルニア州サンパブロダムの耐震補強を目
的とする地盤改良工事を当社グループの米国現地法人（Ｒａｉｔｏ　Ｉｎｃ）
が米国Ｓｕｋｕｔ社より受注した。受注金額は、合わせて約8900万ドル（約92
億円）。

横河ブリッジＨＤ（5911）、野村のレーティング「２」への引き上げが買い手
掛かり
686円　63円高
野村證券は、同社のレーティングを従来の「３」から「２」へ引き上げた。こ
れが買い手掛かりになったと観測される。野村では業績予想を上方修正したと
いう。長期の指名停止と低価格入札で受注した不採算工事によって営業損失の
計上が続いていたが、09年３月期には収益の回復局面を迎えるとみている。10
年３月期には08年４−９月期まで残る不採算工事の影響が剥落するため、更な
る利益の上積みが期待されるという。加えて、国土交通省が単品スライド制を
適用する見込みであり、懸念であった鋼材価格の上昇による採算低下リスクも
軽減されるとも。

ピーエス三菱（1871）、固定資産の譲渡を好感
247円　22円高
11日、固定資産の譲渡を発表した。これが好感された。同社は、08年６月２日
付で公表した固定資産の譲渡について譲渡先が未定だったが、08年６月11日付
で当該固定資産の譲渡契約を締結した。当該固定資産の譲渡により、09年３月
期決算で特別利益として固定資産売却益を約2400万円計上する見込み。これに
より08年５月16日に発表した09年３月期通期業績予想に与える影響はない。

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★ 今後の相場イメージ（主力株）
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日経平均は大幅反落し、25日移動平均線（12日現在、14089.39円）を再び
割り込んだ。５日移動平均線（同、14152.81円）と25日移動平均線とのデ
ッド・クロスが視野に入り、短期チャートは悪化しつつある。

明日はオプション・先物のメジャーＳＱだが、ＳＱ値算出後、日経平均がそ
のＳＱ値を上回って推移できるかどうかが注目される。下回って推移するよ
うだと、調整が長引く可能性があり注意が必要だろう。

足元では、原油高や穀物価格高騰を背景にした世界的なインフレ懸念が強ま
っている。特に新興国でのインフレ懸念が強く、これがアジア各国・各地域
の株価下落につながっている。

一方、米国ではガソリン高を背景に個人消費の低迷が意識され、金融不安も
重なり、スタグフレーションへの警戒が怠れない状況だ。

このため、為替市場で多少ドル高・円安になったとして、東京株式市場では
輸出関連株の上値を買い難い状況となっている。指数寄与度の大きい輸出関
連の国際優良株の上値が重いと、日経平均の上値も限定される公算が大きい。

また、本日は昨日まで賑わっていた低位材料株の一角が手仕舞い売りで急落
した銘柄が散見されていた。明日以降、これら銘柄が反発できるのか、それ
とも週末ということもあり一段と売りに押されるのかで、相場のムードが大
きく変わることだろう。

（株式会社カブ知恵　代表取締役　藤井英敏）

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★ 相場概況（新興市場）
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12日の新興３市場は全面安。日経ジャスダック平均は４日続落、東証マザーズ
指数は反落、大証ヘラクレス指数は６日続落。終値は前日比9.75ポイント安の
998.93ポイントと、４月28日以来、約１カ月半ぶりに1000の大台を割り込んだ。

個別では、アジアパシフィック総研（4727）、ラクーン（3031）、エスケーア
イ（9446）、エムティーアイ（9438）、オリコン（4800）、ベルパーク（9441
）、フルスピード（2159）、イーシステム（4322）、クオンツ（6811）、オー
ネックス（5987）、デジタルアーツ（2326）、マルマエ（6264）、永大化工（
7877）などの値上がりが目立つ。

一方、オートウェーブ（2666）、共和工業所（5971）、藍澤証券（8708）、デ
ジタルデザイン（4764）、Ａ.Ｃホールディングス（3726）、アリサカ（2328
）、ＳＤホールディングス（3726）、サイバーファーム（2377）、マネースク
ウェア・ジャパン（8728）、バンテック・ジャパン（3818）、ケイブ（3760）、
チヨダウーテ（5387）、ＣＨＩＮＴＡＩ（2420）、モック（2363）、ディー・
ディー・エス（3782）などの値下がりが目立つ。

個別銘柄動向は以下の通り

オリコン(4800)、発行済株式総数に対する割合2.92％の自己株式消却を好感
36400円　4000円高のストップ高買い気配
11日、自己株式を消却すると発表した。これが好感された。消却する株式の数
は、4710株（消却前の発行済株式総数に対する割合 2.92％）で、消却予定日
は、08年６月20日。消却後の発行済株式総数は、15万6336株となる。

フルスピード（2159）、08年７月期第３四半期連結営業利益99％増を好感
237000円　25000円高
11日、08年７月期第３四半期連結業績を発表した。この好内容が好感された。
売上高は60億8398万7000円（前年同期比77.9％増）、営業利益は10億6076万7
000円（同99.0％増）、経常利益は10億4281万6000円（同97.1％増）、第３四
半期純利益は５億5725万5000円（同91.7％増）となった。今後は、Ｗｅｂコン
サルティング事業では、主力のＳＥＯ、リスティング広告に加え、顧客ニーズ
に即したサービスメニューの拡充に努める等、積極的な事業展開に取り組んで
いく。また、ＳＥＭをはじめとするＷｅｂマーケティングノウハウを活用し、
インターネットメディア事業（情報サイト事業、ＡＳＰ事業、ＥＣ事業）の展
開にも注力していく方針。以上により、連結通期業績予想は、売上高92億8200
万円（前期比80.5％増）、営業利益は14億6100万円（同74.0％増）、経常利益
は14億4500万円（同69.7％増）、当期純利益は７億8800万円（同65.0％増）を
見込んでいる。なお、08年３月12日付「08年７月期中間決算短信」で公表した
通期業績予想に変更はしていない。

