Thursday, September 17, 2009

「カブ知恵」発、米株高、アジア株高を好感し、日経はピン引けも、金融株軟調

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「カブ知恵」発、個人投資家向け株式情報 2009年9月17日発行

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★ 目次
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★ 各種株価指数の状況
★ 相場概況(主力株)
★ 今後の相場イメージ(主力株)
★ 今後の相場イメージ(新興市場)
★ IPO情報
★ 編集後記

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★ 各種株価指数の状況
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日経225 10443.8 173.03 1.68%
TOPIX 939.52 8.09 0.87%
日経JASDAQ 1250.27 -2.92 -0.23%
J−Stock 1017.85 -2.87 -0.28%
マザーズ 457.45 -6.48 -1.4%
ヘラクレス 622.69 -2.73 -0.44%

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★ 相場概況(主力株)
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17日の日経平均は前日比173.03円高の10443.80円、高値は大引けの10443.80円、
安値は13時21分の10340.14円。東証一部の売買代金は1兆4414億円、値上がり
銘柄数は1133銘柄、値下がり銘柄数は442銘柄、変わらずは114銘柄。日経平均
は3日続伸し、TOPIXも上昇した。

16日のNYダウは前日比108.30ドル高の9791.71ドルで取引を終えた。商品相
場の上昇や、8月の鉱工業生産指数が前月比で市場予想以上に上昇し、7月分
も上方修正されたことが好感された。

NY円相場は3日ぶりに反発した。前日比10銭円高・ドル安の1ドル=90円90
銭〜91円ちょうどで取引を終えた。円は対ユーロでは3日続落した。前日比35
銭円安・ユーロ高の一ユーロ=133円75〜85銭で取引を終えた。

NY金先物相場は大幅に続伸した。12月物は前日比13.9ドル高の1トロイオン
ス1020.2ドルで取引を終えた。一時1023.3ドルまで上昇した。NY原油先物相
場は続伸。WTI期近の10月物は前日比1.58ドル高の1バレル72.51ドルで取
引を終えた。

米株上昇、商品市況高で、前場の東京株式市場は買いが先行した。また、7−
9月期の法人企業景気予測調査で、大企業全産業の景気判断指数は0.3と、7
四半期ぶりにプラスに転じたことが買い材料視された。一方、読売新聞(ネッ
ト版)が、「亀井金融相は17日未明、金融庁で記者会見し、中小企業や個人を
対象とした銀行借り入れの返済猶予制度について、来月にも召集される臨時国
会に関連法案を提出する考えを明らかにした。」と報じたことが市場で話題に
なり、銀行株は軟調に推移した。

後場に入り、アジア各国・各地域の株式市場が総じて堅調に推移したことが好
感されたことに加え、ドル円が91円前半で推移していたことが買い安心感を誘
った。しかし、銀行株は軟調に推移したまま、取引を終えた。

東証33業種では、鉄鋼、鉱業、非鉄金属、食料品、卸売、石油・石炭製品、水
産・農林、繊維製品、機械、電気機器、精密機械、輸送用機器、化学などが値
上がりした。一方、銀行、不動産、その他金融業、証券、商品先物の4業種が
値下がりした。

個別では、東証一部の値上がり率トップは帝国ピストン(6463)、2位は横河
電機(6841)、3位はシンプレクス・テクノロジー(4340)。一方、値下がり
率トップはゼクス(8913)、2位はランド(8918)、3位は鬼怒川ゴム(5196
)。

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◎本日の新着個別銘柄動向

更新時間:2009/09/17 10:55:58

JFEHD(5411)、川崎市の製鉄設備を10月にも再稼働が買い材料
3390円 160円高
17日付け日本経済新聞は、「JFEスチールは、昨年末から休止中の川崎市の
製鉄設備を10月にも再稼働させる。生産能力は年50万トンで、同社の休止設備
の能力の1割弱に相当する。自動車向けや輸出の回復に対応したもので、来春
には休止中の高炉2基のうち岡山県倉敷市の1基を再稼働できるとみている。
新日本製鉄も8月に大分市で休止していた高炉1基を再稼働させており、鉄鋼
の減産緩和の動きが本格化してきた。」と報じた。これが買い材料になった。


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★ 今後の相場イメージ(主力株)
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17日10時33分、読売新聞(ネット版)が、「亀井金融相は17日未明、金融庁で
記者会見し、中小企業や個人を対象とした銀行借り入れの返済猶予制度につい
て、来月にも召集される臨時国会に関連法案を提出する考えを明らかにした。
同制度を盛り込んだ「貸し渋り・貸しはがし防止法(仮称)」の制定に向け、
事務方に詳細な制度設計について指示した。」と報じました。

