Friday, September 26, 2008

「カブ知恵」発、米金融安定化策を巡る米政府・議会のドタバタを嫌気�

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「カブ知恵」発、個人投資家向け株式情報 2008年9月26日発行

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★ 目次
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★ 各種株価指数の状況
★ 相場概況(主力株)
★ 今後の相場イメージ(主力株)
★ 相場概況(新興市場)
★ 今後の相場イメージ(新興市場)
★ IPO情報
★ 編集後記

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★ 各種株価指数の状況
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日経225 11893.16 -113.37 -0.94%
TOPIX 1147.89 -6.06 -0.53%
日経JASDAQ 1302.5 -1.04 -0.08%
J−Stock 1117.19 -4.08 -0.36%
マザーズ 427.27 -8.42 -1.93%
ヘラクレス 668.14 -9.17 -1.35%
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★ 相場概況(主力株)
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26日の日経平均は前日比113.37円安の11893.16円、高値は9時22分の12082.64
円、安値は13時50分の11788.73円。東証一部の売買代金は2兆180億円、値上
がり銘柄数は341銘柄、値下がり銘柄数は1307銘柄、変わらずは61銘柄だった。

25日のNYダウは4営業日ぶりに反発し、前日比196.89ドル高の11022.06ドル
で取引を終えた。ダウ・ジョーンズ通信が、「上下両院の民主・共和両党の有
力議員が安定化法案について基本合意に達した」、と報じたことが好感された。

米国株の上昇を好感して、寄り付き直後の東京株式市場は買いが先行した。し
かし、「米下院金融委員会のバーニー・フランク委員長(民主、マサチューセ
ッツ州)は25日、財務省が提案した7000億ドルの金融安定化策について民主党
が示した修正案を共和党が拒否したことを明らかにした」とのブルームバーグ
報道が市場に広く知れ渡るに連れ、売り圧力が強まった。また、米CNBCが、
「米金融安定法案の合意は、1週間から10日程遅れる」と報じたとの観測も嫌
気された。さらに、東京市場の取引時間中を通じて、CME GlobexでS&P500、
ナスダック100など米株価指数先物が軟調に推移したことも悪材料視された。

安定化法案をめぐる政府・議会の調整が難航していることや、経営不振に陥っ
ていた米貯蓄貸付組合(S&L)最大手のワシントン・ミューチュアルが破綻し
たことなどが嫌気され、日経平均は後場に入り、下げ幅を拡大させた。ただし、
大引けにかけてはやや買い戻され、今週の取引を終えた。

東証33業種では、医薬品、保険、情報・通信、電気・ガス、銀行、陸運、空運、
輸送用機器、小売、建設の10業種が値上がりした。一方、海運、非鉄金属、鉄
鋼、卸売、精密機械、ゴム製品、機械、繊維製品、石油・石炭製品、化学、倉
庫・運輸、ガラス・土石などが値下がりした。

個別では、東証一部の値上がり率トップは創建ホームズ(8911)、2位はさが
美(8201)、3位は旭テック(5606)。一方、値下がり率トップはエス・サイ
エンス(5721)、2位は日本綜合地所(8878)、3位は有楽土地(8838)。

個別銘柄動向は以下の通り

フジタ(1725)、TOB価格200円にサヤ寄せ
185円 50円高のストップ高買い気配
 25日、親会社である有限会社フジタ・ホールディングス(以下「公開買付者
」。)による同社株式及び新株予約権に対する公開買付け(以下「本公開買付け
」)について、賛同の意見を表明した。TOB(公開買付)価格は普通株式1株
当たり200 円。これにサヤ寄せするべく買い物が殺到した。本公開買付けが成
立した場合には、その後、公開買付者が同社を100%子会社化する予定である
こと、及びその後、同社が上場廃止となる予定であることを前提としている。
公開買付者は、米国デラウェア州法に基づき設立された法人であるゴールドマ
ン・サックス・グループ・インクの完全子会社である日本法に基づき設立され
た株式会社(特例有限会社)。

