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「カブ知恵」発、個人投資家向け株式情報 2008年11月06日発行
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★ 目次
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★ 各種株価指数の状況
★ 相場概況（主力株）
★ 今後の相場イメージ（主力株）
★ 相場概況（新興市場）
★ 今後の相場イメージ（新興市場）
★ ＩＰＯ情報
★ 編集後記
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★ 各種株価指数の状況
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日経２２５ 8899.14 -622.1 -6.53％
ＴＯＰＩＸ 909.3 -57.61 -5.96％
日経ＪＡＳＤＡＱ 1095.74 -9.5 -0.86％
Ｊ−Ｓｔｏｃｋ 981.77 -22.99 -2.29％
マザーズ 324.65 -10.84 -3.23％
ヘラクレス 520.71 -8.11 -1.53％
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★ 相場概況（主力株）
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６日の日経平均は前日比622.10円安の8899.14円、高値は９時５分の9380.30円、
安値は14時50分の8806.71円。東証一部の売買代金は１兆9988億円、値上がり
銘柄数は215銘柄、値下がり銘柄数は1456銘柄、変わらずは42銘柄だった。日
経平均は３日ぶりに大幅反落し、9000円大台を割り込んだ。
５日のＮＹダウは前日比486.01ドル安の9139.27ドルで取引を終えた。ＡＤＰ
が発表した10月の全米雇用リポートで、非農業部門（政府部門を除く）の雇用
者数は前月比15万7000人減少と、市場予想の10万人前後の減少を大きく上回っ
たことや、ＩＳＭの10月の非製造業景況感指数で、総合指数は44.4％となり、
前月の50.2％から5.8ポイント低下し、市場予想の47％前後を下回ったこと、
などが嫌気された。
ＮＹ円相場は反発し、前日比1円75銭円高・ドル安の1ドル＝97円90銭-98円ち
ょうどで取引を終えた。円は対ユーロでも反発した。前日比2円60銭円高・ユ
ーロ安の1ユーロ＝126円80-90銭で取引を終えた。シカゴ日経平均先物は9155
円大証終値比365円安だった。
前場の東京株式市場は米株急落と円高を嫌気した売りが先行した。輸出関連株
を中心に国際優良株が大幅下落し、日経平均を押し下げた。本日引け後に中間
決算発表を控えたトヨタ（7203）が前引けは3870円前日比380円安と急落した。
市場の一部では同社株の動向への関心が集まっていた。
後場に入ると、08年11月-09年１月期の売上高見通しが市場予想を下回り、シ
スコシステムズが時間外取引で下落したことを背景に、CME Globexで米株価指
数先物が軟調推移を続けたことや、アジア各国・各地域の株式市場が全面安と
なったことを嫌気し、日経平均は下げ幅を拡大させた。
なお、取引終了後の15時に、トヨタは09年３月期通期連結業績予想の大幅下方
修正を発表した。売上高は従来の25兆円を23兆円へ、営業利益は同１兆6000億
円を6000億円へ、税金等調整前当期純利益は同１兆7000億円を6400億円へ、当
期純利益は同１兆2500億円を5500億円へ、それぞれ下方修正した。自動車市場
の急激な減速を受けて販売計画を見直したことや、円の急騰を受けて為替前提
レートを見直したことなどにより、前回公表した予想を下回る見込みとなった
という。
東証33業種では、値上がり業種はゼロ。一方、輸送用機器、石油・石炭製品、
鉱業、その他金融、電気機器、建設、金属製品、精密機械、証券、商品先物、
海運、保険、その他製品、機械、鉄鋼、倉庫・運輸、非鉄金属、不動産、ゴム
