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「カブ知恵」発、個人投資家向け株式情報 2009年3月2日発行
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★ 目次
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★ 各種株価指数の状況
★ 相場概況（主力株）
★ 今後の相場イメージ（主力株）
★ 今後の相場イメージ（新興市場）
★ ＩＰＯ情報
★ 編集後記
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★ 各種株価指数の状況
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日経２２５ 7280.15 -288.27 -3.81％
ＴＯＰＩＸ 734.59 -22.12 -2.92％
日経ＪＡＳＤＡＱ 1010.96 -3.25 -0.32％
Ｊ−Ｓｔｏｃｋ 859.68 -13.14 -1.51％
マザーズ 292.23 -4.98 -1.68％
ヘラクレス 443.54 -4.78 -1.07％
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★ 相場概況（主力株）
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２日の日経平均は前週末比288.27円安の7280.15円、高値は始値の7454.28円、
安値は14時23分の7234.96円。東証一部の売買代金は１兆788億円、値上がり銘
柄数は323銘柄、値下がり銘柄数は1288銘柄、変わらずは99銘柄。日経平均は
２日ぶりに大幅反落。
27日のＮＹダウは前日比119.15ドル安の7062.93ドルと、97年５月以来約11年
10カ月ぶりの安値で取引を終えた。米財務省は、政府が保有するシティグルー
プの優先株を議決権のある普通株に転換する内容の支援策を発表した。希薄化
が進むとの懸念が強まり、金融株が軒並み下落した。ＧＥが減配を発表したこ
とや、昨年10-12月期の実質ＧＤＰ改定値が前期比年率6.2％減と速報値の3.8
％減から減少幅が拡大し、市場予想の5.4％減以上に悪化したことも、嫌気さ
れた。
ＮＹ円相場は５日ぶりに反発した。前日比95銭円高・ドル安の1ドル＝97円50-
60銭で取引を終えた。円は一時96円85銭まで上昇した。円は対ユーロで反発し
た。前日比1円85銭円高・ユーロ安の1ユーロ＝123円60-70銭で取引を終えた。
なお、１日付け時事通信は、「自民党の古賀誠選対委員長は１日、テレビ朝日
の討論番組で、政府・与党が検討中の追加景気対策を含む2009年度補正予算案
の規模について「30兆円まで有効な（対策の）積み上げができるかどうか。20
兆円前後じゃないか」との見通しを示した。古賀氏はこの後、記者団に補正予
算案に関し「公共事業は一つの目玉になる」と指摘した。」と報じている。
前場の日経平均は、週末の米株下落を嫌気した売りが先行した。円安が一服し
たことや、CME Globexで米株価指数先物が軟調に推移したことも、重石となっ
た。一方、下値では、政策期待の押し目買いが入り、下げ渋った。膠着感の強
い相場つきだった。
後場に入ると売り圧力が強まった。アジア各国・各地域の株式市場が全面安と
なったことや、CME Globexで米株価指数先物が相変わらず軟調に推移したこと
が、嫌気された。２月24日の終値ベースの直近安値7268.56円を一時下回った。
だが、ザラ場ベースの直近安値である24日の7155.16円は割り込まなかった。
東証33業種では、証券、商品先物の１業種が値上がりした。一方、鉱業、保険、
銀行、海運、卸売、精密機械、非鉄金属、パルプ・紙、化学、電気機器、鉄鋼、
小売、輸送用機器、石油・石炭製品、不動産、ゴム製品、食料品、陸運などの
値下がりが目立つ。
個別では、東証一部の値上がり率トップは山水電気（6793）、２位はＮＩＳグ
ループ（8571）、３位はアーネストワン（8895）。一方、値下がり率トップは
シティグループ（8710）、２位はソフトブレーン（4779）、３位は名古屋銀行
（8522）。
個別銘柄動向は以下の通り
日商エレク(9865)、双日（2768）がＴＯＢ実施、ＴＯＢ価格1000円にサヤ寄せ
616円 100円高のストップ高買い気配
27日、双日（2768）による同社株式に対するＴＯＢ（公開買付け）に関する
賛同を表明した。買付価格は1株当り1000円。本日はこれにサヤ寄せするべく
上昇、買い物殺到で値付かず。本公開買付けが成立した場合には、その後双日
及び住友商事（8053）が合わせて同社の発行済株式総数（自己株式を除く。）
の全てを所有する手続きを実施すること、及び同社株式の上場が廃止される可
能性があることを前提として、賛同の意見表明が行われた。
アミューズ（4301）、１対1.2株の株式分割を好感
1200円 50円高
27日、09年３月31日（火曜日）最終の株主名簿に記載または記録された株主
の所有普通株式数を、１株につき1.2株の割合をもって分割する。この分割が
好感された。
小糸製(7276)、09年３月期通期連結業績の下方修正、悪材料出尽くしの動き
650円 35円高
27日、09年３月期通期連結業績予想の下方修正を発表した。これで当面の悪
材料出尽くしとなった。通期連結業績予想を、売上高3947億円(前回予想比4.7
％減)、営業利益52億円(同45.3％減)、経常利益41億円(同55.4％減)、当期純
利益１億円(同97.1％減)に、それぞれ下方修正した。世界各地域での自動車需
要の減退から市場は縮小を余儀なくされている。各カーメーカーの大幅減産に
伴い、同社の連結、及び単独の収益も更に悪化しているため、通期業績は、売
上高、利益ともに前回予想を下回る見通しとなった。また同日併せて、国内生
産工場の一部(含む連結子会社)を一時閉鎖すると発表した。国内自動車生産は
輸出向けを中心に大幅減産が継続しており、今後も自動車メーカー各社が臨時
休業による生産調整を行うなど、厳しい状況が予測される。同社は、受注量の