旭テック(5606)、第三者割当増資による子会社の財務基盤拡充を好感
55円 9円高
 26日9時7分、筆頭株主のアールエイチジェイ・インターナショナルSA/NV
を割当先とする第三者割当増資を発表した。発行する普通株式は7317万731株
の範囲で割当先と合意し、申込みのあった株式数。発行価額は1株あたり41円。
今回の第三者割当により発行される新株式数は、現在の発行済株式数に対して、
22.8%の株式の希薄化効果を生じる。調達する資金の額(差引手取概算額)は約
30億円。資金使途は、全額、完全子会社である米国メタルダイン社への出資(
増資)に充てる予定。子会社の財務基盤拡充が好感された。ただし、10月15日
に予定されているメタルダイン社への出資(約30億円)の一部又は全部につい
て、出資期日が早まった場合には、この出資のための資金は借入金によること
となるため、当該借入金の返済資金(最大約30億円)に充てる場合がある。

大成建設(1801)、MSの投資判断「Overweight」への引き上げが買い手掛かり
268円 9円高
 モルガン・スタンレー証券は、同社の投資判断を従来の「Equal-weight」か
ら「Overweight」へ引き上げ、目標株価は330円としたそうだ。これが買い手
掛かりになったと観測される。最大の懸念事項であった海外工事の損失が表面
化したことが理由だという。MSは同社の海外受注の積極的な展開については
否定的であったそうだ。MSはこのことを理由に同社を最大手ゼネコン4社内
で唯一、「Equal-weight」の投資判断に据え置いていたという。これで最大手
ゼネコン4社全てが「Overweight」になったが、悪材料が出尽くした大成建設
(1801)がトップピック、2番目は大林組(1802)、3番目は清水建設(1803)、4
番目は鹿島(1812)となるという。鹿島(1812)が最も低いのは既報されている循
環取引による損失額が確定していないためだとも。

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若林栄四のプロフィール

1966年、京都大学法学部卒業。東京銀行(現、三菱東京UFJ銀行)入行。同行
シンガポール支店為替課長、本店為替資金部課長、ニューヨーク支店為替課長
を経て、85年よりニューヨーク支店次長。1987年、勧角証券(アメリカ)執行
副社長。1996年末退職。歴史観に裏づけされた洞察力から生み出される、内外
金融市場全般に亘る鋭い相場大局観及び問題の本質を把握し明確に語りきる同
氏の姿勢は、日本国内に限らず海外のプロフェッショナル・機関投資家・ファ
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(株)ワカバヤシ エフエックス アソシエイツ
金融商品取引業者 登録番号 関東財務局長(金商)第1698号
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★ 今後の相場イメージ(主力株)
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上下両院の民主・共和両党の有力議員が安定化法案について基本合意し、すん
なり決まるとみられていた米金融安定化法案をめぐる協議は、25日午後のホワ
イトハウスの会合で一部の共和党下院議員が対案を提示したことが明らかにな
り、混迷の度を増したという。

報道によれば、共和党保守派のグループのブッシュ政権の金融安定化策への対
案は、公的資金を否定し民間主導で解決を図るそうで、政府の保証がついてい
ないすべてのモーゲージ証券(MBS)の約半分に政府保証をつけることが柱
だという。法案には、企業に対する規制緩和・一時的な減税や、この支援策に
参加する金融機関にモーゲージ資産の公開を求めることも盛り込まれていると
も。米CNBCでは、米金融安定法案の合意は、1週間から10日程遅れると報
道したもようだ。

こうなると来週は、米金融安定化に対する米議会と政府の着地点がみえないう
ちは、東京株式市場も調整色を強める公算が大きい。まさか民間主導の公的資
金を使わないスキームでは着地しないだろうが、万が一そうなった場合、世界
的な株式市場のクラッシュが想定される。現時点では、紆余曲折はありながら
も、公的資金を活用したスキームで決着する公算が大きいとみているが・・・。