製品などが値下がりした。
個別では、東証一部の値上がり率トップはアーク（7873）、２位はフジシール
インターナショナル（7864）、３位は東洋精糖（2107）。一方、値下がり率ト
ップはいすゞ自動車（7202）、２位はバンダイナムコＨＬＤＧＳ（7832）、３
位はアイシン精機（7259）。
個別銘柄動向は以下の通り
東洋精糖(2107)、09年３月期通期連結業績の上方修正を好感
111円 16円高
５日、09年３月期通期連結業績の上方修正を発表した。これが好感された。
売上高は従来の140億円を142億円へ、営業利益は同７億8000万円を８億9000万
円へ、経常利益は同７億2000万円を８億4000万円へ、当期純利益は同４億1000
万円を５億円へ、それぞれ上方修正した。当第２四半期累計期間の連結及び個
別の業績について、砂糖事業は、適正価格による販売と、販売・間接部門のコ
スト削減に努めた。機能食品素材事業においては、飲料向けを中心に販売量が
伸び、当初の予想を上回った。その結果、当第２四半期累計期間の連結及び個
別の営業利益、経常利益、四半期純利益は何れも当初の予想を上回る見込み。
また、通期の連結及び個別の業績についても当第２四半期累計期間の増益見込
みにより、当初の予想を上回る予定。
栗本鉄工所(5602)、衝撃に強いマグネシウム合金開発が買い材料
80円 ６円高
６日付け日経産業新聞は、「栗本鉄工所は衝撃に強いマグネシウム合金を開
発した。合金を鋳造後、一度圧延してから加工前のビレットにする独自の製法
を採用し、耐衝撃性能を通常の2.7倍に高めた。アルミ合金並みの強度が確保
できるという。マグネシウム合金は鉄やアルミニウム合金よりも軽く、自動車
や航空機向けの軽量化素材として注目されているが、強度不足が課題の一つだ
った。」と報じた。これが買い材料視されたようだ。
フジシール(7864)、自己株式取得を好感
1288円 200円高のストップ高買い気配
５日、自己株式取得を発表した。これが好感された。取得しうる株式の総数
上限は150万株(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合5.11％)、取得
価額の総額上限は20億円、取得期間は08年11月６日から08年12月19日まで。同
時に発表した第２四半期連結累計期間における業績は、売上高494億3200万円(
前年同期比0.1％減)、営業利益41億3400万円(同3.9％増)、経常利益41億2900
万円(同3.3％増)、四半期純利益26億8700万円(同14.8％増)だった。通期業績
については、経済環境により消費が低迷し売上高が減少する可能性及び為替レ
ートの変動などによる業績への影響が予想される。また、アメリカンフジシー
ルにおける生産体制再構築の一環として08年12月を目処にフェアフィールド工
場を閉鎖しバーズタウン工場への統合に向けて準備を進めており、現時点での
概算額３億円程度の特別損失の発生を見込んでいるが、第２四半期に引き続き
顧客への提案の強化や生産性の向上、また経費削減活動を促進することなどか
ら、08年５月14日に公表した連結業績予想に変更はない。
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若林栄四のプロフィール
1966年、京都大学法学部卒業。東京銀行（現、三菱東京UFJ銀行）入行。同行
シンガポール支店為替課長、本店為替資金部課長、ニューヨーク支店為替課長
を経て、85年よりニューヨーク支店次長。1987年、勧角証券（アメリカ）執行
副社長。1996年末退職。歴史観に裏づけされた洞察力から生み出される、内外
金融市場全般に亘る鋭い相場大局観及び問題の本質を把握し明確に語りきる同
氏の姿勢は、日本国内に限らず海外のプロフェッショナル・機関投資家・ファ
ンド・マネジャーの間でも注目されている。
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（株）ワカバヤシ エフエックス アソシエイツ