大幅減少に対応するため、設備投資抑制、役員報酬及び管理職給与の減額など
費用削減諸施策を展開してきたが、更なる固定費削減のため、国内生産工場の
一部において一時閉鎖を実施し、経営資源の集中による合理化を加速させるこ
ととした。
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若林栄四のプロフィール
1966年、京都大学法学部卒業。東京銀行（現、三菱東京UFJ銀行）入行。同行
シンガポール支店為替課長、本店為替資金部課長、ニューヨーク支店為替課長
を経て、85年よりニューヨーク支店次長。1987年、勧角証券（アメリカ）執行
副社長。1996年末退職。歴史観に裏づけされた洞察力から生み出される、内外
金融市場全般に亘る鋭い相場大局観及び問題の本質を把握し明確に語りきる同
氏の姿勢は、日本国内に限らず海外のプロフェッショナル・機関投資家・ファ
ンド・マネジャーの間でも注目されている。
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（株）ワカバヤシ エフエックス アソシエイツ
金融商品取引業者 登録番号 関東財務局長（金商）第1698号
社団法人日本証券投資顧問業協会 会員番号012-02024
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★ 今後の相場イメージ（主力株）
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米国株式市場が不安定なため、東京株式市場もその影響をモロに被っている。
本日の取引時間中、CME Globexで米株価指数先物は終日軟調だった。今晩の米
国株式市場の下落を織り込む動きを続けた。このため、今晩の米国株式市場が
下落したとしても、余程の値幅を伴った下落にならない限り、明日の東京株式
市場への影響は限定的だ。逆に、米国株式市場が反発するようなら、意外高は
予想される。
シティグループの実質国有化、ＡＩＧへの公的資金300億ドルの追加投入など、
米金融不安は燻り続けている。しかし、政府がシティも、ＡＩＧも決して破綻
させないという強いメッセージだ。これは評価したい。足元では、希薄化や、
更なる業績悪化への懸念で、米国株式市場は不安定な動きとなる可能性はある
とは言え、現在実行中のストレステストが終われば、市場は落ち着きを取り戻
すだろう。
需給的には、外国人投資家の日本株売りは継続しているとみられる。これに見
合う買いは、信託銀行経由のＧＰＩＦ（公的資金）しか見当たらない状況だ。
現在、政府・与党が検討している株価対策への期待はあるにはあるが、法案が
成立したわけではないため、銀行等保有株式取得機構から買いが入ってくるわ
けではない。また、他の株価対策に関しても、具体像が全く明らかになってい
ない。このため、外国人投資家の売りを上回る買い主体が現れるまでは、需給
悪は続く見通しだ。
なお、３月という特殊月を考慮すれば、官製相場の色彩は一段と強まることが
予想される。ＰＫＯ（プライス・キーピング・オペレーション）的な動きが露
骨になる公算が大きい。自然体なら下に走ってもおかしくない状況だが、公的、
若しくは半官半民的な機関を活用した、政府主導のＰＬＯ（プライス・リフテ
ィング・オペレーション）は警戒しておく必要があるだろう。
（株式会社カブ知恵 代表取締役 藤井英敏）
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★ 今後の相場イメージ（新興市場）
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２日のＩＰＯレシオは前週末の102.17から9.19ポイント上昇して、111.36だっ
た。上昇は５日連続。ＩＰＯレシオ５日移動平均線は85.90と、こちらは２日
連続の上昇。
ＩＰＯレシオが５日移動平均線を上回り、且つ、５日移動平均線自体が上向き
のため、直近ＩＰＯ市場は自律反発局面とみている。なお、直近ＩＰＯの人気
銘柄のグリー（3632）が冴えない動きを続けている。同社株は4400円前週末比
130円安だった。人気銘柄が冴えないため、ＩＰＯレシオが上昇しても、直近
ＩＰＯ市場の体感温度が上昇することはないだろう。
一方、３市場売買代金は前週末比36億円減少して159億円だった。完全に物色
圏外に放置されている。個人マネーは一向に流入してこない。
政府・与党の株価対策では、対象が東証一部の主力株になる見通しで、新興市
場はそのメリットを享受できない可能性が高いことも、物色圏外に放置されて
いる理由だろう。当分、新興市場の流動性枯渇状態は続き、先高観が強まるこ
とはなさそうだ。
（株式会社カブ知恵 代表取締役 藤井英敏）
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★ ＩＰＯ情報
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★ 編集後記
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名実共に３月相場入りしましたが、ダメリカにお付き合いして、日本株は軟調
でした。政府・与党は株価対策と09年度の大型補正を早急に取りまとめないと、
相場はズルズルと下方向に行ってしまうでしょう。外国人投資家は３月期末な
んて関係ありません。また、個人も同様です。特に、個人は相場がここまで下
がると、追証発生リスクが増大し、投げ売りを出さざるを得ない状況に陥ると
推察されます。それにしても、政治家の先生方はのんびりしていますねぇ。相
場も酷いですが、今日発表の１月の毎月勤労統計では、製造業の残業時間は平
均9.0時間と、前年同月比40.0％減少しました。減少率は前月の30.6％減を上
回り、比較可能な91年以来最大の減少率を２カ月連続で更新したのです。これ
では、世の中のお父さんの財布は大ピンチでしょう。消費はますます悪化して、
景気も一段と悪化するんでしょうね。
（藤井英敏）
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