イーシステム（4322）、マイクロソフトと、SaaS型CRM分野での協業が買い材料
19040円　2000円高のストップ高買い気配
11日、マイクロソフトと、SaaS型CRMの分野で協業し、マイクロソフトのCRM（
顧客管理）アプリケーションである「Microsoft(R) Dynamics(TM) CRM 4.0」
と、イーシステムが開発・提供する名刺管理サービス「アルテマブルー」を融
合させ、SaaS型(月額課金型)のCRMシステムとしてサービス提供を開始すると発
表した。これが買い材料となっている。サービス提供開始時期は08年８月より
提供開始予定。09年度末までに50社、2000クライアントの契約を目標としてい
る。

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★ 今後の相場イメージ（新興市場）
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12日のＩＰＯレシオは前日の61.02から10.68ポイント上昇して71.70とな
った。上昇は２日連続。ＩＰＯレシオ５日移動平均線は64.46と前日の64.66
から僅かだが低下した。低下は６日連続。

しかし、ＩＰＯレシオが５日移動平均線を上抜いた。今後、５日移動平均線
が上向きに転じれば、直近ＩＰＯ市場の反発が期待できる可能性が高まりそ
う。

だが、新興市場全体を取り巻く環境は、決して良好とは言い難い。このため、
ＩＰＯレシオ自体が底値圏でもみあいとなる可能性も決して低くはないと、
慎重にみておく必要はあるだろう。

一方、３市場売買代金は前日から82億円増加して623億円となった。増加し
たとは言え、主要な株価指数は下落している。

換金売りが増加した結果、本日のボリューム増加につながった可能性が高い。

東証一部の主力株を取り巻く投資環境が、世界的なインフレ懸念やスタグフ
レーション懸念で、不透明感を増している。

しかし、新興市場に関しては、資金の逃避先、受け皿とはなりそうにない。

むしろ、主力株が下がると、増幅して売られるリスクが高いと考える。その
最大の理由は、新興のメインプレーヤーである個人投資家が新興市場への興
味を失っている感が強いことが挙げられる。

その結果、流動性が枯渇し、ボラティリティが著しく低下し、投資対象とし
ての魅力が日毎に低下しているのだ。

（株式会社カブ知恵　代表取締役　藤井英敏）

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★ 編集後記
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12日の大証ヘラクレス指数は６日続落して、終値は前日比9.75ポイント安
の998.93ポイントと、４月28日以来、約１カ月半ぶりに1000の大台を割
り込みました。ここ最近、顕著ですが、個人投資家の新興離れは酷いですね。
新興全体の売買代金はメチャクチャ低調です。数百万円程度の玉を売るだけ
で、ストップ安に張り付くんだろうなという銘柄ばかりのような気がします。
売りたいときに売れないようじゃ、いつまで経っても、この市場にはお金が
入ってきそうにありませんね。

（藤井英敏）

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「カブ知恵」発、個人投資家向け株式情報 2008年6月11日発行

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★ 目次
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★ 各種株価指数の状況
★ 相場概況（主力株）
★ 今後の相場イメージ（主力株）
★ 相場概況（新興市場）
★ 今後の相場イメージ（新興市場）
★ 出来高を考慮した翌日のデイトレ用監視銘柄
★ ＩＰＯ情報
★ 編集後記

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★ 各種株価指数の状況
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日経２２５ 14183.48 162.31 1.16％
ＴＯＰＩＸ 1390.03 6.83 0.49％
日経ＪＡＳＤＡＱ 1520.84 -2.7 -0.18％
Ｊ−Ｓｔｏｃｋ 1350.27 -5.79 -0.43％
マザーズ 604.48 3.57 0.59％
ヘラクレス 1008.68 -5.28 -0.52％
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★ 相場概況（主力株）
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11日の日経平均は前日比162.31円高の14183.48円、高値は14時55分の14194.48
円、安値は10時46分の13993.57円。東証一部の売買代金は２兆3313億円、値上
がり銘柄数は718銘柄、値下がり銘柄数は851銘柄、変わらずは156銘柄だった。
日経平均は３日ぶりに反発した。

前場の日経平均終値は前日比5.17円高の14026.34円と小幅高だった。東京外国
為替市場で円相場が１ドル＝107円台の円安水準で推移していることや、前日
のＮＹ原油先物相場の下落などを好感した買いが先行する場面があったが、売
り圧力も強く、前場は総じて軟調な展開となった。

前場取引開始前に内閣府が発表した1-3月期ＧＤＰ改定値は、実質で前期比1.0
％増、年率換算で4.0％増となった。5月公表の速報値に比べ、前期比で0.2ポ
イント、年率で0.7ポイント上方修正した。発表を受けて、これを好感するよ
うな買いが先行したが、買いは続かず、結局、相場への影響は限定的だった。

後場に入ると、東京外国為替市場で円相場が１ドル＝107円台後半に円安が進
んだことや、アジア各国・各地域の株式市場が落ち着きを取り戻したことが好
感され、日経平均は上げ幅を広げた。市場の一部では、13日のＳＱ算出を控え
て売り持ち高を減らすために225先物に買い戻しが入ったとの観測も囁かれて
いた。

東証33業種では、ガラス・土石、輸送用機器、ゴム製品、精密機械、小売、繊
維製品、電気機器、保険、鉄鋼、化学、その他製品、パルプ・紙などが値上が
りした。一方、鉱業、その他金融、海運、不動産、倉庫・運輸、銀行、証券、
商品先物、卸売、空運などが値下がりした。

個別では、東証一部の値上がり率トップはＧＳＩクレオス（8101）、２位は高
島（8007）、３位はアツギ（3529）。一方、値下がり率トップはフィデック（
8423）、２位はアタカ大機（1978）、３位はサンフロンティア不動産（8934）。

個別銘柄動向は以下の通り

高島（8007）、国際太陽エネルギー展開催が株価刺激材料
226円　50円高のストップ高買い気配
12日から14日まで、ドイツで国際太陽エネルギー展が開催されることで、太陽
電池関連の同社に物色の矛先が向かったようだ。同社は、従来の太陽光発電シ
ステムでは困難であったテントシート（膜材）をつかった場所にも太陽光発電
の設置を可能にする一体化技術を、平岡織染と共同で開発した（共同特許出願
中）。テントシートに代表される膜材を使った太陽光発電設置可能な場所は日
本全国100万箇所に達する。薄膜太陽電池とテントシート（膜材）を一体化ラ
ミネートする技術により膜材をつかった場所にも適用が広がる。当技術を使っ
た製品を全国100万箇所に適用できれば、最大年間100万トンのＣＯ２削減に貢
献できると考えられる。軽量で曲げやすく、しなやか、耐久性に優れ大型化が
可能なテントシート（膜材）一体型薄膜太陽電池により、テント屋根や壁面、
農業用ハウスなど多様な場所で太陽光発電を可能にする商品化を進めていくと
いう。

