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「カブ知恵」発、個人投資家向け株式情報 2008年6月20日発行
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★ 目次
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★ 各種株価指数の状況
★ 相場概況（主力株）
★ 今後の相場イメージ（主力株）
★ 相場概況（新興市場）
★ 今後の相場イメージ（新興市場）
★ 出来高を考慮した翌日のデイトレ用監視銘柄
★ ＩＰＯ情報
★ 編集後記
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★ 各種株価指数の状況
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日経２２５ 13942.08 -188.09 -1.33％
ＴＯＰＩＸ 1356.74 -18.86 -1.37％
日経ＪＡＳＤＡＱ 1519.77 -0.41 -0.03％
Ｊ−Ｓｔｏｃｋ 1355.51 -14.31 -1.04％
マザーズ 597.16 -8.6 -1.42％
ヘラクレス 990.11 -8.25 -0.83％
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★ 相場概況（主力株）
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20日の日経平均は前日比188.09円安の13942.08円、高値は９時５分の14190.00
円、安値は13時37分の13903.21円。東証一部の売買代金は２兆1171億円、値上
がり銘柄数は357銘柄、値下がり銘柄数1248銘柄、変わらずは115銘柄だった。
日経平均は大幅に続落した。日経平均のここ２日間の下落幅は510.74円と500
円を超えた。
19日のＮＹダウ４営業日ぶりに反発し、前日比34.03ドル高の12063.09ドルだ
った。原油先物相場が急反落したことが好感された。ＷＴＩ期近の７月物は前
日比4.75ドル安の1バレル131.93ドルだった。中国がガソリンなど石油製品の
値上げを発表したことや、サウジアラビアが原油の追加増産を正式に発表した
ことが嫌気された。
米国株式市場の反発、原油価格下落と外部環境は改善したが、前場の日経平均
は続落した。ムーディーズがモノライン大手のＭＢＩＡとアンバック・フィナ
ンシャル・グループの保険部門の財務格付けを最上級の「トリプルＡ」から引
き下げると発表したこと影響したとみられる。
後場に入っても軟調地合いは続いた。大和投信の「ダイワ割安株チャンス2008
」の当初設定額が564億円と市場に伝わったが、市場観測の500億円程度とほぼ
一致していたこともあり、特に反応はなかった。なお、物色面では、ここ最近
値を飛ばしていた電池、電線、農業、橋梁関連などの低位材料株が、手仕舞い
売りに押され、値幅を伴って下落した。
東証33業種では、パルプ・紙、空運の２業種だけが値上がりした。一方、鉱業、
ガラス・土石、機械、建設、その他金融、食料品、銀行、繊維製品、精密機械、
電気・ガス、情報・通信、非鉄金属、卸売、小売などが値下がりした。個別で
は、東証一部の値上がり率トップはハニーズ（2792）、２位は東洋精糖（2107
）、３位はトウペ（4614）。一方、値下がり率トップはアドバネクス（5998）、
２位は山水電気（6793）、３位は古河電池（6937）。
個別銘柄動向は以下の通り
ハニーズ（2792）、08年５月期連結業績の下方修正で悪材料出尽くし
1227円 200円高のストップ高買い気配
19日、08年５月期連結業績の下方修正を発表した。これで悪材料出尽くしとな
ったようだ。売上高は従来の630億円を608億6200万円へ、営業利益は同85億円
を75億7600万円へ、経常利益は同85億円を76億500万円へ、当期純利益は同46
億円を41億700万円へ、それぞれ下方修正した。天候不順やショッピングセン
ター間の競争激化に加え、ガソリン価格等の上昇に伴い郊外店を中心として来
店客数の減少がみられた。また投入商品の偏りといった商品企画上の不備も重
