Wednesday, February 20, 2008

「カブ知恵」発、世界的インフレ懸念強まる、日経平均は急落�

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「カブ知恵」発、個人投資家向け株式情報 2008年2月20日発行

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★ 目次
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★ 各種株価指数の状況
★ 相場概況(主力株)
★ 今後の相場イメージ(主力株)
★ 相場概況(新興市場)
★ 今後の相場イメージ(新興市場)
★ 出来高を考慮した翌日のデイトレ用監視銘柄
★ IPO情報
★ 編集後記

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★ 各種株価指数の状況
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日経225 13310.37 -447.54 -3.25%
TOPIX 1302.72 -42.57 -3.16%
日経JASDAQ 1533.92 -4.48 -0.29%
J−Stock 1416.15 -29.33 -2.03%
マザーズ 669.88 -18.95 -2.75%
ヘラクレス 1020.66 -35.07 -3.32%

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★ 相場概況(主力株)
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20日の日経平均は前日比447.54円安の13310.37円、高値は始値の13729.75円、
安値は大引けの13310.37円。東証一部の売買代金は3兆459億円、値上がり銘
柄数は111銘柄、値下がり銘柄数は1584銘柄、変わらずは34銘柄だった。

原油など商品市況の高騰でインフレ懸念が強まったことを背景に、19日の米
国株式市場が下落したことを受け、朝方から主力株の一角に戻り待ちの売り
が出た。また、中国国家統計局が19日発表した1月の消費者物価指数(CP
I)の上昇率が前年同月比7.1%上昇し、約11年ぶりの高水準となり、中国
国内のインフレ懸念も重石とり、アジア株が軟調となったことも嫌気された。

さらに、英フィナンシャルタイムズ(電子版)が「KKR(コールバーグ・
クラビス・ロバーツ、米投資ファンド)が数十億ドル規模のコマーシャル
ペーパー(CP)で2回目となる支払い延滞に陥った」などと報じたこと
も悪材料となった。

業種別では、東証33業種中値上がりはゴム製品の1業種のみ。一方、不動
産、倉庫・運輸、銀行、海運、卸売、化学、小売、水産・農林、繊維製品、
金属製品、機械、ガラス・土石、建設などの値下がりが目立つ。

個別では、東証一部の値上がり率トップはアイティフォー(4743)、2位は
グッドウィル・グループ(4723)、3位はクボテック(7709)。一方、下落
率トップはサンフロンティア不動産(8934)、2位はクリード(8888)、3
位は住友不動産(8830)だった。

個別銘柄動向は以下の通り

住友石炭(1503)、鉄鋼大手が鉄鋼原料の原料炭を米国から緊急輸入が買い
材料
88円 7円高
20日、「新日本製鉄(5401)など鉄鋼大手が鉄鋼原料の原料炭を米国から緊
急輸入する。月内にも契約し、4月半ばから国内に輸送する。原料炭は需給
逼迫(ひっぱく)に加え、主要調達先の豪州での天候不順で調達難に陥って
いた。米国産価格は豪州産の3倍弱と割高だが、鋼材生産を優先する。資源
高が加速するなか、鉄鋼メーカーはさらなるコスト負担を迫られる。」と一
部報じられた。これが買い材料視されたとみられる。

CTC(4739)、GS、「中立」から「買い」に引き上げ
2975円 135円高
ゴールドマン・サックス証券は、同社のレーティングを従来の「中立」から
「買い」に引き上げ、今後12 ヵ月の目標株価は同4300円から3700円に引き下
げた。来期ゴールドマン予想PER12 倍は、厳しめの予想前提でもカバレッジ
の中では最低レベルの水準だという。受注残が大きく、不採算プロジェクト
今期16億円分の消失を前提とすると、景気敏感の商品販売が大きい企業とい
えども、一定の抵抗力を持つとみているという。ゴールドマンでは、少なく
とも来上期の売上は手堅く、株価上昇につながるとみている。