ゴールドウィン（8111）、品貸料の最高料率を通常の10倍措置で買い戻し加速
459円　80円高のストップ高買い気配
日証金は、10日約定分からゴールドウイン株の貸借取引にかかる品貸料の最高
料率を通常の10倍にした。これで買戻しが加速した。また、貸借取引で申込停
止措置を実施した。10日午後立会約定分から、弁済繰り延べ期限が来た買いの
現引きを除き、制度信用取引の新規売り及び買いの現引きに伴う申し込みで。
また、日本水泳連盟は10日、北京五輪の日本代表が着用する水着について、ど
のメーカーの製品でも選手が自由に選択できることに決めたと発表したことも
買い材料になったとみられる。

富士重(7270)、ＭＳの投資判断「Equal-weight」への引き上げが買い手掛かり
581円　47円高
モルガン・スタンレー証券は、同社の投資判断を従来の「Underweight」から
「Equal-weight」へ、目標株価を同400円から525円へ、それぞれ引き上げた。
スバルブランドの販売品質がモルガンの予想を超えるペースで改善しており、
08年度業績は従来モルガン予想および会社側の収益計画を大幅に上回る可能
性が高いそうだ。同社の08-09年度業績モメンタムは自動車業界平均を大幅に
上回る可能性が高く、標準バリュエーションにプレミアムを付与するべきと
考えたという。また目標株価ベースの株価/純資産倍率は0.8倍に過ぎないと
も。

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若林栄四が入手・分析した情報をベースに独自の指数分析・チャート分析を加
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若林栄四のプロフィール

1966年、京都大学法学部卒業。東京銀行（現、三菱東京UFJ銀行）入行。同行
シンガポール支店為替課長、本店為替資金部課長、ニューヨーク支店為替課長
を経て、85年よりニューヨーク支店次長。1987年、勧角証券（アメリカ）執行
副社長。1996年末退職。歴史観に裏づけされた洞察力から生み出される、内外
金融市場全般に亘る鋭い相場大局観及び問題の本質を把握し明確に語りきる同
氏の姿勢は、日本国内に限らず海外のプロフェッショナル・機関投資家・ファ
ンド・マネジャーの間でも注目されている。

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週刊株式情報誌「Vision」は、投資顧問契約に基づく会員レポートです。お申
込みに際しては、『契約締結前の書面』のご確認と『投資顧問契約書』の手交
が必要となります。また、このレポートは皆様の投資の一助となることを目的
として作成されておりますが、元本を保証するものではありません。投資の最
終判断はご自身の責任で行うようお願い申し上げます。

（株）ワカバヤシ　エフエックス　アソシエイツ
金融商品取引業者　登録番号　関東財務局長（金商）第1698号
社団法人日本証券投資顧問業協会　会員番号012-02024
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★ 今後の相場イメージ（主力株）
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石油輸出国機構（ＯＰＥＣ）加盟国は22日、サウジアラビアのジッダで産油国
と消費国などを集めた緊急会合を開くと報じられた。大手投資銀行や機関投資
家など市場関係者も参加する見込みで、原油高騰への対策を話し合うのが目的
だという。消費国代表として米国が参加を決めたほか、日本も招請があれば出
席する見通し。産油国と消費国の代表を集めた緊急会合は異例で、双方が原油
の供給が不足していると判断した場合は、ＯＰＥＣが増産を決定する可能性も
あるという。これで、原油価格高騰に歯止めが掛かるようなら、インフレに怯
える世界各国の株式市場にはポジティブに作用しよう。

また、米商品先物取引委員会（ＣＦＴＣ）は10日、最近の原油やその他の商品
価格の高騰について、相場動向の推移を調べるのを目的に省庁横断的な作業部
会を設立すると発表した。ＣＦＴＣ、ＦＲＢ、財務省、エネルギー省などが参
加し、投資家の動きや需給の要因、投機筋と商品指数を使うトレーダーの役割
を検証するという。ＣＦＴＣは「高い商品価格が米国の家計に深刻な影響を及
ぼしている」と強調し、作業部会は対策の立案にいかすため調査を急ぎ、結果
を公表する。このような米当局の動きが、投機筋による穀物価格の作為的相場
形成を妨げることができるなら、これまたインフレに怯える世界各国の株式市
場にポジティブに作用する見通しだ。

このような取り組みにより、高騰する原油・穀物相場に対して効果が発現する
ならば、投資資金は日本株のみならず、世界の株式市場への流入が期待できる
と考える。逆に、有効な手立てを講じることができないと、株式市場の不安定
さは増す公算が大きい。

（株式会社カブ知恵　代表取締役　藤井英敏）

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★ 相場概況（新興市場）
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11日の新興３市場は高安マチマチ。日経ジャスダック平均と大証ヘラクレス指
数が下落した。一方、東証マザーズ指数は７営業日ぶりに小反発。商いが細る
中、換金売りに押されて下落する銘柄が多かった。その一方、ネット関連銘柄
の一角には値ごろ感からの買いが入った。

個別では、イチヤ（9968）、テスコ（4226）、第一精工（6640）、イー・キャ
ッシュ（3840）、グローバル住販（3259）、アクモス（6888）、ベルパーク（
9441）、エリアリンク（8914）、イーシステム（4322）、Ｔ・ＺＯＮＥホール
ディングス（8073）、駐車場綜合研究所（3251）、クリーク・アンド・リバー
社（4763）、ネクサス（2799）、チヨダウーテ（5387）、ビットアイル（3811
）などが値上がりした。

一方、アリサカ（2328）、共和工業所（5971）、ホッコク（2906）、ケイブ（
3760）、モック（2363）、デジタルデザイン（4764）、Ａ.Ｃホールディングス
（1783）、オートウェーブ（2666）、アジア・メディア・カンパニ（2149）、
エムティーアイ（9438）、マネーパートナーズ（8732）、フィールズ（2767）
などが値下がりした。