これを受け、地銀株中心に金融セクターへの売り圧力が強まっています。法案
の詳細が明らかになるまでは、それがどれだけ金融機関に業績に悪影響を与え
るか分かりません。しかし、そのような不透明感があるうちは、株式市場では
金融セクターへの売り圧力が強まることになりそうです。

また、亀井郵政・金融担当相誕生で、ゆうちょの機能及び規模拡大で、民間金
融機関の経営が圧迫されるのではないかという懸念も強まっています。

一方、昨16日には、財務相に就任した藤井裕久氏が、「(為替の)緩やかな動
きであれば介入することは反対だ」、「円高がいいと言い切っているわけでは
ないが、円高の良さは非常にある」とコメントしています。このため、民主党
政権下では、緩やかな円高は容認される見通しです。当然、市場は、一体どの
レベルまでの円高を容認するのかを試すことになるでしょう。藤井財務相が、
口先介入をするまでは円高が続くとみています。

さらに、前原誠司国土交通相は17日、八ツ場ダムについて「マニフェストに書
いてあるので中止する」と述べたそうです。また、日本航空(9205)の経営再
建を議論する有識者会議をいったん白紙にして、解消し、「金融機関の意見も
聞いて、本当に再建計画が実現可能か、実行して本当に再建できるか判断した
い」と語ったということです。

つまり、新政権下での公共事業から家計への予算組み替えで、ゼネコンなど公
共事業関連企業の先行き業績悪化懸念が強まる見通しです。また、日航の再建
に関しても、不透明感が強まったと考えます。

このような状況下、買えるのは円高メリット株、環境関連株、家計部門の政府
による支援でメリットを受ける株ということになりそうです。円高、環境対策、
支払い猶予、公共事業縮小等でデメリットを受ける企業群は売られる公算が大
きいと考えます。

(株式会社カブ知恵 代表取締役 藤井英敏)

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★ 今後の相場イメージ(新興市場)
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17日のIPOレシオは64.29と、前日から31.27ポイントの下落と、続落しまし
た。

IPOレシオ5日移動平均線は98.26と、前日の上昇から一転8.57下落しまし
た。

昨日に続いて、IPOレシオが5日移動平均線を下回り、且つ、5日移動平均
線自体が下落に転じたため、直近IPO市場は調整入りした可能性が高いです。

一方、3市場売買代金は前日から71億円減少して344億円でした。

なお、主要3指数は3指数とも下落しました。

日経ジャスダック平均の終値(確報)は、前日比2円92銭安の1250円27銭でし
た。ジャスダック市場の売買代金は概算で137億円でした。今年最大だった11
日の232億円から大幅に減少した水準です。

東証マザーズ指数は3日ぶりに反落し、大証ヘラクレス指数は4日続落しまし
た。

本日、東証マザーズに新規上場した抗がん剤開発のキャンバスは朝方から買い
気配を切り上げ、公開価格(2100円)の2.15倍強の水準となる4530円まで気配
値を上げましたが、売買は成立しませんでした。

東証は大引け後、キャンバス株に関し、初値決定日の売買について買い付け代
金(現金)の即日徴収などの規制措置を実施すると発表しました。

なお、東証マザーズ指数の週足ベースの一目均衡表の雲下限は、17日現在326.
64ポイント、雲上限は464.67ポイントです。少なくとも、雲を上抜けない限り
新興市場の本格的な上昇は確信が持てる状況ではない点には、引き続き、注意
したいところです。ですが、17日のマザース指数は457.45ポイントと雲上限が
目の前に迫っています。

今後、売買代金増加を伴って上昇基調に入るようなら、ここまで売り叩かれた
市場でもあり、雲上抜けの可能性は決して低くはないとみています。

また、雲上限を突破したら、マザーズ市場の騰勢が加速すると考えています。

なお、目先については、終値は457.45ポイントと、5日移動平均線(17日現在、
461.92ポイント)を、下抜けてしまいました。一方、25日移動平均線(同、45
4.37ポイント)は上抜いています。このため、25日移動平均線が下値をサポー
トするかが注目されます。

(株式会社カブ知恵 代表取締役 藤井英敏)

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★ IPO情報
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★ 編集後記
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対外及び対内証券売買契約等の状況(週間、指定報告機関ベース)によれば、
9月6日〜12日の対内株式は、取得2兆8282億円に対し処分が2兆9618億円で、
差し引き1336億円の流出超と、3週ぶりに売り越しへ転じました。


この外国人投資家の売りが継続するようだと、日経平均は下振れし易くなるで
しょう。

足元では円高が進んでおり、外国人投資家は利益確定売りを出し易くなってい
ると観測されます。

商品市況高騰も、ドルキャリー取引の結果でしょうから、今後、米株高でも、
円高・ドル安、原材料高で、日経平均は輸出関連株が足を引っ張る形で、上値
の重い展開を余儀なくされそうです。

(藤井英敏)

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