いずれにせよ、その方向で議論がまとまる確度が高まるまでは先行き不透明感
が強いため、東京株式市場は不安定な動きを続けよう。そして、着地点がほぼ
みえてきた段階から、急速に値を戻す相場をイメージしている。日経平均の想
定レンジは11300円〜12500円程度。

(株式会社カブ知恵 代表取締役 藤井英敏)

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★ 相場概況(新興市場)
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26日の新興3市場は全面安。日経ジャスダック平均は3日続落。東証マザーズ
指数は4日続落した。そして、大証ヘラクレス指数は3日続落した。

個別では、ビービーネット(2318)、NESTAGE(7633)、寺島薬局(75
86)、イントランス(3237)、クレックス(7568)、ダイヤモンドダイニング
(3073)、テリロジー(3356)、ビジネスB太田昭和(9658)、ターボリナッ
クス(3777)、イーシー・ワン(2310)、グッドマン(7535)、サムシングホ
ールディングス(1408)、セキュアヴェイル(3042)、デジタルデザイン(47
64)、ウィル(3241)、クリーク・アンド・リバー社(4763)、データホライ
ゾン(3628)などの値上がりが目立つ。

一方、プロデュース(6263)、山洋工業(8109)、アスラポート・ダイニング
(3069)、ウライ(2658)、アーティストハウスHLDGS(3716)、フィン
テックグローバル(8789)、CDS(2487)、総和地所(3239)、モック(23
63)、寺崎電気産業(6637)、オメガプロジェクトHD(6819)、ミホウジャ
パン(2880)、メッツ(4744)などの値下がりが目立つ。

個別銘柄動向は以下の通り

クリーク&リバー(4763)、08年8月期中間連結業績の上方修正を好感
19500円 2000円高のストップ高買い気配
 26日11時35分、08年8月期中間連結業績の上方修正を発表した。これが好感
された。売上高は従来の72億円を73億円へ、営業利益は同1億円を2億9000万
円へ、経常利益は同1億円を2億7000万円へ、中間純利益は同5000万円を1億
円へ、それぞれ上方修正した。同社グループは、前連結会計年度を初年度とし
た、3ヵ年の中期経営計画「Grow-up プラン」において、中核事業である「エ
ージェンシー事業の継続成長・利益率の向上」を目指している。初年度に実施
した機構改革等の基盤整備に基づき、「Grow-up プラン」の2年目である当期
を成長ステージと位置付け、グループ全体でクライアント・ニーズに対する対
応力を強化するとともに、プロジェクト管理を徹底することで、収益力の強化
に努めた。その結果、連結・個別ともに前年対比増収増益を達成し、特に利益
面において、当初想定を上回る見込みとなった。09年2月期通期業績予想につ
いては、現時点での変更はない。

データホライゾン(3628)、健康保険加入者向けの保健事業の支援サービス開始
が買い材料
1630円 165円高
 26日付け日経産業新聞が、「東証マザーズ上場のデータホライゾンは、企業
の健康保険組合や自治体などが実施する健康保険加入者向けの保健事業の支援
サービスを始める。診療報酬明細書(レセプト)などのデータをコンピューター
で分析し、予防医療を助言することで中長期の医療費削減に結びつけるサービ
スとして売り込む。」と報じた。これが買い材料になったようだ。

