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「カブ知恵」発、個人投資家向け株式情報 2009年3月3日発行
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★ 目次
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★ 各種株価指数の状況
★ 相場概況（主力株）
★ 今後の相場イメージ（主力株）
★ 今後の相場イメージ（新興市場）
★ ＩＰＯ情報
★ 編集後記
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★ 各種株価指数の状況
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日経２２５ 7229.72 -50.43 -0.69％
ＴＯＰＩＸ 726.8 -7.79 -1.06％
日経ＪＡＳＤＡＱ 1006.02 -4.94 -0.49％
Ｊ−Ｓｔｏｃｋ 817.23 -42.45 -4.94％
マザーズ 289.7 -2.53 -0.87％
ヘラクレス 438.38 -5.16 -1.16％
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★ 相場概況（主力株）
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３日の日経平均は前日比50.43円安の7229.72円、高値は13時10分の7288.14円、
安値は９時48分の7088.47円。東証一部の売買代金は１兆2121億円、値上がり
銘柄数は440銘柄、値下がり銘柄数は1131銘柄、変わらずは134銘柄。日経平均
は２日続落し、２月24日のザラ場中の直近安値7155.16円を一時割り込んだ。
２日のNYダウは前週末比299.64ドル安の6763.29ドルと、97年４月以来約12年
ぶりの安値で取引を終えた。AIGの巨額赤字が嫌気された。AIGは、第４・四半
期の純損失が617億ドルに達したと発表した。これは米国の企業史上過去最大
の赤字だという。なお、２日、米財務省とＦＲＢは、ＡＩＧに対し、300億ド
ルの追加支援を行うと発表した。米政府によるＡＩＧ支援は、昨年秋以来３度
目だ。
NY円相場は続伸した。前週末比10銭円高・ドル安の1ドル＝97円40-50銭で取引
を終えた。円は対ユーロでも続伸した。前週末比1円10銭円高・ユーロ安の1ユ
ーロ＝122円50-60銭で取引を終えた。１日のＥＵの緊急首脳会議で、ハンガリ
ーが提案した中東欧の金融安定化対策が主要国に拒否されたことで、ユーロ圏
の金融危機拡大の見方が強まっている。
前場の東京株式市場では、米国株の大幅下落を嫌気した売りが先行した。しか
し、売り一巡後は下げ渋った。与謝野財務・金融・経済財政相が、「ＮＹ株式
市場が下がった心理的影響も響いている。静かに推移を見守るが、必要以上の
株価の下げは看過することはできない」と述べたと伝わったことが、下げ渋り
のきっかけとなった。
なお、昼休み中の11時50分、ロイターが、「オバマ米政権は、複数の投資ファ
ンドを設立し、不良化した融資やそれ以外の不良資産を買い取る計画を検討し
ている。米紙ウォールストリート・ジャーナル（ＷＳＪ）が関係筋の話を基に
伝えた。」と報じた。
この報道を好感し、後場は買戻しが先行した。CME Globexで米株価指数先物が
堅調に推移したことも、追い風となった。だが、欧米の金融システムへの不安
は根強く、戻り待ちの売りで、日経平均は伸び切れなかった。
東証33業種では、空運、証券、商品先物、機械、ガラス・土石、精密機械、そ
の他金融の６業種が値上がりした。一方、鉱業、石油・石炭製品、卸売、情報
・通信、電気・ガス、非鉄金属、金属製品、保険、水産・農林、食料品、繊維
製品、鉄鋼などの値下がりが目立つ。
個別では、東証一部の値上がり率トップはさが美（8201）、２位はシルバー精
工（6453）、３位はゼクス（8913）。一方、値下がり率トップは山水電気（67
93）、２位はランド（8918）、３位はサクラダ（5917）。
個別銘柄動向は以下の通り
ＤＥＮＡ(2432)、ＭＳの投資評価「ＯＷ」への引き上げが買い手掛かり
283800円 3700円高
モルガン・スタンレー証券は、同社の投資判断を従来の「ＥＷ」を「ＯＷ」
へ引き上げたそうだ。これが買い手掛かりになったと観測される。メディアと
してのモメンタム低迷に失望感の強いＤｅＮＡだが、モメンタム回復の兆候が
あるという。期待数値とバリュエーションの上昇を見込むそうだ。
ゼビオ（8281）、自己株式取得を好感
1576円 131円高
２日、自己株式取得を発表した。これが好感された。株式取得予定価額の総
額上限は 16億円、取得し得る株式の総数上限は100万株、取得期間は09年３月
３日から09年３月31日、買付方法は市場買付（信託方式（野村信託銀行））。
ポイント(2685)、09年２月期通期連結、売上高、営業・経常利益の上方修正を
好感
4110円 250円高
２日、09年２月期通期連結業績予想の修正を発表した。これが好感された。
通期連結業績予想の売上高は前回予想の862億円から867億円へ、営業利益を同
148億円から155億円へ、経常利益を同149億円から157億円へ、それぞれ上方修
正したが、当期純利益を同83億円から79億円へ下方修正した。売上高は前回予
想値を上回って推移した。利益についても、前回予想値で想定していた営業利
益率・経常利益率を上回ることが出来る見込みであることから、営業利益・経
常利益とも前回予想値を上回る見通し。一方、保有投資有価証券の評価損15億
7900万円が発生したことから、当期純利益は前回予想値を若干下回る見通しと
なった。ＵＢＳ証券は、同社の投資判断「Ｂｕｙ」を継続し、目標株価は6000
円に据え置いたそうだ。ＵＢＳでは09年２月期予想を会社側の修正計画並み、
10年２月期の連結営業利益を170億円から172億円(前期比11%増)に変更したと
いう。投資回収率の高い新規出店を軸に収益成長を見込むそうだ。なお、新年
度の会社計画は５-10%の営業増益との設定になるとＵＢＳではみているもよう。
新中期計画(10年２月期-12年２月期)ではブランド複合型店舗や旗艦店などに