個別銘柄動向は以下の通り

テスコ(4226)−−乃村工芸社（9716）によるＴＯＢ価格172円にサヤ寄せ
172円　27円高
10日、乃村工芸社（9716）はテスコ（4226）に対しＴＯＢを実施し、完全子会
社化すると発表した。ＴＯＢ価格は１株当たり172円。本日はこのＴＯＢ価格
にサヤ寄せするべく上昇した。乃村工芸社は、グループ全体の経営効率の向上
と、店舗の建設・メンテナンス事業強化などを推進するために完全子会社化す
る。テスコは同日、ＴＯＢに賛同を表明した。テスコ株は上場廃止となる見通
しで、ジャスダック証券取引所は、同日から監理ポストに割り当てた。

ビットアイル(3811)、カーボンオフセット採用のサーバー貸し出し開始報道が
買い材料
107000円　10000円高のストップ高買い気配
11日、「インターネットデータセンター運営のビットアイルは７月から、「カ
ーボンオフセット」の仕組みを採り入れたサーバーの貸し出しを始める。レン
タル料の一部を二酸化炭素（ＣＯ２）排出量の購入に充てる。高機能化に伴う
サーバーの消費電力増加が指摘されるなか、環境対策に積極的な顧客ニーズを
取り込む。新サービスは通常のレンタル料に一定の料金を上乗せするが、上乗
せ幅はレンタル料の５％以下に抑えるという。利用企業は環境に配慮した経営
姿勢を取引先や顧客などにアピールできる。ビットアイルは国連が認証した排
出量を、環境関連事業を支援するジーコンシャス社経由で購入する。ジーコン
シャス社のウェブサイトには、ビットアイルの新サービスを利用して排出量を
購入した企業や購入排出量を表示する。 」と一部報じられた。これが買い材
料になった。

ザッパラス（3770）、野村のレーティング「１」への引き上げが買い材料
296000円　18000円高
野村證券は、同社のレーティングを従来の「２」から「１」へ引き上げた。
フィルタリングサービスにおける携帯サイト閲覧規制の直近の議論を踏まえ
て会員数の見通しを改めて精査した結果、今後の会員獲得ペースを従来ほど
慎重に見る必要がなくなってきたという。ゲームやデコメなど、提供するコ
ンテンツの幅が広がってきており、占い中心であった従来に比べ持続的な高
成長が可能な企業体質に変化しつつある点も好材料だとそうだ。09年４月期
は前期比55％の営業増益、10年４月期もデコメ・コンテンツの本格的立ち上
がりなどにより同18％営業増益と高水準の増益モメンタムが続くとみている。

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★ 今後の相場イメージ（新興市場）
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11日のＩＰＯレシオは前日の53.23から7.79ポイント上昇して61.02となっ
た。上昇は５日ぶり。ＩＰＯレシオ５日移動平均線は64.66と５日連続で低
下した。

ＩＰＯレシオが５日移動平均線を下回り、且つ、５日移動平均線自体が下向
きのため、直近ＩＰＯ市場は調整が継続していると考える。

ただし、ＩＰＯレシオと５日移動平均線とのスプレッドが縮小しているため、
明日以降の動き次第では、ＩＰＯレシオが５日移動平均線をブレイクする可
能性が高まっている。

また、明日のＩＰＯレシオが72.73超なら、５日移動平均線は上向きに転じ
ることになる。そのケースでは、直近ＩＰＯ市場の自律反発への期待が高ま
ろう。

だが、短期筋の関心は東証一部の低位材料株に集中している感があり、直近
ＩＰＯ市場の天井はそれほど高くはなく、過大な短期資金流入期待は抱き難
い。

一方、３市場売買代金は前日から55億円減少して541億円となった。活況の
目安となる1000億円を大幅に下回る水準で、超閑散相場となっている。

個人投資家の関心が新興には一向に向かわず、当然、資金も一向に入ってい
ない様子が窺える。むしろ、換金ニーズが強く、資金流出が継続していると
みておいた方が良さそうだ。

流動性も、ボラティリティーも乏しい市場に魅力はない。値動きの良好な東
一の低位材料株に乗り換えたい投資家の換金ニーズは当分弱まりそうもなさ
そうだ。

（株式会社カブ知恵　代表取締役　藤井英敏）

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★ 編集後記
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日銀が11日発表した５月の国内企業物価指数は前年同月比4.7％上昇しまし
た。原油や鉄鉱石、穀物などの高騰が響き、第2次石油ショックの影響があ
った81年２月の5.7％以来、27年3カ月ぶりの高い上昇率となりました。資
源高や食品高が出荷・卸売り段階などの企業物価を押し上げています。企業
はこれを最終価格に相次ぎ転嫁していますので、消費者物価も今後も上昇し
ていくことでしょう。これを反映して、金融市場では債券市場から株式市場
へのシフトが継続する見通しです。

（藤井英敏）

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「カブ知恵」発、個人投資家向け株式情報 2008年6月10日発行

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★ 目次
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★ 各種株価指数の状況
★ 相場概況（主力株）
★ 今後の相場イメージ（主力株）
★ 相場概況（新興市場）
★ 今後の相場イメージ（新興市場）
★ 出来高を考慮した翌日のデイトレ用監視銘柄
★ ＩＰＯ情報
★ 編集後記

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★ 各種株価指数の状況
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日経２２５ 14021.17 -160.21 -1.13％
ＴＯＰＩＸ 1383.2 -14.34 -1.03％
日経ＪＡＳＤＡＱ 1523.54 -3.6 -0.24％
Ｊ−Ｓｔｏｃｋ 1356.06 -22 -1.6％
マザーズ 600.91 -27.71 -4.41％
ヘラクレス 1013.96 -12.6 -1.23％
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★ 相場概況（主力株）
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10日の日経平均は前日比160.21円安の14021.17円、高値は９時36分の14308.89
円、安値は13時32分の13983.56円。東証一部の売買代金は２兆1828億円、値上
がり銘柄数は488銘柄、値下がり銘柄数は1085銘柄、変わらずは150銘柄だった。

４月の機械受注統計では、設備投資の先行指標となる「船舶・電力を除く民需」
は前月比5.5％増。非製造業からの受注が回復し、全体では3カ月ぶりのプラス
となったが、２月と３月に大きく減った反動で増えた側面があり、内閣府は基
調判断を「足元は弱含んでいる」と維持している。市場コンセンサスの2.7％増
を上回ったが、相場への影響は限定的だった。