なり、売上高において前回予想を下回る見込み。また、利益面でも売上高の計
画未達を主因に前回予想を各々下回る見込み。
東洋精糖(2107)、カーギルがコーンシロップの出荷を一部見合わせが買い材料
142円 20円高
20日、「アイオワ州を中心とする米中西部の洪水で、米穀物メジャーのカーギ
ルが甘味料などに使われるコーンシロップの出荷を一部見合わせたことが分か
った。街の大半が冠水した同州シーダー・ラピッドにあるトウモロコシ加工工
場の設備を止めたため。」と一部報じられた。これにより砂糖由来のシロップ
需要拡大期待、砂糖市況高騰との連想で買われたと観測される。同様の連想か
ら、日本甜菜糖（2108）、三井製糖（2109）、フジ日本精糖（2114）、塩水港
精糖（2112）も高い。
イオンディライト(9787)、第1四半期業績、中間計画に対する高い進捗率を好感
2015円 165円高
19日、09年２月期第１四半期連結業績を発表した。増収２桁営業増益と中間期
計画に対する高進捗率が好感された。売上高は369億4000万円（前年同期比7.7
％増）、営業利益は25億8600万円（同25.8％増）、経常利益は25億4400万円（
同25.3％増）、四半期純利益は14億4200万円（同32.0％増）だった。中間期計
画に対する進捗率は、売上高は53.9％、営業利益は61.6％、経常利益は61.3％、
当期純利益は68.7％。建設施工部門の落ち込みがあったものの、今年度オープ
ンしたイオングループの大高ショッピングセンター、ロックシティ防府等の新
規受託のほか、グループ外における全国菓子大博覧会・兵庫、ホテルルートイ
ン等の新規受託、さらに前期に受託したダイエーの全国店舗、イオン各務原シ
ョッピングセンター、イオンモール日の出、ユニモちはら台、カウボーイ各店、
日本興亜損保株式会社他の通年寄与等により、増収となった。また、統合によ
るスケールメリットを活かした外注費の適正化、一部官公庁等の低収益物件の
収益見直し、システム集約・統一等により、原価構造の改善に努めたことなど
から営業利益・経常利益・当期純利益も増益となった。なお、通期業績予想等
については、08 年４月に公表した予想は修正していない。
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若林栄四のプロフィール
1966年、京都大学法学部卒業。東京銀行（現、三菱東京UFJ銀行）入行。同行
シンガポール支店為替課長、本店為替資金部課長、ニューヨーク支店為替課長
を経て、85年よりニューヨーク支店次長。1987年、勧角証券（アメリカ）執行
副社長。1996年末退職。歴史観に裏づけされた洞察力から生み出される、内外
金融市場全般に亘る鋭い相場大局観及び問題の本質を把握し明確に語りきる同
氏の姿勢は、日本国内に限らず海外のプロフェッショナル・機関投資家・ファ
ンド・マネジャーの間でも注目されている。
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（株）ワカバヤシ エフエックス アソシエイツ
金融商品取引業者 登録番号 関東財務局長（金商）第1698号
社団法人日本証券投資顧問業協会 会員番号012-02024
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★ 今後の相場イメージ（主力株）
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日経平均は19日、20日の２日間で510.74円の大幅下落を演じた。この結果、
25日移動平均線（20日現在、14139.76円）を割り込んだ。短期チャートが
悪化したため、来週以降、これを上回るまでは調整が続く公算が大きい。
一方、９日間ベースのＲＳＩは35.98％まで低下している。これが20％程度
まで低下すれば調整一巡感が出てくる可能性が高いとみている。
スケジュール的には、国内では、23日に４−６月期法人景気予測調査、27
日に５月鉱工業生産、５月ＣＰＩ、５月失業率の発表が予定されている。
海外では、24日〜25日に米ＦＯＭＣ、24日に米６月消費者信頼感指数、４
月Ｓ＆Ｐ・ケースシラー住宅価格指数、25日に米５月耐久財受注、26日に米
５月中古住宅販売、27日に米５月個人所得及び個人支出、６月ミシガン大学