大京(8840)、マンション発売14%減、2年連続マイナス、30年ぶり首位か
ら陥落を嫌気
244円 16円安
20日、「不動産経済研究所(東京・新宿)が19日にまとめた2007年の全国の
マンション発売戸数は、前年比14.2%減の13万3670戸と2年連続で前年を下
回った。用地の仕入れ価格や建築費の高騰を受け、一戸当たりの平均発売価
格が3813円と前年から7.1%上昇。買い控えを招き、9年ぶりの低水準を記
録した。平均発売価格の上昇は2年連続。会社別では、一時期より用地仕入
れに慎重な姿勢をとっている大京が06年まで29年連続だった首位から陥落し
て5位。各地で積極的に物件を増やしてきた穴吹工務店(高松市)が初の
首位となった。」と一部報じられた。これが嫌気されたようだ。

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★ 今後の相場イメージ(主力株)
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19日のNYで原油先物相場は大幅に続伸し、WTI期近の3月物は一時1バ
レル100.10ドルと、1月3日に付けた過去最高値を上回った。終値は前週末
比4.51ドル高の1バレル100.01ドルと、初めて100ドル台で取引を終えた。

また、NY金先物相場も大幅に反発。4月物は前週末比23.7ドル高の1トロ
イオンス929.8ドルで終えた。一時934.4ドルまで上昇し、中心限月として
1日以来約3週間ぶりの高値を付けた。銀は3営業日ぶりに反発、プラチナは
4営業日続伸した。

また、新日本製鉄など鉄鋼大手が鉄鋼原料の原料炭を米国から緊急輸入する。
原料炭は需給逼迫に加え、主要調達先の豪州での天候不順で調達難に陥って
いた。米国産価格は豪州産の3倍弱と割高だが、鋼材生産を優先するという。

このような商品市況の高騰は、米国景気減速と新興国経済のデカップリング
に作用するため、株式市場にとってはポジティブに作用するとみていた。

しかし、市場は、世界的なインフレリスクを急速に警戒し始めた。本日、東
京株式市場の心理を最も冷やしたのは、アジア株の下落だろう。

20日の中国株式市場で上海株式相場は3営業日ぶりに急反落した。上海総合
指数は前日比97.269ポイント(2.08%)安の4567.026ポイントだった。前
日発表された1月のCPIの大幅上昇でインフレが意識されていたところに、
海外市場における商品先物相場の急伸が伝わった。

このため、中国国内でもインフレが一段と加速するとの懸念が強まり、中国
当局による追加的な金融引き締め策実施への警戒感が広がったことが上海株
下落の背景だ。他のアジア各国・地域の株式市場も、インフレ懸念から軒並
み下落している。

本日の株式市場の反応をみる限り、インフレ・ヘッジの手段として、投資家
は実物(商品)を好み、株式を避けている感が強い。金や原油先物等を買い
建てて、株価指数先物を売り建てるストラテジーしかないという気もしてく
る。若しくは、資源株を買い建てて、株価指数先物を売り建てるのもありだ
ろう。

(株式会社カブ知恵 代表取締役 藤井英敏)

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弊社の藤井英敏が、オリックス証券ブログで、株式・日経225先物投資に
役立つ情報をつぶやいてます!(平日随時更新)

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★ 相場概況(新興市場)
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20日の新興3市場は全面安。日経ジャスダック平均は5営業日ぶりに反落。東
証マザーズ指数は続落。ヘラクレス指数は6営業日ぶりに反落した。前場は底
堅くに推移していたが、後場に入り、日経平均が下げ幅を拡大する、次第に売
りに押された。札証アンビシャス市場に新規上場したインサイト(2172)は公
募価格1000円を23%下回る770円の初値を付けた。その後は初値を下回って推
移し、大引けは初値比48円安の722円だった。

個別では、トランスデジタル(9712)、夢新ホールディングス(2362)、クオ
ンツ(6811)、アルバイトタイムス(2341)、環境管理センター(4657)、ネ
クストジェン(3842)、バーテックスリンク(9816)、そーせいグループ(4
565)、トラストワークス(2154)、オープンインターフェース(4302)、西
川計測(7500)などが値上がりした。

一方、エン・ジャパン(4849)、ムサシ(7521)、燦キャピタルマネージメン
ト(2134)、インテリジェンス(4757)、アルデプロ(8925)、レイコフ(8
941)、ダヴィンチ・アド(4314)、イントランス(3237)、ノジマ(7419)、
アイル(3854)、日本精密(7771)、アマナ(2402)などが値下がりした。