連休明け10日朝方の上海株式相場は大幅に続落して始まった。中国人民銀行（
中央銀行）が７日、預金準備率を15日と25日の２日間に0.5％ずつ引き上げる
と発表したことを嫌気した。また、本日はアジア各国・各地域の株式市場がほ
ぼ全面安で推移した。これを嫌気した売りが、前場から後場にかけて終日、断
続的に出ていた。物色面では、昨日まで人気化し急騰していた電池関連の材料
株の多くが急反落したことで、個人中心にセンチメントが悪化した感が強い。

東証33業種では、石油・石炭製品、パルプ・紙、保険の３業種が値上がりした。
一方、その他金融、不動産、鉄鋼、証券、商品先物、卸売、建設、機械、繊維
製品、鉱業、その他製品、海運、非鉄金属、水産・農林、化学、ガラス・土石
などが値下がりした。

個別では、東証一部の値上がり率トップはゴールドウイン（8111）、２位はア
ツギ（3529）、３位はコープケミカル（4003）。一方、値下がり率トップはジ
ャックス（8584）、２位はグッドウィル・グループ（4723）、３位はＦＤＫ
（6955）。

個別銘柄動向は以下の通り

ゴールドウイン（8111）、英スピード社製水着商戦が活気づき始めたのとの報
道を好感
379円　80円高のストップ高買い気配
10日、「英スピード社製水着「レーザー・レーサー」を着た日本選手が相次い
で新記録を出したことで、商戦が一気に活気づき始めた。「スピード」ブラン
ド名の入った一般水着の売れ行きが前年の３倍に達する店も出ている。」と一
部報じられた。これが好感されたようだ。

アツギ（3529）、スピードブランドの靴下にも人気波及との報道が買い材料
157円　14円高
10日、「英スピード社製の水着が話題になったことをきっかけに、同社が取り
扱うスピードブランドの靴下にも人気が波及しているという。アツギ関係者に
よると「３月からスピードブランドの靴下の取り扱いを始めたが、水着が話題
になったことから、当社にも靴下に関する問い合わせが急増している」という
。」と一部報じられた。これが買い材料視された。

アルバック（6728）、福田ビジョンが買い材料
4130円　250円高
９日、福田首相は、日本が取り組む地球温暖化対策（福田ビジョン）を発表し
た。2050年までに温暖化ガスを現状比60-80％削減すると表明した。今秋に排
出量取引の試験的な取引を始めるとし、環境税を含め税制全般を抜本的に見直
すこともうたった。太陽光発電の導入量を20年までに10倍、30年に40倍に引き
上げると提唱した。これが買い材料となった。

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え、株式市場の見通しから個別銘柄まで網羅したレポート

若林栄四のプロフィール

1966年、京都大学法学部卒業。東京銀行（現、三菱東京UFJ銀行）入行。同行
シンガポール支店為替課長、本店為替資金部課長、ニューヨーク支店為替課長
を経て、85年よりニューヨーク支店次長。1987年、勧角証券（アメリカ）執行
副社長。1996年末退職。歴史観に裏づけされた洞察力から生み出される、内外
金融市場全般に亘る鋭い相場大局観及び問題の本質を把握し明確に語りきる同
氏の姿勢は、日本国内に限らず海外のプロフェッショナル・機関投資家・ファ
ンド・マネジャーの間でも注目されている。

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込みに際しては、『契約締結前の書面』のご確認と『投資顧問契約書』の手交
が必要となります。また、このレポートは皆様の投資の一助となることを目的
として作成されておりますが、元本を保証するものではありません。投資の最
終判断はご自身の責任で行うようお願い申し上げます。

（株）ワカバヤシ　エフエックス　アソシエイツ
金融商品取引業者　登録番号　関東財務局長（金商）第1698号
社団法人日本証券投資顧問業協会　会員番号012-02024
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★ 今後の相場イメージ（主力株）
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10日の日経平均は続落し、25日移動平均線（10日現在、14088.34円）を割
り込んだ。また、下降中の５日移動平均線（同、14293.73円）が抵抗として
機能している。

明日以降、早期に25日移動平均線を回復してこないと、短期のテクニカルが
悪化し、調整がやや長引く可能性がある。

明日以降の相場動向には注意が必要だろう。なお、押し目メドとしては上
昇中の13週移動平均線（同、13695.79円）を挙げておきたい。

本日は、債券先物は通常取引を133円81銭前日比１円24銭の大幅安だった。
日経平均先物は14050円同180円安だ。債券も株式も売られた。このように、
どちらも売られる状況が継続するようだと、株式市場の不安定さは増し、ボ
ラティリティーが上昇する可能性がある。

というのは、どちらも売られるということは、景気後退下のインフレ（スタ
グフレーション）を金融市場が心配している可能性が高いからだ。なお、も
し、マネーが健全に流れるなら、そのような状況が継続するようなら貴金属
に流れる公算が大きい。

だが、本日に関しては週末のメジャーＳＱを控え、アジア株の下落を口実に
売り仕掛け的な動きがあった可能性も決して低くはない。よって、ＳＱ通過
後も、債券先物と株価指数先物が揃って下落しない限り、極端な弱気になる
必要はないとみている。

（株式会社カブ知恵　代表取締役　藤井英敏）

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★ 相場概況（新興市場）
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10日の新興３市場全面安。東証マザーズ指数は２月５日-２月13日以来、約４
カ月ぶりに６日続落した。大証ヘラクレス指数は４日続落した。そして、前引
けは高かった日経ジャスダック平均も後場は下げて続落となった。

個別では、ソースネクスト（4344）、フジプレアム（4237）、ＬＴＴバイオ
ファーマ（4566）、ラクーン（3031）、パラカ（4809）、ネクサス（2799）、
デジタルデザイン（4764）、オザキ軽化学（7899）、フジコー（3515）、昭
和真空（6384）、カネコ種苗（1376）、アールテック・ウエノ（4573）、ア
ンドール（4640）、日本アジア投資（8518）、セラーテムテクノロジー（43
30）、ベルパーク（9441）などの値上がりが目立つ。

