Friday, May 1, 2009

「カブ知恵」発、連休前の買い戻し加速、日経は一時9000円回復

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「カブ知恵」発、個人投資家向け株式情報 2009年5月1日発行

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★ 目次
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★ 各種株価指数の状況
★ 相場概況(主力株)
★ 今後の相場イメージ(主力株)
★ 今後の相場イメージ(新興市場)
★ IPO情報
★ 編集後記

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★ 各種株価指数の状況
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日経225 8977.37 149.11 1.69%
TOPIX 846.85 9.06 1.08%
日経JASDAQ 1037.49 -3.1 -0.3%
J−Stock 821.05 -7.61 -0.92%
マザーズ 344.88 0.33 0.1%
ヘラクレス 491.51 1.36 0.28%

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★ 相場概況(主力株)
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1日の日経平均は前日比149.11円高の8977.37円、高値は14時55分の9017.32円、
安値は12時31分の8827.13円。東証一部の売買代金は1兆4547億円、値上がり
銘柄数は848銘柄、値下がり銘柄数は737銘柄、変わらずは119銘柄だった。日
経平均は2日続伸した。

4月30日のNYダウは小幅反落した。前日比17.61ドル安の8168.12ドルだった。
クライスラーの米連邦破産法11条適用申請の発表が売りのきっかけとなった。
新規失業保険申請件数が前週比で減少し、4月のシカゴ購買部協会景気指数(
PMI)が市場予想を上回ったことは、相場を下支えした。

NY円相場は続落した。前日比95銭円安・ドル高の1ドル=98円55-65銭で取引
を終えた。 円は対ユーロで3日続落した。前日比95銭円安・ユーロ高の1ユ
ーロ=130円50-60銭で取引を終えた。シカゴ日経平均先物は8895円大証終値比
35円高だった。

ところで、舛添厚生労働相は1日、厚労省は新型のウイルス株を入手できてお
らず、現状では確定診断はできない状況下、新型インフルエンザに感染した疑
いがある患者を日本で初めて確認したと発表した。

対外及び対内証券売買契約等の状況(週間、指定報告機関ベース)では、4月
19-25日の対内株式は、差し引き98億円の資本流出超と、小幅ながら2週連続
の売り越しだった。

3月の有効求人倍率は0.52倍と前月を0.07ポイント下回り、完全失業率は4.8
%と前月比0.4ポイント上昇した。3月の全国消費者物価指数(CPI)は、
変動の激しい生鮮食品を除くベースで前年同月比0.1%下落し、07年9月以来
1年半ぶりにマイナスとなった。

前場の東京株式市場は長期休場前の週末ということで、買い方・売り方双方の
手仕舞い売買が交錯した。前半は売り方の買戻しが先行し、その後、買い方の
手仕舞い売りで、日経平均は急速に伸び悩んだ。物色面では、昨日あたりまで
値を飛ばしていた新型インフル関連の急落が目立った。

後場に入り直後は前場の上値の重さを嫌気した売りが優勢だった。しかし、相
場全体の底堅さが意識されたことに加え、企業収益の底入れ期待もあり、連休
明けの相場への先高観が強まった。このため、長期休場を控えていることもあ
り、リスクを回避したい売り方の買戻しが加速したとみられる。

東証33業種では、卸売、海運、鉄鋼、石油・石炭製品、不動産、電気機器、証
券、商品先物、ゴム製品、非鉄金属、化学などが値上がりした。一方、倉庫・
運輸、繊維製品、食料品、空運、保険、電気・ガス、医薬品、銀行の8業種が
値下がりした。

個別では、東証一部の値上がり率トップはゼクス(8913)、2位はホウスイ(
1352)、3位は富士通(6702)。一方、値下がり率トップは富士紡ホールディ
ングス(3104)、2位はシキボウ(3109)、3位は東海染工(3577)。

個別銘柄動向は以下の通り

ソフトバンク(9984)、CSの目標株価2900円継続が買い手掛かり
1717円 167円高 
クレディ・スイス証券は、同社の目標株価2900円、投資評価「OUTPERFORM」を
継続したそうだ。これが買い手掛かりになったと観測される。今回新たに3つ
の経営数値のコミットメントが示され、これは極めて株価にとってポジティブ
であるとCSは考えるという。第一に、今後3年間の累計FCF目標として1 兆
円が掲げられたこと。10年3月期のFCF計画は2500億円であり、単純計算で
11年3月期と12年3月期は3750億円ずつと、大幅に増加する格好だという。こ
れはKDDI(9433)が中期的に目指す2000億円の約2倍、そしてNTTドコ
モ(9437)の10年3月期計画の3800億円に比肩する驚異的な規模であるそうだ。
第二に、現在約2兆円の純有利子負債を12年3月期に半減させ、更に15年3月
期にゼロ、純有利子負債をゼロにするまでは大規模投資は実行しないことを明
言したこと。第三に10年3月期の増配(1株配従来2.5円を5円へ倍増)を決定、
11年3月期以降も継続増配方針であることを示したこと。配当金総額そのもの
は大きくないが、この増配決議はキャッシュフローに余裕が生じつつあること
を機関投資家に再認識させることになるとみているという。

