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「カブ知恵」発、個人投資家向け株式情報 2008年10月8日発行
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★ 目次
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★ 各種株価指数の状況
★ 相場概況（主力株）
★ 今後の相場イメージ（主力株）
★ 相場概況（新興市場）
★ 今後の相場イメージ（新興市場）
★ ＩＰＯ情報
★ 編集後記
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★ 各種株価指数の状況
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日経２２５ 9203.32 -952.58 -9.38％
ＴＯＰＩＸ 899.01 -78.6 -8.04％
日経ＪＡＳＤＡＱ 1071.34 -56.49 -5.01％
Ｊ−Ｓｔｏｃｋ 904.67 -50.81 -5.32％
マザーズ 271.68 -32.39 -10.65％
ヘラクレス 447.98 -47.18 -9.53％
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★ 相場概況（主力株）
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８日の日経平均は前日比952.58円安の9203.32円、高値は始値の10011.64円、
安値は14時45分の9159.81円。東証一部の売買代金は２兆4216億円、値上がり
銘柄数は44銘柄、値下がり銘柄数は1649銘柄、変わらずは14銘柄だった。
７日のＮＹダウは前日比508.39ドル安の9447.11ドルで取引を終えた。増資・
減配・減益決算を発表したバンカメが26％下落するなど、金融株が売られた。
ＦＲＢがコマーシャルペーパー（ＣＰ）を購入する制度を創設すると発表した
ことや、バーナンキＦＲＢ議長が早期利下げを示唆する発言をしたが、結果と
して、株式相場は好感することはなかった。ＮＹ円相場は対ドルでは続伸した。
前日比35銭円高・ドル安の1ドル＝101円40-50銭で取引を終えた。
前場の東京株式市場では、日経平均は米株下落、円相場高止まりを嫌気した売
りが先行した。買い手掛かり材料が乏しい中、見切売りが断続的に出た。先物
市場では買戻しが入り強含む場面はあったものの、すかさず売りが入り、戻り
は鈍かった。
後場に入ると、寄り付き直後に追証に伴う強制執行の売りや、前場の値動きで
上値の重さを嫌気した売りが断続的に出た。225先物12月限が前場安値9710円
を割り込み、これをきっかけに下げが加速。また、CME GlobexでＳ＆Ｐ500や
ナスダック100先物等米株価指数先物が昼休み中は小幅プラスで推移していた
のが、後場に入り、下げに転じ、下げ幅を拡大させた。これも嫌気売り材料と
なった。さらに、日経平均急落を受け、東京外国為替市場で円相場が上昇し、
１ドル＝99円台に突入。この円高も嫌気され、株売りに拍車が掛かった。
東証33業種では、値上がり業種はゼロ。一方、水産・農林、鉱業、建設業、食
料品、繊維製品、パルプ・紙、化学、医薬品、石油・石炭製品、ゴム製品、ガ
ラス・土石、鉄鋼、非鉄金属、金属製品、機械、電気機器、輸送用機器、精密
機械などの値下がりが目立つ。
個別では、東証一部の値上がり率トップはシーズクリエイト（8921）、２位は
リソー教育（4714）、３位はアゼル（1872）。一方、値下がり率トップは新井
組（1854）、２位は東北ミサワホーム（1907）、３位はピクセラ（6731）。
個別銘柄動向は以下の通り
リソー教育(4714)、自己株式取得を好感
1630円 200円高のストップ高買い気配
７日、自己株式取得を発表した。これが好感された。取得する株式の総数上
限は30万株(発行済株式総数に対する割合7.0％)、取得価額の総額上限は５億
円、取得の日程は08年10月８日から08年11月28日まで。同時に、09年２月期個
別中間業績の上方修正を発表した。売上高は従来の51億8100万円を51億8800万
円へ、営業利益は同４億200万円を４億3600万円へ、経常利益は同３億8900万
円を４億2800万円へ、中間純利益は同8600万円を１億5000万円へ、それぞれ上
方修正した。当中間期においては、前期後半から経営比率を意識し、コスト削
減を徹底したことに加え、同社子会社の事業損失引当金が当初計画より減少し
たこと等が寄与する。なお、中間期連結業績予想および通期連結・個別業績予
想についての修正はない。
伊藤園(2593)、サントリー清涼飲料値上げで追随値上げ観測が買い材料
1366円 113円高
８日、日本経済新聞は、「清涼飲料２位のサントリーは７日、来春をめどに
清涼飲料を値上げする方針を固めた。自動販売機で120円の缶入り飲料や150円
のペットボトル入り飲料をそれぞれ10円引き上げる方向で検討する。清涼飲料
の値上げは、消費税率引き上げを受けた1998年以来11年ぶり。他の食品と異な
り、清涼飲料はシェア争いの激しさから各社とも価格を据え置いてきた。他の
大手飲料も追随する見通し。」と報じた。この追随値上げ観測報道が買い材料
になったようだ。
ホギメディカル(3593)、ＭＬの投資評価「買い」継続が買い手掛かり