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★ 今後の相場イメージ（主力株）
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欧州中央銀行（ＥＣＢ）と英中央銀行のイングランド銀行（ＢＯＥ）が、最低
でも0.5％の利下げに動くとみられているが、市場ではＥＣＢが0.75％、ＢＯ
Ｅが0.75％か1.00％の利下げを行う可能性も囁かれている。
予想通り0.5％なら市場には中立だが、引き下げ幅が拡大した場合、欧米株式
市場はポジティブに反応する可能性がある。ただし、仮に、ＥＣＢが0.75％引
き下げて政策金利を3.00％としても、米国のそれは1.00％、日本は0.30％だ。
ユーロに金利引き下げ打ち止め感は出ないため、金利先安感の強いユーロが、
対円、対ドルで売られる可能性が高い。
つまり、米国株高・対ユーロでのドル高はイメージできるが、対ユーロでの円
高進行が嫌気される可能性が高いため、日本株が素直に好感できるかは微妙だ。
当面、円高バイアスがなくなるためには、ユーロはもちろんドルの金利先安感
が打ち止められることが必要だろう。
それはともかく、世界の株式市場の次なる注目は、米国の追加景気対策の中身
や規模とみている。これがはっきりするまでは、東京株式市場は調整する公算
が大きい。また、経営危機に陥っているＧＭなどビッグスリーの政府支援の内
容への関心も高い。これがうまくまとまり、株式市場が安心するようなら、相
場の基調が一気に弱気に傾くことはなさそうだ。
米非営利団体の自動車研究センターの推計によれば、ビッグスリーの米事業の
規模が現状の半分に縮小されると、関連産業を含め全米で、１年間で250万人
近い失業者が出るそうだ。雇用がそこまで破壊されると景気回復は容易ではな
い。
市場では今週末発表の10月の雇用統計への警戒感を強めている。非農業部門雇
用者数の減少幅の市場予想平均は20万人だが、一部では25万人程度の減少を見
込む声も出ているもようだ。昨日から米国株は急落し、雇用悪化、クリスマス
・年末商戦大苦戦を織り込んでいる。
このため、オバマ民主党から早めのクリスマスプレゼントである、追加の財政
出動による景気対策が一日も早く、ブッシュ政権下で打ち出されることが相場
反転の条件となるだろう。
（株式会社カブ知恵 代表取締役 藤井英敏）
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★ 相場概況（新興市場）
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６日の新興３市場は全面安。日経ジャスダック平均、東証マザーズ指数は６日
ぶり、大証ヘラクレス指数は７日ぶりに反落した。だが、日経平均の前日比6.
53％下落に対して、ジャスダックは同0.86％、マザーズは同3.23％、ヘラクレ
スは同1.53％の下落にとどまった。
本日ジャスダック上場のアサカ理研（5724）の初値は公募価格800円を6.25％
下回る750円だった。高値は810円、安値は736円、終値は765円だった。
個別では、イチヤ（9968）、セイクレスト（8900）、アーク（7873）、クロニ
クル（9822）、朝日インテック（7747）、オックスホールディングス（2350）、
インスパイアー（2724）、ＦＵＪＩＫＯＨ（2405）、アイディーユー（8922）、
助川電気工業（7711）、ソリトンシステムズ（3040）、アイビーダイワ（3587
）、プラネックスコミュニケ（6784）、フルヤ金属（7826）、アセット・マネ
ジャーズＨＤ（2337）などの値上がりが目立つ。
一方、山崎建設（6650）、ニューディール（4740）、守谷商会（1798）、五洋
インテックス（7519）、メイコー（6787）などの値下がりが目立つ。
個別銘柄動向は以下の通り
アドミラルシステム(2351)、自己株式の取得枠拡大を好感
29300円 1900円高
５日、自己株式の取得枠拡大を発表した。これが好感された。取得する株式
の総数上限は 2000 株(従来1000 株)(発行済株式総数に対する割合2.76%(同1.