個別銘柄動向は以下の通り

まぐクリック(4784)、サイバーCOMとの資本・業務提携を好感
40550円 4000円高のストップ高買い気配
20日8時50分、サイバー・コミュニケーションズ(4788)が、まぐクリックの
普通株式2000株を取得し、インターネット広告の販売および企画・開発分野に
おいて協業することを主旨とする業務提携契約を締結したと発表した。これが
好感された。取得方法は、既存株主からの譲受、取得後の所有株式数は2001株、
取得後の所有割合は2.23%。インターネット広告市場規模の成長率は、安定的
な高成長を維持しているが、ロングテール領域にはより高い成長率が期待され
ている。まぐクリックとサイバー・コミュニケーションズ は、このロングテ
ール領域において業務提携することとした。

アルバイトタイムス(2341)、1 株につき3 円の記念配当を実施を好感
141円 28円高
19日、08年2月期に、1 株につき3 円のジャスダック証券取引所上場5 周年記
念配当を実施すると発表した。この結果、1 株当たり期末配当金は、前回発
表の普通配当2円に上記の記念配当3円を加え、5円の配当を実施する予定。
これが好感された。

そーせいグループ(4565)、緊急避妊薬治験、近く最終段階が買い材料
127000円 20000円高のストップ高買い気配
20日、「そーせいグループは開発中の緊急避妊薬について、最終段階である
第三相臨床試験を月内にも始める。このほど厚生労働省に治験届を提出した。
国内の病院で実際に投与し有効性などを調べる。この薬は、そーせいが仏製
薬会社のHRAファーマ社から国内での販売開発権を購入したもので、すで
に米国など65カ国で発売されている。新薬は黄体ホルモンを有効成分とし、
妊娠に関連するとされる黄体ホルモンの体内濃度を高めることで排卵や受精
卵の着床を妨げる。」と、一部報じられた。これが買い材料となった。

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★ 今後の相場イメージ(新興市場)
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 IPOレシオは前日の119.05から31.05ポイント低下して、88.00となっ
た。低下は2日連続。18日の135.90を天井に調整局面入りしたことが鮮明
になった。

また、IPOレシオ5日移動平均線は100.97だ。本日はこれをも割り込んだ。
今後の同レシオは50〜70程度までの調整し、調整一巡感がどこで出るかに注
目したい。

なお、ここ最近上場した銘柄群の中で、本日終値が公募価格及び初値を上回
っているのは、スタートトゥディ(3092)の1銘柄だけだ。

直近IPO市場の需給は非常に悪い。このため、今後、余程急激に売り込ま
れて、リバウンド妙味が増大しない限り、短期資金の直近IPO市場への資
金流入加速は期待薄とみておきたい。

 一方、3市場売買代金は前日から129億円減少して1053億円となった。
減少は2日連続だが、活況の目安となる1000億円は上回っている。

しかし、直近のピーク(18日の1210億円)時の相場状況と比べると、物色
の中心だったネット関連の騰勢が一服し、個人投資家の買いの回転が鈍った
感が強い。

主要な株価指数がもう一段下落するようだと、短期筋の投げ売りがかさむ可
能性が高く、短期的な急落リスクが高まったと警戒しておきたい。

(株式会社カブ知恵 代表取締役 藤井英敏)

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★ IPO情報
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★ 編集後記
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通常、株式はデフレが嫌いで、インフレが好きです。ですから、商品市況高
騰によるインフレは、株価にとってはポジティブに、債券にとってはネガテ
ィブに作用するのが原則です。しかし、前日の米株といい、本日の日本やア
ジア株の反応といい、違和感を感じています。本来なら、「オッシャッ!イン
フレか!待ってました!!株を買って、金も買って、プラチナも買って、債
券を叩き売るぞ」となるはずなのに・・・。なんとなく腑に落ちない動きで
したが、インフレなら株は買いだと思いますよ。もちろん、市場がスタグフ
レーションを懸念しているなら、今日の動きは納得しますが。

(藤井英敏)

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