ダイヤモンドダイニング(3073)、09年2月期通期業績の上方修正を好感
228000円 30000円高のストップ高買い気配
 26日8時35分、09年2月期通期業績の上方修正を発表した。これが好感され
た。売上高は従来の78億4200万円を83億5400万円へ、営業利益は同3億8900万
円を5億1600万円へ、経常利益は同3億7000万円を5億1100万円へ、当期純利
益は同1億9300万円を2億6400万円へ、それぞれ上方修正した。当中間期は、
前事業年度に引き続き積極的な出店を行った結果、首都圏ターミナル駅を中心
に11店舗の新規出店を行った。これら店舗が中間期の業績に大きく影響したこ
とに加え、既存店の売上高が当初計画とおり順調に推移し、売上原価及び販管
費及び一般管理費が計画より下回って推移した結果、08年7月1日に公表した
09年2月期の中間期業績予想を上回る見込み。通期業績に関しては、当中間会
計期間以降に計画している新規出店店舗の出店時期の遅れの可能性や、物件獲
得の進捗が順調に推移しているため、現在公表している新規出店店舗数を上回
る出店数となる可能性がある。当面は売上高、利益ともに順調な推移を見込ん
でいるが、経済情勢が不安定であり個人消費における消費意欲の減退リスク及
び当該中間期業績予想数値を勘案し、通期見通しを上方修正した。

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★ 今後の相場イメージ(新興市場)
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IPOレシオは前日の55.17から12.98ポイント低下して42.19となった。低下
は2日連続。水準的には16日の46.15を割り込むレベルまで低下した。IPO
レシオ5日移動平均線は65.03と、こちらも2日連続の低下。IPOレシオが
5日移動平均線を割り込み、且つ、5日移動平均線自体の向きが下向きのため、
直近IPO市場は調整局面入りしていると言える。

また、ここ最近のボックスの概ね50〜80程度のレンジ下限を割り込んだことか
ら、調整がやや深刻化している様子が窺える。なお、昨日一例として挙げた、
5日に上場したサニーサイド(2180)は本日まで11日続落している。10時13分
には前日比115円(5.0%)安の2175円まで下げ、上場来安値を連日で更新して
いる。直近IPO銘柄の人気が離散していることを物語る事象と言える。

一方、3市場売買代金は前日から39億円減少して281億円にまで落ち込んだ。
新興3市場の主要な株価指数は全面安だった。どれもこれも安値圏での推移を
余儀なくされているが、一向に押し目買いが入ってこないようだ。

お金が一向に入ってこないのは当然と考えている。24日マザーズ上場のリプラ
ス(8936)が破産手続きを開始すると発表した。

また、ジャスダック上場のプロデュース(6263)が19日の取引終了後に金融商
品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の疑いで証券取引等監視委員会の
強制調査を受けたと発表した。

そして、同社は24日、隆盛監査法人から同日付で監査契約を解除するとの通知
を受けたと発表した。そして26日、民事再生手続き開始の申し立て、及び受理
を発表した。

さらに、新興銘柄ではないが、25日取引終了後、東証2部上場のジェネシス・
テクノロジー(2473)が、神戸地裁に民事再生手続き開始を申請し、受理され
たと発表した。

26日には、総和地所(3239)が、神奈川県高津県税事務所より08年度の法人事
業税の滞納に対して差押えの執行がなされたと発表。同じく26日、東証一部の
シーズクリエイト(8921)が民事再生手続き開始の申し立てを発表した。

次から次へ、中小型株の破綻、不祥事が明らかになっている。これでは普通の
投資家は新興市場には、怖くて決して近づかないのは当然とみているからだ。

(株式会社カブ知恵 代表取締役 藤井英敏)

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★ IPO情報
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★ 編集後記
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今日は米国の議会と政府との金融安定化策のドタバタ劇で嫌な相場になりま
したね。共和党保守派の一部が、ブッシュ政権の修正案に対して代替案を出
したそうです。詳細は不明ですが、どうやら公的資金投入を避けた民間主導
のスキームのようです。まあ、紆余曲折を経ながらも公的資金を活用したス
キームに落ち着くとは思いますが、金融市場が異常な緊張状態になっている
だけに、スピード感を持って着地して欲しいものです。ただし、税負担を恐
れるあまりに、仮に不良債権買取機構の設立にこぎつけたとしても、買取価
格が低く抑えられるようだとその実効性に疑問符が付き、株は売られ、ドル
も売られることになるでしょうね。

(藤井英敏)

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