38％))、取得価額の総額上限は 6000万円(同3000万円)、取得する方法は東京
証券取引所における市場買付け、取得する期間は08年10月８日から08年12月30
日まで。
フルヤ金属(7826)、09年６月期第１四半期単独、86％営業増益を好感
8500円 1000円高のストップ高買い気配
５日に発表した、09年６月期第１四半期単独業績は、売上高79億600万円(前
年同期比2.0％増)、営業利益８億8000万円(同86.4％増)、経常利益８億6500万
円(同89.3％増)、四半期純利益５億900万円(同87.8％増)だった。営業損益段
階からの大幅増益が好感された。同社は08年６月に、土浦工場における貴金属
回収・精製ラインの増設を行なったが、ＨＤの垂直磁気記録方式用ルテニウム
ターゲットの堅調な需要に支えられ、設備の稼動状況は良好に推移した。また、
ＬＥＤ用基盤製造のための単結晶育成装置向けのイリジウムルツボや、触媒製
造用貴金属化合物等に対する需要も総じて堅調に推移した。
アセット・マネ(2337)、いちごアセット社長の取締役就任が買い材料
8820円 1000円高のストップ高買い気配
５日、いちごアセットマネジメント株式会社代表取締役社長のスコット キ
ャロン氏が取締役に、就任したと発表した。これが買い材料になった。取締役
会の決議により、08年10月10日の発表のとおり、スコット キャロン氏が指名
委員長及び報酬委員長に選定された。なお、スコット キャロン氏に10月10日
より同社の代表執行役会長に就任し、同社グループの業務執行を統括してい
た。
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★ 今後の相場イメージ（新興市場）
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６日のＩＰＯレシオは前日の229.63から87.52ポイント急落して142.11となっ
た。下落は６日ぶり。ＩＰＯレシオ５日移動平均線は133.56と、こちらは４日
連続の上昇だ。
ＩＰＯレシオは急落したとは言え、５日移動平均線を上回っており、且つ、５
日移動平均線自体が上向きのため、直近ＩＰＯ市場全体としても反発は継続し
ているようだ。
しかし、直近ＩＰＯ銘柄の殆どが初値及び公募価格を下回っている上、商いも
一向に盛り上がっていない。これでは直近ＩＰＯ銘柄は短期資金の呼び水にな
ることはないだろう。
一方、３市場売買代金は前日から40億円減少して324億円となった。本日は、
日経ジャスダック平均、東証マザーズ指数は６日ぶり、大証ヘラクレス指数は
７日ぶりに反落した。
だが、日経平均の前日比6.53％下落に対して、ジャスダックは同0.86％、マザ
ーズは同3.23％、ヘラクレスは同1.53％の下落にとどまった。また、日経平均
がここまでの大幅安となる中、売買代金の減少が40億円にとどまった点は評価
したい。
これまでと違い、押し目を買う、拾おうという動きが徐々にだが出ている感が
強い。ただし、売買代金が400億円、500億円といった具合に増加してこない限
り、新興市場の先高観が強まることはないだろう。
（株式会社カブ知恵 代表取締役 藤井英敏）
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★ ＩＰＯ情報
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★ 編集後記
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トヨタの決算はマジで厳しいですね。上期の営業利益が5820億6800万円で、
通期営業利益計画が6000億円ですから、下期の営業利益の計画は179億3200
万円に過ぎません。想定為替レートは、通期平均で１米ドル＝103円、１ユー
ロ＝146円です。足元では、これよりも円高水準で推移しています。稼ぎ頭の
欧米の景気が、車をどんどん買おうというところまで戻るには相当な時間を
要しそうですし、為替市場の円高バイアスも結構強い状態が続くでしょうし。
市場は、同社に限らず、主力の輸出企業の来期以降の営業赤字リスクを織り
込むことになるかもですね。そうなると、ＰＢＲ１倍割れは許容され、割安
感があるとは言えなくなります。まあ、それへの警戒から日経は大幅下落し
たので、トヨタの下方修正の明日の相場への影響は限定的でしょうが、来期
以降の企業業績への懸念が一段と強まり、相場の上値が限定的になったこと
は確かでしょうね。
（藤井英敏）
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