よる成長戦略も示される見通しだとも。
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若林栄四のプロフィール
1966年、京都大学法学部卒業。東京銀行（現、三菱東京UFJ銀行）入行。同行
シンガポール支店為替課長、本店為替資金部課長、ニューヨーク支店為替課長
を経て、85年よりニューヨーク支店次長。1987年、勧角証券（アメリカ）執行
副社長。1996年末退職。歴史観に裏づけされた洞察力から生み出される、内外
金融市場全般に亘る鋭い相場大局観及び問題の本質を把握し明確に語りきる同
氏の姿勢は、日本国内に限らず海外のプロフェッショナル・機関投資家・ファ
ンド・マネジャーの間でも注目されている。
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★ 今後の相場イメージ（主力株）
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与謝野財務・金融・経済財政相が３日の閣議後の記者会見で、本日の相場下落
に関して、「ニューヨークの株式市場が下がった心理的影響も響いている。静
かに推移を見守るが、必要以上の株価の下げは看過することはできない」と述
べたという。
本日のところは、これをきっかけに日経平均は下げ渋った。
しかし、投資環境は刻々と悪化している。中国を除く先進国の景気は悪化し、
欧米金融システム不安も再燃している。実際、ＶＩＸ指数（恐怖指数）は２日
に52.65まで上昇している。
米国のシティ、ＡＩＧは政府が支援しても赤字が拡大している。市場では米金
融安定化策の7000億ドルの枠が足りなくなるのではないか、足りなくなったら、
追加への議会の承認が得られるのかを不安視している。
これほど投資環境が急激に悪化している状況で、口先介入だけで相場下落を止
めることはできないだろう。公的若しくは半公的な資金を実弾でぶち込むと同
時に、大規模補正を組んで先行き景気への明るい展望を具体的に示さないと、
市場の不安は収まるまい。
米国はストレステストを終了させない限り、正確に、必要十分な資本注入額が
みえてこない。しかし、矢継ぎ早に個別対応をしている。市場はこれを現時点
では評価していない。だが、「ストレステストの結果をみてから、対応します」
では、市場はパニックに陥るだろう。その意味では、米政府は一生懸命、今で
きる政策を粛々と遂行している。
残念なのは、日本だ。銀行等保有株式取得機構の買取再開法案は６日に成立す
る見通しだという。
だが、これは既に市場に織り込まれている。例えば、これを今日、国会審議を
前倒しにして、成立させたらどうだっただろうか。市場にポジティブ・サプラ
イズを与えた可能性が高い。
100年に一度の経済危機を認識しているなら、もう少し、スピーディーに対応
して欲しいものだが、政府・国会は市場の期待するスピードに対して、まさに
牛歩並みのスピードでしかない。残念だが、当面、東京株式市場は、米国株式
市場に振らされる可能性が高そうだ。
なお、３日15時付けの朝日新聞ネット版が「小沢氏側団体捜査へ 西松建設献
金巡り規正法違反の疑い」、３日付け毎日新聞ネット版が「鳩山総務相：不動
産売却の報告、旧郵政公社時代分も要求」と、それぞれ報じている。西松建設
献金問題や郵政公社不動産売却・かんぽの宿売却問題が、政治スキャンダルに
発展する可能性が出ている。政治リスクが高まっている点には留意しておきた
い。
（株式会社カブ知恵 代表取締役 藤井英敏）
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★ 今後の相場イメージ（新興市場）
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３日のＩＰＯレシオは前日の111.36から2.06ポイント低下して109.30となった。
低下は６日ぶり。ＩＰＯレシオ５日移動平均線は94.67と、こちらは３日連続の
上昇。
ＩＰＯレシオが５日移動平均線を上回り、且つ、５日移動平均線自体が上昇傾
向を示しているため、直近ＩＰＯ市場は自律反発局面と認識している。
だが、直近ＩＰＯ市場の人気銘柄のグリー（3632）は4260円前日比140円安と
冴えない動きだ。一時4120円まで下落し、連日で上場来安値を更新している。
これではＩＰＯレシオが上昇しても、中身の乏しい上昇となっている可能性が
高い。よって、直近ＩＰＯ市場が完全に盛り上がるためには、グリーの底入れ
待ちとみている。
一方、３市場売買代金は前日比10億円減の149億円だ。ジャスダック市場の売
買代金は概算で70億円と引き続き低水準だが、特に、東証マザーズの売買代金
は62億円と実質今年最低となった。
流動性が枯渇し、個人投資家に引き続き見向きもされていない状況だ。おそら
く、政府・与党の意識する株価対策の対象には新興市場はならないため、需給
改善期待も盛り上がらないのだろう。
また、相変わらず、物色の柱が育たない。よって、新興市場の低迷と流動性枯
渇は当分続く公算が大きい。
（株式会社カブ知恵 代表取締役 藤井英敏）
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★ 編集後記
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今日のところは、与謝野財務・金融・経済財政相の「必要以上の株価の下げ
は看過することはできない」との発言で相場が下げ渋りました。しかし、口
先だけでは、相場の下落を止めることは不可能でしょう。「同情するなら金を
くれ」じゃないけど、「看過できないなら、株を買え」と言いたいですね。
（藤井英敏）
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【等幅フォントで御覧ください】
フォントの設定をWindowsは「MSゴシック」、Macは「Osaka-等幅」等として
いただきますと見やすくご覧いただけます。
＜Outlook Express の場合＞
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で「ＭＳゴシック」をお選びください。
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