消費者信頼感指数改定値、などの発表・開催が予定されている。
現在、東京株式市場の関心事は米国の足元及び先行き景気に集まっている。
米景気減速が色濃く出るような状況になると、米株式市場が下落し易くなり、
円相場が上げ一服となり、わが国輸出関連企業への売り圧力が強まる見通し
だ。
なお、相場に対して過度に弱気になるのは時期尚早とみている。弱気に転じ
るのは、テクニカル的に26週移動平均線（20日現在、13684.81円）を割り
込んだのを確認してからで、十分間に合うとみている。
一方、上値だが、こちらも売買代金の増加なしでは限定的と考える。
よって、来週の日経平均は、13700円〜14500円程度のボックス相場を想定
している。このような投資環境下、個人投資家は引き続きテーマ株物色、低
位材料株の循環物色を継続しよう。
（株式会社カブ知恵 代表取締役 藤井英敏）
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★ 相場概況（新興市場）
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20日の新興３市場は全面安。日経ジャスダック平均、東証マザーズ指数、大証
へラクレス指数は続落した。東証マザーズ指数の終値は前日比8.60ポイント安
の597.16ポイント。終値では４月16日以来、約２カ月ぶりに心理的な節目の60
0ポイントを下回った。売買代金も低調で、ジャスダック市場の売買代金は概
算で143億円と、全日立ち会いでは約５年１カ月ぶりの低水準だった。
個別では、新星堂（7415）、カルナバイオサイエンス（4572）、ＮＦＫホール
ディングス（6494）、Ａ.Ｃホールディングス（1783）、バーテックスリンク
（9816）、クロニクル（9822）、ヨンキュウ（9955）、ＹＯＺＡＮ（6830）、
トランスデジタル（9712）、一正蒲鉾（2108）、デジタルデザイン（4764）、
ジェイテック（2479）、セガトイズ（7842）、不二精機（6400）などの値上が
りが目立つ。
一方、アリサカ（2328）、ヒューネット（8836）、セイクレスト（8900）、ス
トロベリーコーポレーション（3429）、テリロジー（3356）、ＳＢＩフューチ
ャーズ（8735）、コージツ（9905）、ニッシン債権回収（8426）、フリード（
9423）、オー・エイチ・ティー（6726）などの値下がりが目立つ。
個別銘柄動向は以下の通り
新星堂(7415)、債務免除益31億円で通期最終損益を黒字に修正を好感
115円 30円高のストップ高買い気配
19日、09年２月期第２四半期累計期間において特別利益として債務免除益31億
円を計上する予定であると発表した。これが好感された。同社に対しての金融
債権を保有する取引先金融機関とのぞみ債権回収株式会社との間に債権譲渡手
続が19日付で完了したことを受け、金銭準消費貸借契約を締結し、契約の中で
08年８月４日に31億円の債務免除を受けることについて合意した。これを主因
として、09年２月期通期業績予想の売上高は前回予想に据え置いたが、営業損
益を前回予想の２億9200万円の赤字から３億700万円の赤字へ、経常損益を同
５億1000万円の赤字から４億9000万円の赤字へ、最終損益を同５億8500万円の
赤字から25億1900万円の黒字へ、それぞれ修正した。ジャスダック証券取引所
は19日、同社の再建計画を適当と認めると発表した。ただし、20日−７月19日
まで１ヶ月間の平均の時価総額もしくは７月19日の時価総額が５億円以上にな
らなければ新星堂は上場廃止となる。
ＮＦＫ−ＨＤ(6494)、バイオディーゼル燃料事業について基本合意書を締結が
買い材料
73円 13円高
19日、クリーンサポート株式会社と、バイオディーゼル燃料事業について、事
業提携に関する基本合意書を締結したと発表した。これが買い材料となった。
クリーンサポート社の技術（バイオディーゼルフューエル技術）は、従来技術
と異なりパームやし、ジャトロファ等の植物原料を加工しないままの状態で使
用し、そのまま生成する為、従来の植物油を原料とする製法よりもコストパフ
ォーマンスに優れており、また、その製品は低温流動性に優れ、保管も容易で
あるなどの特徴から既存の軽油と同様の使用が可能となるという。クリーンサ