一方、アリサカ（2328）、エリアクエスト（8912）、ＳＤホールディングス
（3726）、グローバル住販（3259）、初穂商事（7425）、日本マニュファク
チャリング（2162）、ニューディール（4740）、オープンインターフェース
（4302）、フリービット（3843）、シンワアートオークション（2437）、イ
ー・キャッシュ（3840）、アイル（3854）、プライムワークス（3627）、エ
リアリンク（8914）、サイバーファーム（2377）などの値下がりが目立つ。

個別銘柄動向は以下の通り

ソースネクスト(4344)、東証１部承認を好感
126000円　20000円高のストップ高買い気配
９日、同社株式の上場市場を東京証券取引所マザーズから市場第一部へ変更
することにつき、東京証券取引所の承認を受けたと発表した。これが好感さ
れた。なお、三菱ＵＦＪ証券は、変更上場に伴いパッシブ運用からの買い需
要が試算したそうだ。約８兆3000億円と見込まれるＴＯＰＩＸ連動の年金合
同ファンドと投資信託がウェイトに応じて買い付けを行うとすると、0.4億
円程度の買い要因となりそうだという。買い需要株数と、過去１ヶ月間の平
均売買株数を比較すると１日の出来高の2.0倍になると見込まれるそうだ。

フジプレアム（4237）、福田ビジョンが買い材料
583円　81円高
９日、福田首相は、日本が取り組む地球温暖化対策（福田ビジョン）を発表
した。2050年までに温暖化ガスを現状比60-80％削減すると表明した。今秋
に排出量取引の試験的な取引を始めるとし、環境税を含め税制全般を抜本的
に見直すこともうたった。太陽光発電の導入量を20年までに10倍、30年に40
倍に引き上げると提唱した。この福田ビジョンが買い材料となった。フジプ
レアムが開発した太陽電池モジュールは、クリーンな環境で独自の太陽電池
ラミネート技術によって製造された次世代太陽電池モジュールだという。各
種の太陽電池セルを、さまざまな建築構造物に必要なガラス構成の中に自由
な配列で封止することができる。それにより、建築家の要求する「建材一体
型太陽電池モジュール」を実現することが可能となった。またガラスに替え
てフィルムを基材にした新形態採光型太陽電池モジュールは、これまで不可
能だった曲面への設置が可能。割れない太陽電池パネルもできるようになり、
軽量化も伴ってより幅広い用途に対応することができるという。

ベルパーク（9441）、「ｉＰｈｏｎｅ（アイフォーン）３Ｇ」発売開始が買
い材料
73100円　5000円高のストップ高買い気配
10日、「米アップルは９日、データ通信速度が従来機の２倍の携帯電話「ｉ
Ｐｈｏｎｅ（アイフォーン）３Ｇ」を７月11日に日米欧など22カ国で発売す
ると発表した。日本ではソフトバンクモバイルが販売し、価格は２万円前後
になる見通し。」と報じられた。これがソフトバンク専売の携帯電話販売代
理店の同社への買い材料になったと観測される。

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★ 今後の相場イメージ（新興市場）
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ＩＰＯレシオは前日の64.91から11.68ポイント低下して53.23となった。
低下は４日連続。ＩＰＯレシオ５日移動平均線は72.89。こちらも４日連続の
低下だ。

ＩＰＯレシオが５日移動平均線を下回り、且つ、５日移動平均線自体が下向
きの状況が続く。直近ＩＰＯ市場は相変わらず調整局面だ。

現状、直近ＩＰＯ銘柄群を手掛けた短期志向の個人投資家は、東証一部の低
位材料株のディーリングにご執心と考える。一方、流動性とボラティリティ
ーを失った直近ＩＰＯ銘柄への関心は全く無くなったと言っても過言ではな
い状況と推察される。

このため、買い手が不在であり、換金売りでフリーフォール状態での下落の
可能性も決して低くはなさそうだ。よって、少なくともＩＰＯレシオが５日
移動平均線を上抜けるまでは、直近ＩＰＯ銘柄は手出し無用とみておきたい。

一方、３市場売買代金は前日から106億円増加して、596億円となった。主
要な株価指数が下落する中で、売買代金が増加した。

投売り、見切売りが出たことがボリューム増加につながった公算が大きい。
時価総額上位銘柄を中心に、下方向に大きく動く可能性が高まったと警戒し
ておく必要があるとみる。

（株式会社カブ知恵　代表取締役　藤井英敏）

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★ 編集後記
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バーナンキＦＲＢ議長は講演で、長期のインフレ期待が成長を不安定にする
ことに対し「ＦＯＭＣは強く抵抗する」と警戒感を改めて示しました。また、
ポールソン米財務長官自身が「為替介入の選択肢を排除しない」と発言して
います。ドル安によるインフレを抑止する明確なメッセージを市場に発して
います。これを受けて、円相場はやや反応し、円安基調です。しかしそれに
しても、ドルの戻りの弱いこと、弱いこと。今のところ、強いドルと言いな
がら、あまりにドルが強くなると輸出で稼ぐ米経済はきついだろうなという
見方のほうが優勢なのでしょうね。だから、ドルの上値は重いのでしょうね。

（藤井英敏）

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「カブ知恵」発、米株急落を受け、日経は300円安、代替エネルギー関連に火柱�

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「カブ知恵」発、個人投資家向け株式情報 2008年6月9日発行

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★ 目次
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
★ 各種株価指数の状況
★ 相場概況（主力株）
★ 今後の相場イメージ（主力株）
★ 相場概況（新興市場）
★ 今後の相場イメージ（新興市場）
★ 出来高を考慮した翌日のデイトレ用監視銘柄
★ ＩＰＯ情報
★ 編集後記

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
★ 各種株価指数の状況
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
日経２２５ 14181.38 -308.06 -2.13％
ＴＯＰＩＸ 1397.54 -30.57 -2.14％
日経ＪＡＳＤＡＱ 1527.14 -9.35 -0.61％
Ｊ−Ｓｔｏｃｋ 1378.06 -15.61 -1.12％
マザーズ 628.62 -9.78 -1.53％
ヘラクレス 1026.56 -8.58 -0.83％

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★ 相場概況（主力株）
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９日の日経平均は前週末比308.06円安の14181.38円、高値は９時２分の14278.
84円、安値は９時11分の14117.79円。東証一部の売買代金は２兆653億円、値
上がり銘柄数は177銘柄、値下がり銘柄数は1492銘柄、変わらずは51銘柄だっ
た。