4930円 110円
メリルリンチ証券は、同社の投資評価「買い」を継続し、目標株価は従来の
6500円から6400円としたそうだ。この「買い」継続が買い手掛かりになったと
観測される。10日発表予定の上期決算は、実質計画並みの13％営業増益を見込
んでいるという。同社は為替や景気動向に左右されない成長事業を有し、良好
な決算が株価上でポジティブ視されると考えているそうだ。09年３月期見通し
も良好だとも。同社のキット事業は契約解除が極めて稀なため、ビシビリティ
の高さが特徴だという。
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若林栄四のプロフィール
1966年、京都大学法学部卒業。東京銀行（現、三菱東京UFJ銀行）入行。同行
シンガポール支店為替課長、本店為替資金部課長、ニューヨーク支店為替課長
を経て、85年よりニューヨーク支店次長。1987年、勧角証券（アメリカ）執行
副社長。1996年末退職。歴史観に裏づけされた洞察力から生み出される、内外
金融市場全般に亘る鋭い相場大局観及び問題の本質を把握し明確に語りきる同
氏の姿勢は、日本国内に限らず海外のプロフェッショナル・機関投資家・ファ
ンド・マネジャーの間でも注目されている。
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★ 今後の相場イメージ（主力株）
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日経平均は歴代３位の下落率を記録した。売り主体は11月決算のヘッジファン
ドの解約売りと推察する。ファンドの顧客は45日前までに解約を申し込むため、
この売りが10月中旬まで続くとはみていた。
しかし、その売りを適度なレベルで拾う投資主体が皆無となったことが誤算だ
った。換金売りを急ぐファンドは、投げ売り状態になったようだ。また、この
下落に巻き込まれる形で、追証発生及び回避に伴う売りも断続的に出て、個人
信用の手仕舞い売りの動きも加速したとみられる。
売りが売りを呼ぶ「負の循環」が世界の株式市場で発生している。大和総研は
８日付けレポートで、ＴＯＰＩＸの下値メドを、ＰＢＲがちょうど１倍になる
894ポイント(＝TOPIXの実績BPS)を挙げていたそうだ。本日の安値は894.31ポ
イントだ。ちょうどこのＰＢＲ１倍で下げ止まった格好だ。なお、大和総研に
よれば、現在の値は昭和40年（1965年）不況のボトム時（７月末）1.16倍を下
回る、歴史的な最低水準にあるという。
このようにバリュエーション面では魅力的なのだが、なかなか買い手が現れて
こない。値段構わずにブン投げるファンドの解約売り圧力が強過ぎて、指数的
には下落バイアスが強いということなのだろう。また、欧米金融危機への強い
懸念、世界景気の急減速懸念などがあり、買い方の腰も引けている感が強い。
よって、現在の相場水準はバリュエーション的に歴史的な割安圏、テクニカル
的にも短期でも中長期でも売られ過ぎとは認識しつつも、買えない相場と言え
よう。ファンドの解約売りがピークアウトするか、金融危機に対して抜本的な
対策が講じられるまでは、相場の調整は継続することになりそうだ。
（株式会社カブ知恵 代表取締役 藤井英敏）
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★ 相場概況（新興市場）
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８日の新興３市場は全面安。日経ジャスダック平均は11日続落し、連日で年初
来安値を更新した。東証マザーズ指数は12日続落し、連日で算出来安値を更新
した。そして、大証ヘラクレス指数は11日続落し、連日で算出来安値を更新し
た。
個別では、シード（7743）、メディアクリエイト（2451）、パワーアップ（30
44）、モック（2363）、エルクリエイト（3247）、アイビーダイワ（3587）、
大和電設（1985）、日本パーキング（8997）、佐藤食品工業（2814）、イー・
ギャランティ（8771）、ＮＥＳＴＡＧＥ（7633）、サイバーファーム（2377）、
ジー・エフグループ（3751）、アーティストハウスＨＬＤＧＳ（3716）などの
値上がりが目立つ。
一方、ジャパンシステム（9758）、システムソフト（7527）、高見沢サイバネ
ティックス（6424）、シンポ（5903）、ニューディール（4740）、プロデュー
ス（6263）、クロニクル（9822）、フェニックス電機（6927）、日本興業（52
79）などの値下がりが目立つ。
個別銘柄動向は以下の通り
イー・ギャランティ(8771)、保証残高が急増、年初の２倍を好感
99000円 10000円高のストップ高
８日付けの日本経済新聞が、「信用リスク保証のイー・ギャランティが企業
向けに提供している売掛債権保証サービスの保証残高が急増している。2008年
３月末には778億円だったが、９月末で900億円程度となった。今月中には1000
億円を超え、年初の２倍になる見込みだ。景気の悪化や原料価格の上昇で企業
の事業環境が悪化。金融機関の資金の流動性も低下しているため需要が急増し
ている。」と報じた。これが買い材料となった。
マックハウス(7603)、09年２月期通期単独業績の下方修正を引き続き嫌気
486円 56円安
３日、09年２月期通期単独業績予想の下方修正を発表した。これが引き続き