ポート社では同製品をＢＤＦとは異なるため、バイオクリーンフェル「ＢＣＦ
」と称し、現在、岡山県和気市にあるクリーンサポート社の工場にて既にパイ
ロット製造されている。今回の事業提携により、同社で培った技術とクリーン
サポート社の技術を互いに補完し、生成プラントの製造や代替エネルギー供給
の分野に進出することを目的としているという。
フルスピード（2159）、日経の特集記事が買い材料
222000円 11000円高
20日、日経新聞の「点検この中小型株」という特集記事で取り上げられ、これ
が買い材料視されたとみられる。それによれば、「ＳＥＯと検索連動型の広告
事業が２本柱だ。2008年７月期の連結経常利益は前期比70％増の14億5000万円
の見通し。09年７月期（アナリスト予想平均値）も44％増益と成長が続きそう
だ。売り上げでは、広告枠を仕入れて企業に販売するネット広告代理店事業が
５割を超す。検索連動型広告は売り上げは立つが粗利益率が15％程度で値引き
販売の消耗戦に陥りやすい面も持つ。同社の強みは、そうした薄利多売の事業
に頼らず好採算のＳＥＯに早くから取り組んだ点にある。」という。
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★ 今後の相場イメージ（新興市場）
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20日のＩＰＯレシオは前日の102.27から17.16ポイント低下して85.11と
なった。低下は２日連続。ＩＰＯレシオ５日移動平均線は100.35で、こちら
は依然上昇中、上昇は５日連続だ。
しかし、本日の下落でＩＰＯレシオは５日移動平均線を割り込んだ。早期に、
上抜けば問題はないが、直近ＩＰＯ市場は再び調整局面入りの可能性が高ま
ったとみておきたい。
ただし、仮に、18日の126.32がピークになるなら、通常の取引レンジの上
限付近でのピークアウトであり、調整も通常の50〜70のレベルで済むとみて
いる。
なお、直近ＩＰＯ銘柄群に関しては、昔のような高ボラティリティーも流動
性もない。このため短期筋の直近ＩＰＯ銘柄への関心は著しく低下し、興味
を喪失している可能性が高まっている点には留意しておく必要があろう。
一方、３市場売買代金は前日から42億円減少して424億円となった。目を覆
いたくなるような低水準だ。
多くの個人投資家が新興市場から離散した結果だろう。ごくごくレアな人達
が売り買いする市場、それが新興市場となってしまったようだ。
今年の春、ネット証券で信用口座の開設が増加したと報じられていた。おそ
らく、その時期からアクティブ個人となった投資家は、古き良き、活況に満
ち溢れた新興市場は知らないだろう。
彼らは、東証一部の低位材料株に参戦し、勝ったり負けたりを繰り返し、日々
相場と格闘していると推察する。そんな彼らは新興市場への興味を抱くこと
は当面なさそう。
彼らが興味・関心を持つのは新興が再び活気付くことが絶対条件だ。しかし、
現在の売買代金をみる限り、そんな期待は微塵も抱けない。流動性の枯渇し
た砂漠のような市場、それが今の新興だ。
（株式会社カブ知恵 代表取締役 藤井英敏）
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★ ＩＰＯ情報
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★ 編集後記
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今日は電池関連をはじめ、低位の材料株の急落が相次ぎました。週末でもあ
り、手仕舞い売りが多くの銘柄で先行したのでしょう。それにしても、昨
日は電線で今日は砂糖関連銘柄の株価が噴き上がりました。資金の回転も速
いですが、値動きも半端じゃありません。このように循環物色が続いている
うちは、アクティブ個人のマインドは暖化していることでしょう。日経平均
はこの２日間で500円超下落しましたが、低位材料株を売り買いしている投
資家にとって、日経平均の上げ下げなんか、アウトオブ眼中なのかも知れま
せん。
（藤井英敏）
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