6日の米国株式市場は急反落。ＮＹダウは前日比394.64ドル安の12209.81ドル、
下げ幅は今年最大。雇用統計で失業率が5.5％と前月比で0.5ポイントの急上
昇となった。失業率が前月比で一気に0.5ポイント上昇するのは86年2月以来
の記録で、米景気の低迷が長期化するとの懸念が広がった。さらに、原油先
物相場が一時1バレル139ドル台に急伸し、過去最高値を更新。原油高で、景
気低迷とインフレが同時に進む「スタグフレーション」への警戒感も出たこ
とが嫌気された。

この外部環境悪化を受け、９日前場の東京株式市場は寄付きから全面安商状。
しかし、売り一巡後は押し目買いと売り方の買い戻しで下げ渋った。原油高
を受け、原油関連はもちろん、代替エネルギー関連の材料株が物色された。

後場に入っても、相場は下げ渋った。だが、今晩の米国株式市場動向や原油
市況を見極めたいとのムードも強く、もみあい・膠着相場となった。

東証33業種では、鉱業、パルプ・紙の２業種が値上がりした。一方、証券、
商品先物、ゴム製品、鉄鋼、その他金融、銀行、輸送用機器、海運、電気機
器、機械、化学、保険、精密機械、倉庫・運輸、非鉄金属、金属製品、繊維
製品、その他製品などが値下がりした。

個別では、東証一部の値上がり率トップは、ゴールドウイン（8111）、２位
はＦＤＫ（6955）、３位は高島（8007）。一方、値下がり率トップはフィデ
ック（8423）、２位はミヤチテクノス（6885）、３位は芦森工業（3526）。

個別銘柄動向は以下の通り

ゴールドウイン（8111）、英スピード社製水着を日本で手掛ける同社へ物色
の矛先
299円　54円高
６日から３日間、東京辰巳国際水泳場で行われたジャパンオープンで、世界
記録連発で注目された英スピード社製水着を着た日本選手が世界新記録１、
日本新記録延べ15をマーク。これを受け、英スピード社製水着を日本で手掛
ける同社へ物色の矛先が向かったようだ。07年３月、三井物産（8031）は、
英国 SPEEDO INTERNATIONAL LIMITED（London England）と、世界のトップ
スイムブランドである「SPEEDO」の日本におけるトータル展開につき、ライ
センス契約を締結した。同時に、スイムウエア・ゴーグル・アパレル等、
「SPEEDO」の主要商品カテゴリーの開発・製造・販売を担当するパートナー
として、ゴールドウイン（8111）とサブライセンス契約を結んだ。

ＧＳユアサ(6674)、原油高騰で代替エネルギー関連に物色の矛先、東一の出
来高トップ
522円　51円高
６日のＮＹＭＥＸで原油先物相場は大幅続伸。ＷＴＩで期近の７月物は前日
比10.75ドル高の1バレル138.54ドルで終えた。上げ幅は史上最大。ドル安や
中東情勢の不安、モルガン・スタンレーが、７月初めまでに原油先物相場が
150ドルに達する可能性があると予想したことを手掛かりに、買いが膨らん
だ。この動きを受け、代替エネルギー関連として、自動車向け電池関連銘柄
群に物色の矛先が向かったようだ。同社株は東証一部の出来高トップとなっ
た。なお、同様の背景から電池関連では、ＦＤＫ（6955）、古河電池（6937
）、ＮＥＣトーキン（6759）、新神戸電機（6934）などが人気化した。

高島（8007）、原油高騰で代替エネルギー関連（太陽電池）の同社に物色の
矛先
182円　26円高
６日のＮＹＭＥＸで原油先物相場は大幅続伸。ＷＴＩで期近の７月物は前日
比10.75ドル高の1バレル138.54ドルで終えた。上げ幅は史上最大。ドル安や
中東情勢の不安、モルガン・スタンレーが、７月初めまでに原油先物相場が
150ドルに達する可能性があると予想したことを手掛かりに、買いが膨らん
だ。この動きを受け、代替エネルギー関連として、維加工メーカーの平岡織
染と共同で、太陽光発電パネルと一体化したテントシートを開発した同社へ
物色の矛先が向かったようだ。従来はシート上にパネルを張り付けることが
難しかったが、新たな接着工法を編み出して実現した。テントシートの設置
個所は国内で100カ所以上にのぼる。開発したシートで太陽光発電の用途拡
大を狙う。

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若林栄四のプロフィール

1966年、京都大学法学部卒業。東京銀行（現、三菱東京UFJ銀行）入行。同行
シンガポール支店為替課長、本店為替資金部課長、ニューヨーク支店為替課長
を経て、85年よりニューヨーク支店次長。1987年、勧角証券（アメリカ）執行
副社長。1996年末退職。歴史観に裏づけされた洞察力から生み出される、内外
金融市場全般に亘る鋭い相場大局観及び問題の本質を把握し明確に語りきる同
氏の姿勢は、日本国内に限らず海外のプロフェッショナル・機関投資家・ファ
ンド・マネジャーの間でも注目されている。

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（株）ワカバヤシ　エフエックス　アソシエイツ
金融商品取引業者　登録番号　関東財務局長（金商）第1698号
社団法人日本証券投資顧問業協会　会員番号012-02024
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★ 今後の相場イメージ（主力株）
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野村証券は９日、上場企業400社の08年度の企業業績見通しについて発表し
た。全体で前年度比0.2％の経常増益を見込む。

全体の増益に対する寄与率が最も高い金融業は、前年の米国発の金融収縮に
よる影響が一服して持ち直す一方で減益となる主な業種は自動車や鉄鋼、医
薬など。

円高基調が続くことや北米市場の減速、原材料価格の上昇が響く。400社の
うち金融業を除く348社の業績見通しでは、3.3％の経常減益となるという。

業績予想の前提となる各種レートは、為替相場については１ドル＝100円（前
年度は同114.2円）、１ユーロ＝155円（同161.5円）、原油相場は１バレル
＝110ドル（同78.8ドル）と想定している。

原油価格を現況に近い１バレル＝130ドル、為替相場を１ドル＝105円、１
ユーロ＝160円の想定に置き換えると、今回の業績見通しよりも経常利益を
約1.5％押し下げる効果があるという。