嫌気されたようだ。通期単独業績予想を、売上高574億円(前回予想比4.3％減)、
営業利益21億円(同33.8％減)、経常利益23億円(同28.1％減)、当期純利益９億
7000万円(同37.8％減)に、それぞれ下方修正した。中間期の売上高は、ショッ
ピングセンター増加に伴う競合激化やヒット商品不在に加え、ガソリン・食料
品・生活必需品の相次ぐ値上げの影響等を受け個人消費が冷え込んだことによ
り、既存店舗売上高が伸び悩み、前年比が92.7％となった。また、営業期間２
年間経過後の赤字店舗で、黒字化が困難と思われる店舗に関して減損処理を実
施した結果、減損損失３億6000万円を特別損失として計上することも利益を押
し下げた。下半期については、企業間の競合が益々激化するとともに消費者の
生活防衛意識がより顕著になり上半期以上に予断を許さない状況が続き売上高
の確保が厳しい趨勢が続くものと想定されることから、通期業績を下方修正し
た。
エキサイト(3754)、子会社売却で、特別損失２億2000万円発生を嫌気
29700円 4000円安
７日、連結子会社であるエキサイトＦＸ株式会社を譲渡し、個別決算におい
て２億2000万円の特別損失を計上すると発表した。これが嫌気されている。Ｆ
Ｘ事業については、市場の成長性や口座獲得等の営業状況において、一定の手
応えを感じつつも同社グループ(連結)経営及び各事業セグメントの収益バラン
スの観点から再検討したところ、メディア事業やエンタテインメント事業の収
益性改善に注力しなければならない状況下において、当該事業に係る先行投資
負担が過剰であると判断するに至ったという。よって、当該子会社の全株式を
クリック証券株式会社に譲渡することとした。なお、通期業績予想については、
全体の検証が済み次第、公表する予定。
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★ 今後の相場イメージ（新興市場）
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ＩＰＯレシオは前日の15.66から8.92ポイント低下して6.74となった。低下は
５日連続。本日は算出対象20銘柄のうち値上がりがゼロとなったことが響いた。
ＩＰＯレシオ５日移動平均線は16.65と、こちらは10日続落した。ＩＰＯレシ
オは短期的に超売られ過ぎを示唆している。しかし、直近ＩＰＯ銘柄を好んで
売買していたアクティブ個人が新興市場から去ってしまった今、この売られ過
ぎをリバウンド取りのチャンスとみる個人がどれだけいるか疑問だ。
よって、ＩＰＯレシオは早晩上昇に転じるだろうが、上がるものもあれば、下
がるものもあるという極めて普通の状態に回帰することでの上昇を想定する。
つまり、ＩＰＯレシオの上昇イコール直近ＩＰＯ銘柄群の総リバウンドは想定
していない。
一方、３市場売買代金は前日から87億円減少して302億円だった。主要な株価
指数が連日で安値を更新する中、ボリュームは相変わらず増加してこない。本
日に関しては、逆に減少している。小口売りが出る。しかし、現値では買い板
がない。だから、買い板があるところまで売り指値を下げるということが繰り
返されているのだろう。
また、追証等でどうしても換金しなくてはならない投資家は、多少まとまった
成り行き売り注文を出すと、ストップ安でようやく約定するというヒドイ目に
あっている個人投資家も相当数いることだろう。このような流動性枯渇は当分
続く見通しで、同時に、新興市場の先高観も強まることはないとみている。
（株式会社カブ知恵 代表取締役 藤井英敏）
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★ ＩＰＯ情報
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ＩＰＯスケジュールはこちら
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★ 編集後記
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今日の後場の値動きは久しぶりに背筋がゾッとする動きでした。225先物が前
場安値9710円を割った瞬間です。前場は、まあＮＹダウが508ドル安したわ
けだし、この程度の下落は織り込み済みだし、今日はこのレベルでもみあう
のかなとみていました。引け後には英国で銀行への資本注入の正式発表もあ
るようだし、これからも政策が各国から相次ぐだろうから、9700円付近では
買いが入るだろうなと。しかし、ナンノナンノ。後場に入ると怒涛の売りが
出てくるではないですか。ふとみると、昼休み小幅プラスだったグロベがマ
イ転。下げ幅を拡大させています。さらに、為替市場では１ドル99円台突入。
アーアってな感じですね。今日の日経平均は歴代３位の下げ幅となる9.38％
です。１位はブラックマンデー翌日の87年10月20日の14.90％、２位はス
ターリン・ショックの53年３月５日の10.00％です。どうやら我々は、歴史
の生き証人になったようですね。
（藤井英敏）
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フォントの設定をWindowsは「MSゴシック」、Macは「Osaka-等幅」等として
いただきますと見やすくご覧いただけます。
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