ブラザー(6448)、GSの目標株価910円への引き上げが買い手掛かり
862円 65円高 
ゴールドマン・サックス証券は、同社の投資判断「中立」を継続したが、目標
株価は従来の770円を910円に引き上げたそうだ。これが買い手掛かりになった
と観測される。30日引け後発表の1-3月期営業損失38 億円は会社計画比若干
ながら上振れ、同時に公表された10年3月期の会社営業利益ガイダンス130億
円も、事前のGS予想(51億円)やIFIS コンセンサス(10億円)を大きく上
回るサプライズだという。プリンタ消耗品の増収率(現地通貨ベース)をプラス
10%とするなど、一部リスク含みの前提も含まれるが、会社の固定費削減に向
けた取り組みはGS想定以上であり、前向きに評価したいそうだ。

グリーンHS(3360)、09年3月期通期連結業績の上方修正を好感
38000円 4000円高のストップ高買い気配 
30日、09年3月期通期連結業績の上方修正を発表した。これが好感された。売
上高は従来の1200億円を1186億円に下方修正したが、営業利益は同31億円を36
億2000万円へ、経常利益は同33億円を37億6000万円へ、当期純利益は同16億円
を20億5000万円へ、それぞれ上方修正した。営業利益は、原価低減の一層の徹
底及び経費削減により採算性が向上したことから、前回予想よりも改善する見
通しとなった。また、当期純利益に関しては、経常利益が改善すると共に、投
資有価証券の評価損が第3四半期と対比して9億7000万円から14億4900万円に
拡大する一方で、同評価損の損金算入要件の見直しにより、税金費用が減少し
たため前回予想よりも改善する見通しとなった。

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若林栄四のプロフィール

1966年、京都大学法学部卒業。東京銀行(現、三菱東京UFJ銀行)入行。同行
シンガポール支店為替課長、本店為替資金部課長、ニューヨーク支店為替課長
を経て、85年よりニューヨーク支店次長。1987年、勧角証券(アメリカ)執行
副社長。1996年末退職。歴史観に裏づけされた洞察力から生み出される、内外
金融市場全般に亘る鋭い相場大局観及び問題の本質を把握し明確に語りきる同
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★ 今後の相場イメージ(主力株)
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GW明けの来週は7日と8日の2日間の立会いだ。東京株式市場の休場中の米
国を中心とした株式市場の動向と外国為替市場での円相場次第で、相場は上下
に振らされる見通しだ。

市場が最も注目しているのは、米主要19行を対象に実施したストレステストの
結果だ。結果の発表は当初予定の4日ではなく、6日にずれ込む見通しだとい
う。また、ストレステストの結果については、概要ではなく各行ごとの結果を
公表する方向で検討しているそうだ。

資本不足が指摘された銀行に対して、当局はまず、優先株の普通株への転換に
より増資を試みるよう指示するとしている。優先株の普通株への転換で増資を
行うなら、政府が追加支援の資金を議会に要請する可能性は低くなるためだと
いう。

投資家は昨年の米議会の金融安定化を巡る議論の紆余曲折の再現を嫌気してい
る感が強い。このため、大手行が政府の意に反して、優先株の普通株への転換
を避けるべく、強硬に資本不足ではないと反証したり、自助努力で資金調達を
図ろうとしない限り、普通株への転換で、米金融安定化問題はひとまず決着す
る公算が大きい。当然これは米株式市場にポジティブに作用しよう。

一方、燻りつける懸念としてGM問題があるが、これに関しては、既にクライ
スラーがチャプター11の適用申請をしたことで、相場への材料としては以前ほ
ど大きな影響を及ぼさないとみている。

仮に破綻したとしても、政府主導の秩序ある破綻であり、その影響は最小限に
抑えられる公算が大きいからだ。つまり、当面の米株式市場が先行きの経済的
な混乱に怯え、急落するリスクは著しく低下したと考える。

ただし、リーマン・ショックに端を発した金融危機の後遺症で、実体経済は冷
え込んだままだ。同時に、企業収益も足元急激に悪化している。年後半の世界
的な景気底入れへの期待はあるが、その確度が一段と高まらない限り、バリュ
エーション面から上値をドンドン追っていける状況ではない。

よって、来週の株式市場は、外部環境に予想外の波乱が生じない限り、底堅く、
上値も重い展開を想定する。日経平均の想定レンジは8500円〜9300円程度。

(株式会社カブ知恵 代表取締役 藤井英敏)

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★ 今後の相場イメージ(新興市場)
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1日のIPOレシオは前日の148.57から22.26ポイント急落し126.32となった。
下落は4日ぶり。IPOレシオ5日移動平均線は128.27と、こちらは9日連続
の上昇。

IPOレシオが5日移動平均線をあっさり割り込んだ。直近IPO市場の調整
が始まった可能性が高い。今後、IPOレシオが5日移動平均線を上回るまで
は、IPOレシオは50〜70程度までの低下が見込まれる。

一方、3市場売買代金は前日から11億円増加して232億円となった。しかし、
水準的には300億円を大幅に下回っている。長期休場を控えていることもあり、
個人投資家の動きは鈍ったままのようだ。

連休明けに売買代金が増加するようなら、再び、値幅取りの動きがネット株中
心に出る可能性はあるが、過度の期待は持たず、成り行きを見守りたい。

今後も、ボリュームが増加しないようなら、引き続き、新興市場は個人投資家
に無視され続けることになるだろう。

(株式会社カブ知恵 代表取締役 藤井英敏)

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★ IPO情報
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★ 編集後記
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明日からいよいよ5連休です。本日まで相場と戦われた皆様、本当にお疲れ
様でした。楽しいゴールデン・ウィークをお楽しみください。

(藤井英敏)

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