なお、株式市場は今期減益をほぼ織り込んでおり、これ自体、相場の大きな
材料とはならないだろう。

日経平均に関しては、25日移動平均線（９日現在、14089.46円）がサポート
している。これを割り込まない限り、堅調な相場が継続する見通し。

市場の関心は、円相場、原油相場、米国株式市場動向など外部環境に集中し
ているが、もう一段の悪化とならなければ、25日移動平均線は強力なサポー
トとして存在感をみせつけられるとみている。

（株式会社カブ知恵　代表取締役　藤井英敏）

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★ 相場概況（新興市場）
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新興3市場は全面安。東証マザーズ指数は３月12日から18日以来、約３カ月ぶ
りの５日続落となった。日経ジャスダック平均株価は３営業日ぶりに反落し、
ヘラクレス指数は３日続落した。

個別では、アリサカ（2328）、ジェイ・エスコムＨＬＤＧＳ（3779）、ネッ
トプライスドットコム（3328）、ニューディール（4740）、ラクーン（3031
）、旭ホームズ（1913）、イー・キャッシュ（3840）、バンテック・ジャパ
ン（3818）、デジタルデザイン（4764）、オーエムツーネットワーク（7614
）、ＬＴＴバイオファーマ（4566）、ウィーヴ（2360）、パラカ（4809）な
どの値上がりが目立つ。

一方、オープンインターフェース（4302）、ＳＤホールディングス（3726）、
オー・エイチ・ティー（6726）、モック（2363）、クオンツ（6811）、ＮＥ
ＳＴＡＧＥ（7633）、丸八証券（8700）、ソリトンシステムズ（3040）、プ
リヴェファンドＧＰ（4233）、ＹＡＭＡＴＯ（7853）、テリロジー（3356）、
ナガワ（9663）、スターティア（3393）、グランド・ファイナンシャル（87
83）、ゼンテック・テクノロジー（4296）などの値下がりが目立つ。

個別銘柄動向は以下の通り

ＬＴＴバイオ（4566）、PC-SOD の第２相臨床試験の結果が買い材料
21300円　2000円高のストップ高買い気配
９日14時、PC-SOD の第２相臨床試験の結果を発表した。これが買い材料と
なった。開発しているPC-SOD について、特発性間質性肺炎を適応症として
第２相臨床試験を進めてきたが、本治験の結果がまとまった。主要評価項
目である『努力肺活量（FVC）』だけでなく副次的評価項目を含め改善し
た症例があり、治療薬が切望されている特発性間質性肺炎の治療薬として
の可能性が得られた。56日後（投与終了後28日）には重要な因子のうちい
くつかは投与前値に戻っており、PC-SOD の継続的な投与が必要であると
の知見が得られた。本治験調整医師より、『現在治療薬が無く、為すすべ
がなく死亡されている間質性肺炎の中等度の患者に対して、PC-SOD の有
効性が確認されたことは、医療上大変意義がある』との評価を得た。今後
は共同開発を行う製薬企業を速やかに決定し、有意差が得られる十分な患
者を対象とした、第３相臨床試験を行う予定。

ラクーン(3031)、09年４月期通期業績、営業黒字転換予想を好感
290000円　40000円高のストップ高買い気配
６日に発表した、09年４月期通期業績予想は、売上高80億円(前期比45.4
％増)、営業利益２億円(前期は１億5800万円の赤字)、経常利益２億円(
同１億5800万円の赤字)、当期純利益１億7000万円(同１億6000万円の赤
字)の見通し。営業損益段階での黒字転換が好感された。09年４月期末に
おける「スーパーデリバリー」の経営指標数値の計画値を「中期経営戦
略」の公表数値から、会員小売店数、出展企業数は減少、商材掲載数は
増加とそれぞれ変更した。商材掲載数が大幅に上回り、この商材掲載数
の増加等を要因として商品取引が伸長することを見込んでいる。

カネコ種苗(1376)、09年５月期の連結純利益、２期連続過去最高との観
測を好感
840円　64円高
７日、「カネコ種苗の2009年５月期の連結純利益は、前期推定比８％増
の６億5000万円程度になりそうだ。主力の種子事業が好採算品を中心に
伸びるほか、穀物価格の高騰を受け畜産業の自家栽培用などに飼料用種
子の販売が増える。貸倒引当金の減少で販売管理費も減る見通しで、２
期連続で過去最高を更新する見込みだ。」と一部報じられた。これが好
感された。

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★ 今後の相場イメージ（新興市場）
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ＩＰＯレシオは前週末の71.43から6.52ポイント低下して64.91となった。
低下は３日連続。ＩＰＯレシオ５日移動平均線は79.85で、こちらも３日連
続の低下。

ＩＰＯレシオが５日移動平均線を下回り、且つ、５日移動平均線自体が下向
きのため、直近ＩＰＯ市場の調整が継続している様子が窺える。

現在、東証一部では電池株など低位の材料株が値を飛ばしている。高いボラ
ティリティーと高い流動性が担保されている。

このため、従来、直近ＩＰＯを物色していた短期スタンスの投資家は、ボラ
も低下し、流動性も乏しくなった直近ＩＰＯ銘柄見放し、東一の材料株を追
いかけている可能性が高いと考える。

一方、３市場売買代金は前週末から99億円減少して490億円となった。売買
代金の500億円割れは、４月15日の480億円以来。商いはメチャクチャ低
調だ。

誰も新興銘柄をみていないし、手掛けてもおらず、興味もないという状態と
言っても過言ではなかろう。

ここ最近まで、会計不信や突然の破綻などが相次ぎ、投資家の信頼を喪失し
た感が強い。

ＩＰＯによる市場刺激や投資資金の流入も乏しく、ボラティリティーと流動
性に加え、信頼も低下したことで、当面の新興市場は物色の蚊帳の外の状況
が継続する公算が大きい。

（株式会社カブ知恵　代表取締役　藤井英敏）

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★ 編集後記
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日経平均は308円安と大幅反落しましたが、電池関連中心に代替エネルギー
関連の一角が値を飛ばしたので、下がったという感覚よりも、強いなぁと感
じる個人投資家の方が多いような気がします。個人投資家が市場に回帰する
と、このように指数が下がっても、体感温度が高まります。いいことです。

（藤井英敏）

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